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魔天女

10話 魔天女


「ほい、そこゆくお嬢さん、山道は一人じゃ危ないよ。どうかな、このあたりは物騒だから僕と同行しない?」


「そういうおまえ、こんな山道でなにをしてた? 私はおまえが、とても怪しく見えるが」


「そういうことを言っちゃだめだ。僕はこの山で一番無害な生き物なんだから」


「見た目はな、で、あんたの後ろに出てきた無害などと無縁の連中は、なんだ? 剣を持ってるぞ」


「え、あっおまえら出てくるの早いんだよ! もう少し彼女と仲良くなったら出てこいよ!」


「頭、面倒ですぜ……そういうの」


「後ろの連中、頭と呼んだよ。あんた山賊の頭か。あんたと違い汚い連中だねぇ。そこのヒゲヅラ、風呂はいつ入った。ここまで臭うよ!」


「バレちゃたね。そう僕らは峠の山賊だ。持ち物全部置いてけ! おおっ意外に素直だね……まだ服もあるよ服も全部脱いで。そしたら命は取らない。黙って峠を越えていくがいい」


「頭、いい女だ。黙って通すのはもったいねぇ。俺、その強気で性格悪そうな女、好みなんだ?」


「そう……だけどね、この女は手強いよ。だから裸にむいてから……ホラ、素直に脱いでる……え、ナニ、その姿は獣?」


 女の下着は金色の短い毛の毛皮。かろうじてアソコはかくれてる。乳あても同じ毛皮で小さくても乳首はしっかり隠れてる。その長い髪を解くと、毛皮と同じ金色に変わり頭の上に耳が。

頭の上に獣耳! 尻には、やはり金色の大きな尻尾が。


「おまえは妖怪か?!」


「妖怪なんて下等な連中と一緒にしてほしくないね。私は魔天女さ」


「魔天女?」


「そうさ、しばらく遊ぼうではないか。あんたらは私の下僕になる」




「父さん、この峠を越えて何処に?」


「父さん? 誰に行ってるのかな弟子のリァンファよ」

「あ、すみません師匠」


「西方に行く。西方のある町で武術大会があると聞いてな。この華中国の優れた武術家が集まるそうだ」

「師匠も参加するんですか?」


「いや、優れた武術を見学したいんだ。おまえたち、出たいなら出なさい」


「ボク、武術を知りません。師匠、まだ教えてくれないのですか?」

「わたしもよ父さん、あ、師匠。わたしは出る気ないけど……」


「そうか、つまらんな。アロン、おまえに武術の形など、いらんだろ。リァンファには、昔教えたぞ」


「いつの話です。もう忘れました」


「大丈夫だ身体が憶えてる」

「って、変な言い方しないでよ。とう、し、師匠」


「師匠、ここから森ですね。山賊が出ると聞きましたが……まあ山賊なんか師匠の敵ではありませんけど」


   ガサッ


「アロンのアニキ、今なんか木から木へ飛んだ」


「マン・ケイ、後ろに!」


「な、んですかアネキ……うわぁ。なんだ、こいつは、猿か人か」


 獣人? 猿のような男がボクたちの後ろに、木から降り立った。ひとり、またひとり。また。


「アロン、前を見て!」


 前には半裸状態の毛皮を着けた女と後ろの獣人みたいのが数匹。

 オンナの耳が頭の上に、獣耳だ。

 こいつは妖怪か。

 妖怪の山賊?


「おや、色っぽい獣耳娘だな、あんたは妖怪かな?」


「いや、私は魔天女だ。私の仲間が、あんたの後ろに居るよね坊さん」


「キャア!」


 獣人のひとり?が、リァンに飛びつこうとしたから棍術棒で突き払った。


「ガウッ……」


「おい、アロン。知り合いかな? この女、私に紹介してくれぬか」


「リァン、マン、師匠の後ろに」


 知り合い? ボクに妖怪の知り合いなんかいない。

 ん、この女は。


「魔天狐のツォンミン……」


 頭の中に浮かんだ名を口にした。


「あら、ちゃんと私の名を憶えてるじゃない。ツァンレン!」


「ツァンレン? だれのコトだ。ボクはアロンだ!」


「あーあ、やっぱり人間に……。まあいいわ、私との勝負つけてもらうよ!」


 素早く動いた女の体が当たる寸前に避けたらマン・ケイに当たってしまい。マンが吹っ飛んだ。

 ボクはマンが背負った荷物の上のニュウを抱いて横っ飛びを。


「マン大丈夫か!」

「ニュウは大丈夫だ。アロン!」


 ニュウには聞いてない。

 女の体当たりをくらったマンは気絶している。


「アロン、仲間を大切にしなさい」


「すみません師匠、ニュウを」


 と、ニュウを師匠の方に投げると、女の蹴りが。


「私に渡すなアロン! おいリァンファ、この子を」

「はい、父さん!」

「ニュウは荷物じゃない!」


 あの女の後ろに居た獣人どもが襲ってきたが、父さんが連続蹴りで。


「キャア、こっちからも」


 父さんの真似して蹴りを。


「あたった!」


「リァンファ、こちらに!」


 あ、アロンと女が消えた。ドコへ?



 森の中。


「ツァンレン、逃げるな。私と闘え!」


「だからボクはアロンだって!」


 うわぁボク、森の中をすごく速く走ってる。


 前にある大木を回って女の後ろから背に蹴りをはなち、反り返った体で顔が前に。

  その顔に、ひじ打ちを。

 わぁボクがやってるんだけど女性の顔にひじ打ちはないだろ。歯が折れたかも。


 地に着く前に女は尻尾を使い、まわって後ろ蹴りをボクの股間に。

 両腿で受けて逃れた。

 地に着いた女は手を地につけ、獣の姿勢で。


「効いてないよツァンレン、まだこれからだ」


 と、ひじ打ちのせいで鼻と口から血を流し言うと横っ飛びで森の中に消えた。


 逃げたわけじゃない気配は感じる。


 魔天狐ツォンミン。なんだ奴はボクをツァンレンと呼んだ。


               つづく

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