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シープルおばさまは名探偵〜唐揚げと生贄誘拐殺人事件〜  作者: 地野千塩


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お年玉大作戦編-7

 ちょうど昼時で亜弓も雪也も空腹を覚えていた。病院の一階にあるカフェに行くことにした。カフェの入り口が門松が飾られ、この病院の中では華やかな雰囲気だ。昼時で見舞い客達でカフェは混んでいたが、亜弓が席を確保し、雪也がセルフサービスのカウンターでサンドイッチとコーヒーを注文して持ってきた。


「いただきます」

「俺の奢りだからな」


 雪也はちょっとニヤつきながら、サンドイッチを頬張る。こう言ったカフェの割には具がたっぷり入ったサンドイッチだ。亜弓もサンドイッチを食べて満足した。


「それにしてもミチルさんは、この町に出身でお姉さんが行方不明になっていたなんてね」

「どう思う? タッキー。なんかさ、真凛とミチルの姉ちゃん誘拐したヤツって同じじゃないかな?」


 その雪也の憶測は亜弓も考えた。でも、証拠がない。それに真凛の証言、香水の事。どれも怪しく思えてなら無い。


「その可能性もあるけど、犯人はなぜミチルのお姉ちゃんと真凛ちゃんを誘拐? 10年以上も経って? 犯人の意図が全く見えないのよね」


 結局二人で考えてみたが、答えは出ない。この問題は栗子に投げておいた方が良さそうだ。栗子だって別に頭脳明晰とは言えず、推理力が高いとも言えないが、コージーミステリのヒロインになりきっている時は、好きな事ができて充実している為か妙に機転がきく事がある。香坂今日子の事件の時は、意外と栗子が活躍していた。犯人から色仕掛けされた時は頭がぼんやりしていたが。


「タッキー、次は誰に話を聞く?」


 今後の計画は何も決まっていなかった。


「真凛か、真凛のお母さんに会えてば良いんだけど」

「当てずっぽうに行くのはなぁ。そうだ、明日アイドルの星村七絵のイベントがこの町のスーパーであるんだけどタッキーいかな?」

「え? アイドル?」


 全く興味のない話題であるが。


「ミチルの大ファンだったヨシオくんって子が明日来るんだよ。なんか過去の話を知ってるかもよ?」


 そのミチルのファンに会って事件が解決すり可能性は低いかもそれないが、少しでも手がかりが欲しかった。


「じゃ、明日行くわ」

「オッケー、明日10時だよ」


 その後、まだちょっとお腹が減ったのでフルーツパフェを注文して二人で食べた。濃厚なクリームの甘さを味わい、ほんの少しだけ事件の事は忘れられた。

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