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第18話 マイン

ごめんなさい! 日付変わっちゃった(汗)

今日の7時台にまた最新話投稿すると思いますのでぜひ!!申し訳ない!

「あらら。イジメ過ぎましたか」


 マドイはどこからともなく現れ、マルスに歩み寄る。


「今この男に見せているのは、お姉様が裏切って離れて行く幻覚です。この男はお姉様の事を信じていないのです。お姉様が()()()()()()()のに」


 徐々に言葉の調子が上がっていくマドイに対して、マルスは冷静に言葉を届けた。


「――そうだな、私は()()()()()()()。それはお前が一番分かっているだろ」


「……っ」


「私が在る限り、私が要る限り、この関係(弟子)は壊せないさ―――。」


 マドイは一瞬の躊躇いの後に、瞳を開いた。


「お姉様、それでも私は嫉妬してしまいます。お姉様に会えない期間がどれほど苦しかったか……」


「自業自得ってやつじゃないか? 天下の大悪党。」


「大袈裟な、ただ誰かの物を奪うだけの泥棒ですよ。そして、今日はお姉様の(ハート)をいただきます」


 突如、マルスの目の前にいた姿が消えていき、背後からマルスのアゴを引き寄せる少女が現れる。


「ちゅーっ」と、マドイは唇を寄せる。


 マルスは自分の顔の前にワープ(ホール)を開き、接近した顔面を手で掴める位置に飛ばした。


「むぎゅっ!?」とマドイは頬を潰されて鳴き声をあげる。


「お前なぁ、そんなに凄い力があるのにどうして生身で飛び込む? 幻覚で意表を突いて接近すれば良いだろ」


「十分意表は突いた気だったのですが……、まあ()()は読まれてますか……。私たちは熱い口づけを交わした仲ですからね!」


「嘘を吐くな……」


「嘘をツク事は()の始まりですから♪」


 マドイはマルスに目を合わせることなく、声の調子を弾ませる。それに疑念を覚えながらも、マルスはワープ穴をマドイの首の位置に調節して言葉を投げかける。


「なあマドイ、私のワープホールなのだがこのまま穴を閉じてしまえばどうなると思う?」

「え……?」


 空間に開いた穴のフチがマドイを締め付けるように首にぴったりフィットする。少しでも変な行動をすれば、いつでも空間の繋がりを切ってしまえるように。


「……あぁ、マズいですね。」


 顔はマルスの握力に潰されて、にわかには動けない。降参を申し上げるような目付きでマドイは口を開く。


「……参りましたね。このまま死んでしまってはあの男が金輪際悪夢に悩まされてしまいます♪」


 マドイが指を差す先に肩を震わせ定まらない焦点で自我を失ったように嗚咽する和希の涙があった。


 マルスはマドイの顔から手を離す。


「ふふっ。お姉様に縛られるのも悪い物ではないですね」


 そうは言いながらもワープ穴から首を引っ込め、マドイは両頬の痛みを擦る。


「さて、戻してあげましょう。……まあ元の健気な精神に戻るかは分かりませんが」


 マドイが和希に歩み寄ろうと一歩を踏み出した瞬間、和希の呼吸が激しく行われる。


 吸って吐いてを大きく繰り返し、徐々に落ち着いてくると和希は自身のパーカーの背をまさぐりフードを力強く被る。被った後も吸って、吐いて、一番深い深呼吸が行われたタイミングで和希はひとり言のように語りだした。


「――だいじょーぶっ! もう僕は自分を見失わないよ! だから大丈夫、にしし!」


 自己暗示を掛けるように繰り返される「大丈夫」、マルスはマドイを追い抜いて和希の正面に迫る。


「カズキ、聞こえるか」


「はいっ! 僕に何か用事ですか??」


「驚いた!」とマドイが遠くで和希を眺める。

「本当に私の()()から脱したのですね。素晴らしい…… でも、それは“自分の心”を殺したからでしょうか」


 マドイもマルスの後を追って和希に迫る。


「私やお姉様への恐怖心が消えたように見受けます。どういうカラクリでしょうか」


「も~! からくりってなんですか! 僕は僕ですよ~ 端からビビってなんかないですし、だって僕ヒーローですよ?」


 マルスは和希のフードを脱がす。


「僕がビビるわけっ…… ぼっ 俺、は…… ……あの…! ちっ近いです……っ」


 和希は怯えながら後ずさりする。そして数秒前の自分の言動を思い出して顔に熱がのぼり始めた。


「なるほど……」


 2人は更に和希に迫った。


「えっ!? ちょっと!! 話聞いてました??!」


 和希は退くほどに背後の壁に迫っていき、ついに逃げ場がなくなった。


「あわわわわっ」


「そんなに怖がらなくて良いぞ、別に何もしない」


「やっぱりお姉様を信頼していないんですよこの男は」


「そ、そうか……」


 マルスのがっかりした顔が目に入り、和希は慌ててフードを深く被る。フードの影で顔を覆い、2人の視線が目に入らないようにした和希は、マルスの手を取って言う。


「おれっ、僕はちゃんと師匠の事を信じていますよ! だって、友達ですもんね!」


 マルスはフードを脱がす。


「んひゃぁ! ちがっ……!! もっ…、遊ばないでください…!」


 和希は涙の溜まった目尻を赤く染め上げてマルスの視線に怯えるのだった。

遅れた身分で申し訳ないが、待っててくれるか


→イヤッタァ~!!ブックマーク4も付いてるゥ!!!応援ありがとうございます!励みになりますハゲ気になります過激になります?観劇感激させます!


→追加完了です!オチ弱めです!早く次の話に進もう

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