桃色
1月というのは厳しい冬の真っただ中である。私が成長するために選んだのは夜の街である。なぜ?と思うかもしれないが理由はある。
話下手な私にはある程度、話しに慣れた接客業の人の方がよいということ。私自身の殻を破るにはうってつけだとも思った。きっと理由はほかにもある。ただ、行きたいと思ったとかとか。
いや、人肌むけるにはやはりクソ野郎になるしかない。「クソ野郎になれ」は当時の同僚が言っていたのだが。今となってはこの「クソ野郎になれ」はあまりお勧めできないわけだ。
まぁ、別にいい。私は短期間に夜な夜な店を渡り歩き、もう顔も覚えられてきた頃ある1軒の店にいつものように酔いながら入った。
程よい暗さの店内の奥に通されて、いつものように接待される。しかし、今日はいつもと違うのは好みの女性に出会ったからだ。名前はももといった。萌えるに「々」と書いて萌々。
「良い名前だね。」
そう言うというのは決して鉄板ネタではない。その品やかそうでまた、可愛らしい見た目のその女性がタイプなのだと自分でもこの時に知った。
彼女の趣味の話を聞くと高揚感があった。高揚感という言葉がこの時にピッタリだ。
私は趣味と言われるものに対して自信をもって人に言えることはなかったのだが、したいと思う趣味。例えば、読書が全然できなかった私は彼女に対してすごいなと思った。
どうやら彼女に畏敬の念を持っていたことは確からしい。興味を惹かれたことも確かだった。
外に出ると雪が少し降っていた。ももは一緒に近くの居酒屋やカラオケへ付き添ってくれた。
タクシーに乗るのを止めて温もりあるホテルへと二人で歩いた街道には強く風が吹き、雪が舞い散っていた。
これまでのことを序章とするかのように。




