【番外編】ヒロのSPソウジ
ある日のこと。
ヒロはテニス以外の仕事があるからとボクと暮らすマンションへ戻って来ていた。
高嗣「おかえりなさい!今日は手巻き寿司を作ってみました!」
佳宏「ただいま!リアリー?!ボクの大好きなウニはあるの?」
高嗣「ウニは残念ながらありません。」
佳宏「オーマイガー!」
ソウジ「佳宏さん。」
サッ
佳宏「What?」
ソウジ「こちらをどうぞ!ウニでしたら私がご用意しておきました。」
佳宏「ソウジ!オーマイガー!」
ソウジ「私は佳宏さんの為ならいつ何時でもご準備できていますよ!」
佳宏「As expected! My manager!(さすが!僕のマネージャー!)」
ソウジ「このような分野では佳宏さんに負けたことはありませんよ!ハハハ!」
佳宏「クソッ!」
この人はヒロが10歳頃からずっと一緒に付き添っている執事兼SP。今はマネージャーも勤めてるけど。日系アメリカ人で名前は“ソウジ・サイトウ”。学生時代はロサンゼルスにある道場で剣道をしていたらしい。運動神経抜群で頭も良く気が利いて、似たようなタイプのヒロとはよくどちらが出来るか競っている。ヒロに何故似た者同士の人を執事に選んだのか前に聞いたら、自分と似た者は珍しくまた、真面目で遊び相手としても面白いらしいかららしい。ヒロらしい考えだとは思った。ヒロは毎回自分に合いそうな人を変わってるけど、真面目なタイプを選ぶ。上田くんにしてもそう。あと同じジョンコーチに指導してもらっているチームメイトの人達も。あと、ニューヨークの仕事で出会った著名人の友達も。ボクは毎回遠慮して会わないけど。
佳宏「タカにお知らせがあるんだ。」
高嗣「何ですか?」
佳宏「実はボクに新しい弟子が一人出来たんだ。今度紹介したいから楽しみにしててね!」
高嗣「え。ボクにですか?え、遠慮します。」
佳宏「ソウジだって最初は怖がってたけど、今はこうしてお互いが遠慮なく一緒にいるじゃん。だから大丈夫だよ。楽しみにしててね、ふふふ。」
高嗣「ソウジさんは別です!ボクその間はホテルに泊まります!」
佳宏「そんなお金タカに有るの?」
高嗣「…ありません。ボクその間は友達の家に泊まりますから!」
佳宏「友達って?タカに友達いるの?」
高嗣「い、いますよ。います。」
佳宏「…へー。どんな人?」
高嗣「えーと…。」
顔が出てきたのは森野さんと城田さんと櫻井さんと松山さんと清水先輩だった。森野さんと松山さんは女性だから遠慮しよう。
高嗣「釣り好きで和食が好きな人です。」
佳宏「ワーオ!いつ知り合ったの?」
高嗣「…が、学校。」
佳宏「タカが釣りかー。ふふふ。今度ボクも参加させてよ!」
高嗣「だ、ダメです!」
佳宏「Why?」
高嗣「…えっと。」
あ!考えたら城田さんはヒロのファンだった!会わせたら絶対マズイ!城田さんを出さなきゃ良かった。どうしたらいいんだろう。
森野さん?森野さんを見たら絶対“タカの彼女?”って言われるだろうし。難しい。え?森野さん?何故森野さんが出てきたんだ。先にダメだと自分に言い聞かせたのに!
あ、あとは清水先輩。だけど、4年生だから忙しいだろうな。どうしよう。
高嗣「と、とにかく友達いるんですよ。だから、友達の家に…。ひ、ヒロ?」
佳宏「タカ、ボクに何か隠してる?」
高嗣「え!」
その時、ボクの頭の中には森野さんが浮かんできた。ま、また森野さん!な、何で森野さんばっかり!
佳宏「タカ!顔赤いよ?どうしたの?」
高嗣「え?多分熱あるんですよ。」
佳宏「さっきまで普通だったのに?」
高嗣「ぼ、ボク具合悪いんでそろそろ寝ますね!」
佳宏「タカ〜!ボクの弟子を楽しみにしててね〜!」
ソウジ『高嗣さんと佳宏さんはまだ気づいていない…。弟子を見た時の反応が楽しみですね!それにしても、高嗣さんは好きな人でもいるのでしょうか?気になりますね。』
 




