第66話 遅刻常習犯ジェイミー
太陽「ハア、ハア。よし!テニスクラブが見えてきたぞ!あともう少しだ!」
パタパタパタ
ガチャ
太陽「何とか間に合ったー!」
俺は朝礼、集団練習が始まる5分前に到着した。
クリス「グッモーニン!タイヨウ!今日は遅刻じゃないみたいだね!」
太陽「??」
マイケル「タイヨウ!ジェイミーと一緒じゃないの?」
太陽『タイヨウとジェイミーはわかるけど、あと何言ってるか全然わからねー!』
クリス「ナオヤ!通訳して頂戴!」
菜央弥「…鷹島。今日はアイツと一緒じゃないのか?って言ってる。」
太陽「あ、あぁ。今日は先に来ちゃいました!ハハハ。」
菜央弥「今日は先に来たんだって。」
クリス「なるほどー!ありがとう、ナオヤ。」
マイケル「ありがとう、ナオヤ。」
菜央弥「なぁ。アイツまた趣味で忙しいのか?」
太陽「え?まあ。」
菜央弥「…ハァ。アイツらしいぜ。日本なら絶対やっていけないな。」
ジョン「グッモーニン!ミーの生徒たち!キミたちは本当に朝から早いね〜!ん?!タイヨウじゃないか!どうしたんだい?こんな朝早くから来て。」
菜央弥「…鷹島。呼ばれてるぞ。今日は朝が早くてビックリしてるみたいだ。」
太陽「あの、師匠が遅いんで先に来ちゃいました。」
菜央弥「アイツ遅いんで先に来たそうです。」
ジョン「ワオ!さすがジャパニーズ!真面目だね〜。」
太陽「??」
鷹島さん達は12時まで集団練習を行った。
ジョン「ハーイ!練習終わり〜!皆お昼タイムだよ〜!」
太陽『師匠まだ来ない!あ!そうだ!』
鷹島さんはお昼休み時間になると、ロッカーへ行ってリュックサックの中からスマホを取り出しボクに電話をかけてきた。
プルプルプル
高嗣「はい、もしもし。」
太陽「もしもし、高嗣。お前俺と師匠の写真見たか〜?」
高嗣「…はい、見ました。」
太陽「師匠と一緒に暮らしてるんだけどさ、師匠マイペースでさ。」
高嗣「…そうなんですか。それは大変ですね。」
太陽「今朝も遅くてさ、俺遅刻常習犯になると思って先に練習場に来ちゃたぜ。」
高嗣『鷹島さんごめんなさい。ヒロは毎回準備に時間かかる人なんです。許してあげて下さい。』
太陽「…おい?どうしたんだよ?」
高嗣「…え?何でもないです!」
佳宏「あ!太陽!…誰と電話してるの?」
太陽「あ!師匠!今友達と電話してたっす。」
佳宏「ふーん。」
高嗣『あ!ヒロの声が聞こえる!話したいな〜!』
太陽「師匠来たからまたな!」
高嗣「はい!また!」
ブーブーブー
太陽「師匠。今まで何してたんすか?合同練習終わりましたよ。」
佳宏「あのね〜身支度終えて、その後会社行って従業員の様子見てきたの!」
太陽『本業より副業の方が先かよ?!』
佳宏「…お昼は食べてきたし、さて練習しますか。」
スタスタスタ
太陽「師匠。…テニス好きっすか?」
佳宏「もちろん好きだよ。」
太陽「じゃあ何で毎回練習来ないんすか?」
佳宏「練習に来てない?来てるじゃん。」
太陽「あ、えーと、師匠はテニスと会社どっち大事なんすか?」
佳宏「どっちも!選べないくらいに好き!」
太陽「これからも続けるんすか?」
佳宏「何を?」
太陽「俺、明日からも遅刻するつもりなら先に練習来てるんで。遅刻するのは嫌だから。師匠は遅刻するの嫌じゃないんすか?」
佳宏「遅刻はたしかによくないけど、ボクには大事な用事があるからな〜。それに元々集団練習は苦手なんだ。単独練習の方が好きだし、自分で考えながら集中して練習できる!」
太陽「師匠は王者だから許されるんでしょうけど、王者から落ちた時が怖いっすよ。」
佳宏「…今から練習して次も優勝してみせるから。」
ヒロは鷹島さんから離れて奥にある部屋へ入って行った。




