旅の仲間が
102話 旅の仲間が
トウメン国。
「なに、また奴めに……。兵の補強を絶たれたと」
「ツァンレンめ、意識して我らの計画の邪魔をしているのか……。やはり、なんとかしなければ世界征服どころか華中国、いや辺境の地でさえ……」
「どうする、我々がツァンレンを……」
「まああわてるなラゴウよ。まだ、一人残っている」
「誰だ、そいつは? 十三魔王は、出そろったのではないのか」
「コウモリ男モグイ、アレはは十三魔王の一人ではありませんよ。奴は獣などの親玉にすぎない自称魔王。もう一人はツァンレンの姉、ツァンレンコー」
「ルファよ、わしはあの女は幽閉雲で死んだと聞いたぞ」
「ソレは、あの女を世間から抹殺するための天界のウソだ」
「そうなのか、わしは戦にしか興味がなくてな。知らなかった、アレはツァンレンより強いと」
「私が幽閉雲に、昇ってまいる!」
山賊の部落。
「それは、本当か!」
兄のことを聞いたチャオは、会いに行くと部落を飛び出した。
チャオに二人の小人の弟子がついて行った。
「ここの飯は美味いな、アロン!」
ボクら夕食は部落で。
「師匠、次は何処へ?」
「そうだなぁ。グァイビの町より南下してみよう。まだ町はある」
一晩、部落に泊まり。朝、再びチャオが向かったグァイビの町に。
今回の出迎えは、門弟で道場でボクらの担当をした男だ。
師匠が珍しく弟子に誘った男。
ボクより歳上そうだが若い門弟だ。
「おお、コレは正直者の……名はなんと言ったかな?」
「レイ・コンチィと、お忘れでなかったら私も弟子の一人に……」
この人、あの話を真に受けちゃたよ。
「よろしい、旅の支度をして門のトコで待ってなさい」
「はい、師匠」
ホントに?!
「そうだ、昨夜ここへ誰か訪ねて来なかったか。二人の小人を連れた背の小さな少女のような女性だ」
「それなら、例の広間に」
「あ、坊さん。」
「どうしたんだ、チャオ。兄さんに会えたか?」
「それが、アロン。まだなんだ。急いで来ちまったからさ。ドコに居るとか、なんて名乗ってるのか、本名を言っても知らぬ存ぜぬだ。武術家なら、ココへ行ってみなと言われ来て、ここで一晩」
「あ、昨日は……」
「え、あんたはボロボロの……」
みえたのは新品の服を着た土泥流の人。髪や髭を切りさっぱりと。
別人のようだが、その声とちょっとした南部なまりでわかった。
「バオユイです。あなた方のおかげで安住の地を見つけました。いきなり多くの門弟をもてるとは……」
「で、坊さん。ここで名を言ってもわからないと。兄さんは何処に」
「バオユイ殿。ここに町長が、住んでるのでは?」
「ああ、彼か。やはり道場に住んでる町長は、変だと。町外れにある空き家に彼は居る」
「そうか、ありがとう」
「ああ、こちらこそ。女房、子供も呼ぼうと考えてますよ」
チャオの隣に居る小人二人はよく見ると男女ではないか。昨日はちらっと見たけだったから、わからなかったが。
一人はたしか山賊をしていた頭だ。
「ああ、紹介するよみんな。弟子の二人だ。男は山賊の頭のイ・オンは、知ってるよな。こっちはカミさんのエ・ユエだ」
「頭の奥さんか、はじめましてアロンです」
「いえ、夜宴のときに顔を会わしてますわ」
「そうか、知らんかったわいエ・ユエ殿。じゃチャオ殿。久々の兄弟の対面といこうかな」
ボクたちは、町はずれにあるという建物に。
ここは、元宿屋では。
「坊さんたち、また来たのか……あれ」
「兄さん!」
「チアンウェイか!」
ボクらは、ここで初めてチャオの本名を知った。
チャオ・チアンウェイ。
兄はここでは相変わらず偽名でスー・チーアルと、だが彼も本名はチャオ・シンチーウだと、チャオが。
彼はやたらと偽名使うので困るそうだ。まだ、いくつか名前があると聞く。
兄と再会したチャオだか、やはり大河拳法をひろめたいと、ボクらの南方行きに同行。
「アロン、またチビスケどもが増えた!」
「イ・オンとエ・ユエのことか、まあ小さいが、彼らはニュウと違って大人だからな。二人は夫婦だしな」
「そうか、じゃあっちの男は? あいつ、たしか、どうじよーに居た! にぎり飯を持って来た!」
「ああ、彼はレイだ。レイ・コンチィ。ボクの弟弟子になった」
「まさか、本当に弟子になっちゃうなんて。わたしは師匠の一番弟子のリァンファよ、よろしく。で、あっちの女の子を肩車してるのがアロン。で、あなたは三番目……。拳法でない弟子が一人いるけど彼はわたしたちとは違うから。ここにはいないわ。あっちのブタに乗ってる子とかは弟子ではないから」
「弟子ではないと……あの師匠のその、女とか……」
「違うわよ、あんた。聞こえたわよ。あたいの耳は地獄耳よ悪口言ったら殺すよ」
「な、何なんですあのブタの上の女は……」
「ウーサイはね、あぶない娘だから気をつけた方がいいかな」
「リーアン、誰が危ないって?」
「あ、ウーサイ。わたしはリァンだから」
「リァン、なんかあたしたちの悪口言ってんの?」
「言ってません!」
「あ、こいつがさ。弟子でないあたいたちが坊主の女かって」
「なるほど、そういう疑いも……えーとあんた名前は?」
「レイです。レイ・コンチィ」
「レイか、あのねあたしはリー・ピングオ。あたし以外の女はみんなバカだから」
「はぁ~」
「ウーサイ、言わしとけ。リーはこの中で一番弱い」
「違うわよ、リァンが一番弱い」
「リーさん、ニュウよりは、わたしが」
「違う! ニュウが一番強い!」
「かもな、リァンファ。なんだかにぎやかになったな」
「しかし、師匠。みんなで十人ですよ。宿代や食事代が大変です……」
「皆で大道芸でもやって稼ぐかアロン」
つづく




