女将の仇討ち
101話 女将の仇討ち
「ひっ!」
「なにっ」
「いい歳したおっさんが、女性の顔を殴るのはいただけないな!」
ボクは、走り。女将さんの顔に拳を上げた町長ハイ・ワイシンの拳を止めた。
ので、女将さんの短剣が町長の腹に。
女将さんの短剣をぬこうとした手も僕が止めた。
「死ね!」
女将さんは、刺さった短剣を、横に動かし傷を広げた。
「あがっ!」
女将さんは、広げた傷口に手を突っ込み内臓の何かを引っ張り出し下がって尻から倒れた。
「コレで闘えまい!」
言えてる。ボクは足で町長を後ろへ押した。
町長の腸が女将の手から伸びて、なんとも言えないありさまに。
「こぉのぉおお!」
この状態で町長は女将さんに襲いかかるのをボクは、足をかけて転ばした。
この人はボクが見えてないのか? もう。
町長は女将さんの足元まで這うが。
「この蹴りは兄のだ!」
「グッ」
「そしてコレは弟の!」
ぽっちゃり気味の女将は飛び上がると町長の背に。
ドスッ
「うわぁあああ~ん。兄さ〜ん。シンファン、仇はとったよ!」
町長の上の女将は顔をゆがめ泣いた。
女将さんの仇討ちが終わった。
町長が、やられると助手の女も闘いをやめた。
「おい、やめるのか! あたしはまだ、やりたりない!」
「もう、闘う意味はない……終わりだ。私は町を出る」
「よし、ドコかで会ったらケリをつけるぞ。あたいはリー・ピングオだ。覚えておけ峨嵋刺女」
なんて、リーさんが。
「おい、ボロ雑巾。あんたに報酬を払うヤツが、やられたぞ。が、あいつは、はじめから報酬なんか出す気は、ねぇんだよ。仕事が終われば、今夜には薬で動けなくされ殺されていただろうよ」
「なんだと……じやワシが門弟たちに教えた技は……」
「アレ〜ウーちゃん。なんだか終わっちゃた?!」
こちらに来なかった師匠は、門弟たちを道場に集めて町長の悪事を伝えたが。
「どうも、彼らは洗脳されてるので、一日やそこらでは納得しない……」
「なるほど、坊さん。いい考えがある。この土泥流のバオユイは、まだ師範代だ。彼の言うことなら」
「なるほど、ではいっそうのことバオユイ殿、この道場の師範になられてはどうだ」
「なに、わしがこの道場の」
「おっさん、ついでに町長にでも」
「いや、ワシは拳法なら教えられるが、政治のことはよくわからん」
「スー・チーアル殿、あんたがこの町で町長をしたらよかろう。腕もあるし……頭もきれそうだ」
「そうだ、あんたならこの町の悪法も変えられる!」
「女将まで、坊さん、俺も拳法バカだから……」
「あんた、別に目的があって旅してるんじゃないならしばらくここで。イイ男だし」
「女将、その血だらけの手でさわるなよ」
「おう、わしらも見てたが。今までの悪知恵がはたらく悪徳町長よりは、正義感がある拳法バカの方がましだ!」
いつの間にか町の人たちが。
本当はあの町長の支配していた町には、こりていたのだろう。
「俺は、バカだからろくなコトは出来ないぞ、町長にふさわしいヤツが現れたら即おりて町から出てく。それでもいいか!」
本当にスー・チーアルさんは町長に。
買い物も通貨で買えて楽に。
「あたしは、物足りなかった」
「リーさん負けたら有り金全部取られたかも」
「それも嫌だが、あたしは負けない!」
「さて、チャオ殿を迎えに行くか。朗報もあるし」
「師匠、朗報ってなんです?」
「アロン、嬉しい知らせのコトよ」
「それは、なんです? 師匠」
「チャオ殿の兄の行くえだ」
「え、ドコでそれを?」
「わからなかったのかアロン。私はチラッとだがスー・チーアルの技を見てすぐにわかったぞ、アレはチャオ殿と同じ流れをくむ技だと」
「ええ、ではスー・チーアルさんはチヤオの
お兄さん」
「そうなんだ、師匠。スー・チーアルさんを町長にしてあの町にわざと足止めしたのね」
「そうか、あのあと旅に出たらまた、いつ会えるかわからない。それは、チャオにいい知らせだ!」
つづく




