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大河拳法創始者

107話 大河拳法創始者


 この娘のかまえは天林拳。

 なるほど、あの坊主の弟子か。

 天林拳なら、私も。


「行くぞ!」


 天林拳の第一の突きは軽々とかわされた。

 では、北上脚の後ろ回し蹴り!


「なに!」


 蹴りを腕でかわされ、その腕が脚を流れて背中に掌を打ち込まれた。

 

「触れただけ、何も効いていないわ」


 すぐしゃがみ連続の足払い、が一蹴りも当たらない。


「県都では、回し蹴りが流行ってるのかしら?」


 眼の前にくり出した前蹴りの足が見えた。

 いかん、咄嗟に避けたが反対の足が回ってきた。


 横顔にモロくらった。


  ツッタタタタ


「そんな、ヤワな蹴りでは倒れんぞ小娘!」


 次ぐに体制を直し、南下拳の連続突きを。


 女は軽く跳ねながら、かわし。横に回った。

 突きを出した私の脇が掴まれて、後ろからの足払いで私の体が浮いた。

 そして腹に掌が打たれたまま地面に叩きつけれれた。


 なんだ、今のは。


「へぇ〜リァン、燕青拳を使ってる」

「ボクとの朝稽古に付き合ってたから、覚えちゃたんだな」


「そうか、知らぬとこで大河拳法がひろまってるのか……いいコトだ」


「が、力不足だな。リァンファ」


 リァンは、倒れた相手の股間に蹴りを。

 それは、ちょっと。


「ひいっ!」


「今度は効いたかしら?」


 隊長さんは股間をおさえて前かがみで防御も攻撃も無理だ。


「ま、待て。ココを蹴るなんて……」


「そんな事は決めてないわよ、襲われたら女はこの後すぐに逃げるんだけど……」


 と、リァンは足を上げて見せた。

 かかと落としか。


 が、落とさなかった。


「うっつつ、おまえ的確にタマを狙って蹴ったな……わかった。終わりにしょう」


 隊長さんは跳ねはじめた。


「アロン、腰を……」


 と、師匠に言われ。


「いらぬ……。この事は内密に」


 去ろうとする隊長さんにチャオが。


「おい、金貨十枚忘れんなよ!」


 隊長さんは腰を曲げて戻り。袋を投げて帰った。


「あいつ、しけてんなぁ4枚しか入ってないぞ、リァンなら勝てると思って来たんだな」


「内密にと言ってたが、朝とはいえ、もう大分見学してたぞ。あの隊長さん、当分外を歩けないな」


「連中から見料とるの忘れた。めったに見れるものじゃなかったのに」


 その日の午後にも、やはり。


「私は夫婦で剣の修行をしてる者、先ほどそちらの方たちの演武を見ましたが、私ら夫婦と一手お願いしたい」


 コレまた体の大きな奥さんをもった、おっさんが。


「虫の夫婦だな」

「チャオさん、なんですそれ?」

「みなではないが、虫のつがいはメスの方が大きい。なんとかという虫は交尾をしたらオスは栄養を取るため食べられてしまうのもいるとか」


「そうですか、チャオさんて、物知りですね」

「そうでもない、レイは、あの師匠に拳法しか……」

「あの村は道場が、学びの場でしたから……。あの大きな奥さん。見るからに強そうだ」



「いいんだけど立合い料をもらうよ」


「すまんが貧乏旅なので……」


「チャオ殿、武術家の修行旅はそういうものだ。我らも」


「そうか、じゃあんたらが負けたら旅先で我、大河拳法の凄さを伝えてくれ」


「わかり申した!」


 この虫の夫婦とイ・オン夫婦の手合わせは、すぐに終わった。


 あの大きな奥さんは見かけだおしだった。

 背の低い旦那。それでもイ・オン夫婦よりは大きいが。おっさんの剣は大きな奥さんを台のように使ってたが、大河剣法の敵ではなかった。


「『大河剣法』恐るべし、その創始者とは?」


「様子江のチャオ・チアンウェイだ。覚えておけ!」


 チャオは。まえはあたいだと、胸張ってたが今回は名を。


 夫婦が去って聞いてみた。


「ああ〜。やっぱりさ、あたいみたいな小娘だというのはダメだとわかってさ。でも、名前はあたいだから……その名で拡がるからね」


「女の拳法創始者も沢山いるからの。チャオ殿の選択は正しい」


 と、師匠が。


 日が沈みはじめた頃。

 あの坊さんと知事が、お忍びでと。


 ココの知事は王様かよ?


「貴殿らに話がある。ご面倒だが、また庁に来てくださらんか」


 民服の知事はニコニコして。


「悪い話では、ない夕食でもしながら話を聞いてもらいたい」


「知事直々とは、それなりの話だろうなチャオ殿、どうしますかな」


「う〜ん」


               つづく 

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