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第16話 ノーコン

※この物語はフィクションです。事実とは異なります。

「必殺技と言っても、お前がここぞという時に使える物でないと意味が無い。つまりは、お前自身との相性が良い技を開拓して奥の手にするんだ」


 マルスが座した和希の背中を後ろから押し、柔軟運動を行わせる。


「俺の得意な技とかありましたっけ? あいたた、押す力つよいです」


「それを今から見つけるんだ」


 んー! と和希は力みそうになる体を意識的に脱力させ、腰や股関節を十分に伸ばす。


「だがまあ、運動量の多い技は厳しいだろうと思うから、とりあえず魔法に重きを置いた技を試してみるか。お前の魔力量は目を見張る物がある」


 不意に師匠に褒められて、和希は顔を赤く染めながら「ホントですか!?」と嬉しさを露わにする。



――でも、どうして俺にそんなに魔力があるんだろ? 普通に生きてきただけなのに……


 和希は疑問を頭の片隅に置いて、魔法の練習を始めた。



 炎を出しても、水を出しても、土をイジっても、和希の魔法は上手く機能しない。というか、発動後の制御(コントロール)が上手くいっていなかった。


「……うぅ。ノーコンですいません……。思い通りにボール投げるのとか苦手で……」


「気にするな。……だがお前、一度氷山の魔法を使いこなしていただろう? 【一角】というヤツを」


 マルスは腕を組みながら和希の指先から顔までを流し見る。


「あれもコントロールはできてなかったと思いますよ。スーノから話を聞いてイメージが具体的に持ててたってだけの話で」


「イメージの具体性か。なら、私のワープは使えるかもな」


 マルスは空中に小さな円形を指でなぞる。その期待に和希は首を横に振って答えた。


「やってみたけど、無理でした。コントロールとか以前に発動ができなかったです。」


「もう試したのか。チャンスの狙いに抜け目が無いな」


「中二病だからすぐやりたくなっちゃうんです。……あぁっまたイヤな記憶がぁ」


「ともかく、もう少し魔法の練習をしてみるか。でもまあ魔法は私の専門外ではあるからな、ケモーかスーノにでも教えてもらえると良いが……――ッ…!!!」


 そこまで話したところでマルスは唐突に悪い予感が過り、体を翻す。


見るとそこには、猛ダッシュでマルスに向かってくる白い服の人間がいた。


「――ぉお姉サマァああーー!!!」


 勢いを殺さぬまま飛び上がった白服は、空中で宙返りするなどしてマルスへの激しい感情を表し、そのままマルス目掛けて加速落下してきた。


 マルスは【障壁】を展開して顔面にぶつけることで白服を止め、そこから力なくずり落ちる体を、まるで姫でも扱うように腰に手を添えて片手を握る事で支えた。


「……お前はいつも元気だな。()()()――。」


 マルスの手を借り立ち上がった少女は、白い生地に何本ものボーダーが入った服を纏っており、その姿はまるで……


「はい! マドイ、ただいま牢獄から()けてきました!」


(……だ、脱獄…!?)


 マドイはマルスの手を離さないままに蠱惑的な表情を和希に向ける。


「びっくりさせましたかね? まあそうですよね。ちなみに、街中で男どもを殴ってたら捕まりました」


(真っ当に罪を犯してる…!?)


「良いのです、あんな男達の事なんて。私にはマルスお姉様さえ居てくれれば十分なのですから……」


「確かお前、以前は異性への痴漢で捕まっていなかったか」


「お姉様。そんな訳がないでしょう? マドイはお姉様の事を第一に考えていますので」


「む、そうだったか」


 マドイは顔色ひとつ変えずに言い切った。その姿が逆に和希には怪しく映ったが、マルスが気にしないようなので苦笑しながら一旦無視した。



「それにしてもお姉様、随分とそちらの方と仲がよろしいようで……」


 マドイは和希の場所を顎で示す。顔の色は相変わらず変化しないが声のトーンだけが鈍くなる。


「どういった関係で?」

「ふふっ、こいつは私の弟子だ。」


 間髪入れずに答えるマルスに、和希は恥ずかしさが勝ってはにかんでしまう。


「ほう、弟子。…少し覗かせていただきましたが、()()()は少々出来が良くないようですね。」


 その言葉を聞き和希は口をつぐむ。



「――そうでもないぞ。」


 マルスが口を開いて切り出した。


「確かにまだダメダメなところが多いし体も心もムラが多くて鍛えるのは苦労するが、それでも必死に私に食らいつこうとする姿勢は評価している。私の良き友達だ」


 今度は嬉しさが勝った和希は、光の灯った瞳孔でマルスに目を奪われた。


 それが面白くないのはマドイである。たった一瞬の疎外感を切り捨て、マドイは口を挟む。


「素晴らしい、良き師弟関係と言った所ですかね。では、私はその関係を否定しましょう。」



 マドイの周りに無数の魔法が()み出る。


「あなたたちの絆では、私さえ倒せませんよ」


 マドイは蠱惑的な笑顔になった。

いやあの本当にごめんなさい。待っててください。ご迷惑お掛けします。よければ前話までの改稿分にお目通しいただければ…


→ヤッター!ブクマ入ってるゥー!!ヒューぽんぽんポ~ン!!はい、続き書きます、すいません。追加稿をつい書こう、いうてね。すいません吸いません。他からアイデア吸い出します追加します。ちぇき


→間に合ったと言えば間に合ったし、次の投稿時間を守れなかったといえば、そう。

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