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第35話 いじめられた過去

 ボクはトイレの個室へ入り、鍵をかけた。と、その時、上から急にバケツに入った冷たい水が全身に降りかかった。水がかかると次は上からトイレットペーパーが3つ2回にわたり、頭に落ちる。


高嗣「痛い!」

一同「アハハハハ!」


いじめっ子たちは笑いながらトイレを後にした。

 ボクは全身ずぶ濡れ状態のまましばらくその場で泣いていた。昔を思い出した。まだ、アメリカに来る前のことを。小学校低学年の頃だ。坊主頭で眼鏡をかけていたボクのあだ名は【ハゲザル】。常に何時も仲間外れにされ、一人ぼっち。隣の人から忘れた物を貸してもらえない、お弁当はゴミ箱に捨てられる、体育の時間は運動が苦手だからとバカにする発言をされる、靴箱の上履きには画鋲が詰まっている、クラスメイトから直接殴られる、朝学校へ来ると黒板と机には死ね、消えろ、チビ、ハゲ、猿、運動音痴と書かれる。これらを繰り返され、ボクは不登校になった。思い出したら思わず吐き気がして床に嘔吐物を吐いてしまった。


高嗣「ヒロ、ヒロ。ヒロに会いたい。ヒロに会いたい。」


ボクは大粒の涙を流した。泣いていると思わず昔ヒロと出会った当初にいじめられていた時のことを伝えたことを思い出す。


ジェイミー「何かあったらすぐボクに言ってね!ボクはタカの味方だよ。どんな時でもすぐに駆けつける!」

高嗣「でも、ヒロは忙しい。忙しいんだ。助けてもらえない。言えないよ。」


しくしくしく


 ボクはずぶ濡れ状態になりながら家へ帰った。


プルプルプル


着替えていると急に着信音がなる。相手は森野さんだった。


倫子「佐藤さん!授業始まっちゃいますよ。今どこですかー?」

高嗣「今…えーと…ちょっとトイレで手を洗う際に服を汚しちゃって家に帰って着替えてる最中です。」

倫子「え?トイレで服汚すことってあるんですか?」

高嗣「た、たまたまトイレが水浸しだったんですよ。それでずっこけちゃって…。」

倫子「…そうだったんですか。気をつけて来て下さいね!待ってますから。私ノートとって置きますから後でノート貸しますよ。」

高嗣「ありがとうございます!」


電話が終わりボクは支度を済ませ、再び学校へ向かう。また変な目に会わなきゃいいな!


 学校の校門も入り、玄関に辿り着いたその時、ボクの身体に卵が何個か投げられた。


九条「フッ!」

悟「あんた、ジェイミーと仲良いらしいよね!何で?!お前みたいな地味で暗いヤツが!俺はお前みたいな暗そうな大人しい奴が嫌いなんだよ!とっとと帰れ!2度と来るな!」


玄関先にいた二人はボクの体型の2倍はあるふくよかな男性と顔がカッコイイ前に城田さんと一緒にいて口が軽いから気をつけろと注意されていた一人だった。


九条「ざまあみろ!お前がジェイミー、いや浦嶋佳宏と仲良いのがムカつくんだよ!とっとと死んじまえ!消えろ!」

高嗣「浦嶋佳宏?ヒロのこと?何で彼のキミが彼のことを知っているんですか?」



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