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現れた騎馬隊

104話 現れた騎馬隊


 貯まるは、たまったけど、多くはない。

 なにしろ袋に入れるのは皆、銅貨やそれ以下の石カネだ。


「なにか、もっと稼げないかなぁ」


「ココに大河拳法道場を開こうアロン、門弟からカネをとればいい」


「チャオ、道場は?」


「ここで、青空道場だよ」


「いいですね、チャオさん。私にも大河拳法教えてください」


「教えるのはいいがレイ、仲間からはカネはとれないからなぁ。儲けがない」


「まあ練習してりゃ門弟が増えるんじゃないかな」  


「おい、チャオ。この広場を使わせてもらってるのを忘れるなよ。今は大道芸として借りてるが、道場だと、料金も変わるぞ」


「やっぱ、高い?」


「だろうな……」


 そこへ兵隊が。

 隊長らしい鎧の男が。


「貴様らか、大河拳法とかを披露している連中か?」


 馬の上から。


「ああ、あたいが大河拳法総帥だ」


「なに、ままごとか? おい、そこの坊主。おまえがそうか?」


「あんたは礼儀を知らないのか? 馬から降りて話しなさい。ちなみに私は大河拳法とは、何も関係ない」


「わかった……」


 隊長が馬から降りると十人ほどの兵隊も。

 意外と素直だ。

 

「アロンさん、この人たちは有名な県都の騎馬隊では」

「そうなの、有名なのか? 連中はナニしにココに?」


 ぐるっと見回して、隊長はボクとレイに。


「誰が代表か?!」


「言われてみれば、誰だ? やっぱ師匠かな?」


「私ではない、その方は大河拳法と。やはりチャオ殿だ」


「そのチャオというのは、おまえか女」


「あたしはリーだ。だからぁ総帥は彼女とはじめから……」


「ホントにおまえなのか? 子供ではないか。アギァ! 足を」


「あんた、いっぱしの兵士なんだろ。あたいの蹴りを避けられなくてよく偉そうに。あたいは子供じゃないよ。二十もこえてる!」


 え、チャオはボクより歳上だったのか。

 同じかと。


「ちょっと油断していた。まさかおまえが……。おまえたちを県庁に招くよう知事が。ついてまいれ!」


「アロンさん、知事が我々になんのようが?」

「レイさん、ボクに聞かれても。師匠、なんですかね」


「さあな、美味い物でも食わしてくれるのならいいが。のうウーサイ」


「あ、ああ。節約だと、ろくな物食べてないからな。そうだったら。ブタもよろこぶ」


「仕方ないじゃないですか、いくらもカネ持ってないのだから、なんか儲け話の方がいいですね」



「城のない王都って誰か言ったな、県庁の建物は城だぞ。しかも王都より立派だ。県民のカネで造ったのか?」

「それを言ったのはあたいだリー。知らなかった。県民がみついでるとも思えない、何処かで悪さでも……」


「そうとしか思えない立派な建物だ。あの少年王の城がみすぼらしく思える」


 まさに華中であって華中ではないなココは。


「知事、彼らが大河拳法なる……」


 建物から二人の槍を持った兵にはさまれた小さな老人が。


 先ほどの騎馬隊の隊長が膝まづいてる。


 あの小柄な老人が知事なのか? 

 イ・オンとかと、かわらないのでは。


「よく来た。キミたちの実力が見たくてな、ココの闘技場で試合をしてもらいたい」


「知事だからってタダじゃ見せないよ!」


「安心せい。その分は払う。そして勝てばまた、賞金をだそう。それでいいかな?」


「貴様ら、ここの闘技場で試合が出来るのは名誉なことだ、普通ならカネ払ってもやれん!」


 と、隊長さんが。


「なるほど、御前試合か」


「なんです、師匠。それ、昼前にやる試合ですか?」


「いや、簡単に言うと偉い人に見せる試合だアロン」


「そうですか師匠。で、勝てれば賞金も出るとか、稼げますね。大会だと入賞しないと出ないからこちらの方がいいですね」


「だな、アロン! やるか、リー、レイ……ウーサイは、やらないか……」


「気が向いたら、殺してもいいのか?」


 張り切ってるのはボクだけじゃない。


               つづく

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