第89話 立場が違うだろ!
紫帆「随分積極的ね…。」
清水「ジェイミー!キミはこんなに胸小さくてもいいのか?!俺ならもっと大きい相手探すぞ。」
紫帆「ちょっと!清水くん!あなた最低ね!」
佳宏「清水さん。レディー相手に失礼だよ?松山さん。ボクは貴女のような素敵なアジアンビューティーな女性は他にいないと思っています。」
紫帆「…あ、ありがとう。でも貴方こそ私なんかよりも美しい代表的な人よ?世界で見ても貴方のような美貌を持つ人間は稀よ。貴方から美しい人と言われても私困っちゃうわ。」
佳宏「そんなことありません。男のボクが女性の貴女より美しいと言われても困ります。本来、美しいという言葉は女性を表現する言葉です。ボクは貴女をひと目見て、美しい女性だと感じました。だから」
紫帆「じゃあ何で貴方はそこまで美意識高いの?スーパースターだから?」
佳宏「ボクが美を磨いているのは趣味の1つであり、また男性の中でこの世でナンバーワンの美しい男になりたい、年齢関係なく美しい存在で居続けたいという野望があります。決して女性は意識していません。あくまでも男のナンバーワンを常に目指しているだけです。世間では男は女性と比べて美意識が低いと思います。それを私は変える事のできる1人の人間になりたいのです。幼少の頃から私は母親不在で姉3人に囲まれた生活を送ってきました。ボクは赤ん坊の頃にたまたま道で出会ったカメラマンが出版した“世界のBABY図鑑”という写真集で芸能事務所のスカウトマンから声をかけられ、芸能の世界に入りました。初めは幼児の雑誌モデルやCMモデルの仕事を中心にしていました。わたしが仕事を次々とこなすうちに一般の世界にいた姉達はわたしの影響で段々と美意識が高まるようになりました。姉達の美意識を間近で見ていたわたしも段々と美意識が高まり、姉達に負けたくない!と踏ん張りました。結果わたしは姉達よりも美意識が高くなっていました。また気づいた時には美容が大好きになっていました。だから、自分を磨き続けているのです。それは生涯、死ぬまでナンバーワンを目指して磨き続けるつもりです。」
太陽「ジェイミーさん、ホントに凄いんだよ!異常な美意識で例えるとスカイツリー並みたいだぜ。」
佳宏「太陽。俺の美意識がスカイツリーだと?!俺の美意識はムーンに届く高さだと表現してもらえないと。」
太陽「ムーン?ムーンって何?」
高嗣「む、ムーンは月です。」
太陽「なるほど!何?!月だと?月なんて行ったことないからわかんねーよ。月を出されても困るッスよ!ジェイミーさん!」
佳宏「月を眺めると思う事がある。月の輝きの美しさは俺にピッタリじゃないか?太陽。」
太陽「…な、なんか急に話変わってないすか?!ジェイミーさん!」
佳宏「太陽。俺は今何か余計な話をしたか?」
太陽「……いや、してないです。」
佳宏「ふふ。クスクス。太陽、鏡プリーズ。」
太陽「……どうぞ。」
サッ
鷹島さんはすぐ鞄の中から長方形の黒い鏡を取り出し、ヒロに渡す。
高嗣「鷹島さん。いつもこんな感じのやり取りなんですか?」
太陽「ん?そうだけど」
高嗣「鷹島さんは素直だから何でもすぐ彼の指示に従うんですね。ボクならすぐ鏡渡しませんよ。」
太陽「だってガチでナンバーワンに近い美貌の持ち主じゃん。それに常に華があるというか。これくらいの容姿じゃナルシストになるの当たり前じゃないか?」
高嗣「ち、調子に乗らせない為にすぐに渡しちゃダメですよ!」
太陽「それに俺従うしかできないんだよ。相手が大物スターであり、超VIPでめちゃくちゃ超がつく大金持ちでしかも、あの美貌で完全に敵わない相手だろ?逆らう方が問題だろうが。」
高嗣「でも」
太陽「ジェイミーさまから見て俺とお前は立場が違うだろ!」




