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魔力ゼロの最強光剣使い ~評価されない落ちこぼれ宇宙軍士官候補生は異世界で近接無双する~  作者: タック
二章 大災害級〝施しのアウグストゥス〟

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20/21

最強の光剣使い

本日ラスト。

 アユムはコックピットの中で、無傷の〝施しのアウグストゥス〟を見上げていた。

 敵はあまりにも強大だ。


「急造の銃じゃ利かないな……」

『どうしますか、艦長アユム。赤龍をぶつけますか?』

「いや、ちょっと疲れるけどアレをやる。ZYXのエーテルリミッターを第一まで外してくれ」

『地球を救った力を間近に感じることができて光栄です』

「俺本人が救ったわけじゃないさ」


 七面天女は、ふふっと笑った気がする。


『第一エーテルリミッター解除――神威機士の赤き牙に祝福を!』


 その瞬間、アユムの身体から莫大なエーテルが放出される。

 戦艦やZYXのエネルギー源となっているエーテルコアと同質のもので、レッドファングに流すことによって機体のパワーを爆発的に上げることができるのだ。

 ただし、エーテルコアと違って不安定であり、力を出し続けられるのも短時間だけだ。

 いわゆるスーパーモードというやつである。


「いくぞ、斬り刻まれる覚悟は済んでいるな!」


〝施しのアウグストゥス〟の熱線がレッドファングを襲う。

 レッドファングは瞬時に光剣以外の武装を切り離し、強化された機体で超高速移動をした。

 切り離された武装だけが熱線に晒されて誘爆する。


「くっ!」


 急加速をかけた機体は軋み、鋼がねじ切れるような音が聞こえてきている。

 簡易重力制御では殺しきれないGがアユムを殴りつける。

 それも慣れているとばかりに口角を吊り上げて犬歯を見せ、レッドファングを敵へと向けてブーストさせる。

 その手にあるのは光剣一本だけだ。


「そんな小さな光剣一本でどうするんだ、と思って油断してるな? だが――」


 アユムは身体の中から湧き出てくるエーテルを、レッドファングの右手にある光剣に集める。

 光剣は輝きを増し、天を突くような光の柱サイズになった。


「あいにく、俺は光剣しか能が無くてね!!」


 超高速移動+天を突くような光剣。

 それは一国を滅ぼした、超巨大なベヒーモス型の大災害級〝施しのアウグストゥス〟でさえ――敵ではない。


「大罪を斬り割け! 七の月光搦げ邪滅す剣(セブン・ムーンライト)!」


 瞬間移動にしか見えない速度で、単純に七回斬りつける。

 ただそれだけで相手は脚を、腰を、胴を、首を――切り落とされ地に伏す。

 単純に、ただそれだけで強いというのはどうしようもないのだ。

 ここに大災害級〝施しのアウグストゥス〟の討伐が完了した。


「メッチャ疲れた……」


 レッドファングは負荷に耐えきれず、ダメージ吸収の特殊装甲がボロボロと地面に落ちていく。

 赤い装甲が剥がれていき、黒い骨格フレームが見えている。

 それは不思議と傷痕のように痛々しいとは思えず、勝利の勲章のようだった。

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