第65話 スターとの共同生活
その頃フロリダではヒロと鷹島さん、そしてソウジさんがテニスクラブに行く支度をしていた。
太陽「…師匠遅いなぁ。出発時間より30分は過ぎているぞ。」
ソウジ「まあ、いつものことですから。」
太陽「ソウジさん。師匠毎回遅いけど、何してるんすか?」
ソウジ「美容のお時間です。」
太陽「は?」
ソウジ「ジェイミーさんのご趣味ですから放っておいて下さい。」
太陽「放っておいて下さいって…。」
スタスタスタ
トントントン
太陽「師匠!今何してるんすか?」
佳宏「だ・か・ら〜師匠じゃなくてジェイミーと呼んでちょうだいよ。」
太陽「だって師匠は師匠じゃないすか。」
佳宏「ハァ…。」
ガチャ
佳宏「ん?」
太陽「師匠。鏡の前で何してるんすか?」
佳宏「化粧水塗ってるの。」
太陽「け、化粧水…?」
佳宏「うん。化粧水塗って、乳液つけて、美容液つけて、日焼け止めクリームつけて、あと…」
太陽「そんなこと別にしなくてもいいじゃないすか!」
佳宏「え?」
太陽「女臭い。」
佳宏「女臭い…?」
太陽「男は別に何もしなくたって大丈夫っすよ。」
佳宏「ノー!嫌だよ、そんなの!せっかくの肌が老化しちゃう!」
太陽「はあ?師匠いつからこんなのに目覚めたんすか?」
佳宏「話せば長くなるけど、聞きたい?」
太陽「聞きたいっす。」
佳宏「…俺は4人きょうだいの末っ子長男。女性に多く囲まれて育った。一番上の姉は俺と10歳離れている。俺が5歳の時、姉は15歳。姉は昔から芸能界に憧れを抱いていて、美容に関心が高かった。2番目の姉。2番目の姉は俺と4歳離れている。3番目の姉とは双子。2番目の姉は肌にはある程度気を使う人だった。そして、3番目の姉!3番目の姉は1番目の姉同様芸能界に憧れを抱いていて幼いながら美容には関心が高かった。そしてそして、俺の幼稚園児からの元カノ。彼女は幼い頃から女優で美容に関心が高かった。」
太陽「つまり女性に囲まれて育ったのが影響してるんすね!特に彼女は。」
佳宏「あぁ。彼女は両親がハリウッドスターの為か高い化粧品を沢山持っていた。俺もほしくて仕方なかったが、父さんは金持ってないし、じいちゃんに頼んだら男がやることではないと否定されてさ。だから、絶対スターになって化粧品買ってやる!と思ってやってきたわけ。買う前から色々調べたら余計に関心持つようになっちゃってさ〜。プロになった最初の年でほしいの全部買っちゃたけ。」
太陽「そうだったんすね。ってこんな時間!師匠!俺先に行ってるっすよ!」
バタン
パタパタパタ
ソウジ「太陽さん!」
太陽「先に行ってるっす!」
ソウジ「ここは日本と違ってどこでも安全じゃないですよ!」
太陽「でも、遅刻する方がヤバイじゃないすか!」
ソウジ「…たしかに日本では遅刻することはよくないみたいですよね。わかります。」
太陽「そうっすよー!だから俺走って行ってくるっす。」
ソウジ「気をつけて下さいよー!」
パタパタパタ
太陽『師匠には申し訳ないが、先に行ってしまおう!遅刻はやっぱりダメだ。今日こそは遅刻しないぞ!』
鷹島さんはヒロを置いて先にテニスクラブへ向かった。




