第32話 倫子からのお誘い
ボクが講義室へ入ると森野さんが話しかけてきた。
倫子「おはようございます!佐藤さん!」
高嗣「お、おはようございます!森野さん。」
倫子「私昨日眠れなかったんですよー!まさかの本物のジェイミーが学校に来て、しかも直筆サイン頂いちゃいました!夢のような時間でした!その後ワクワクしちゃった為か眠れなくて一睡も出来ませんでした!アハッ!」
高嗣「良かったですね!ほ、本物に会えて!」
倫子「そうなんです!あ~眠い…。そういえば、ジェイミーは友達を探しに学校に来たと言っていました!そのお友達は結局現れなかったんですけど、一体誰なのかな?」
ギクリ!
森野さん!そのお友達あなたの目の前にいますよ!
倫子「何か次春になったらまた来るねって言っていました!春が待ち遠しいな〜!早く雪溶けないかな〜!今からもう楽しみです!」
そんなこと言ってたんだ…。ただのリップサービスかな?だったらいいけど…。でも、昨日あんなに怒ってたから本気かもしれない!次来たら覚悟しなきゃ!
倫子「そういえば、昨日ジェイミーがいる間ずっと佐藤さんいませんでしたよね?どこに行っていたんですか?」
ギクリ
高嗣「あ、えーと…バイト行っていました!急遽バイト入ってくれとお願いされたので…。」
倫子「そうだったんですね!昨日あの後佐藤さん授業サボっていたので心配していました。良かったら私のノート貸しますよ。」
高嗣「ありがとうございます!助かります!」
倫子「ん…佐藤さん何だかクマがひどいですよ!どうしたんですか?」
高嗣「シェアルームしてる友達と朝までケンカしてて一睡も出来ませんでした…。」
倫子「まあ!それは大変でしたね…。」
高嗣「まあ仲直り出来たからいいんですけどね。」
森野さんと話していると松山さんも話しかけてきた。
紫帆「佐藤くん!あなた昨日急にいなくなったから心配していたのよ。どうしたの?」
高嗣「たまたまバイト入ってくれとお願いされたので帰ったんですよ…。」
紫帆「あれ?うちのバイト先大学生にそんなお願いするっけ?」
高嗣「…たまたまそうなったんですよ。他に入れる人いないからお願いって。」
紫帆「そう…。そういうこともあるのね。」
ボクのかっこ悪いところがバレずにすみました。良かった。
3月に入ると雪は段々と溶けていき、春になった。森野さんの表情も段々と元気になっていった。冬の間、学校と寮、近くの店にしか行かなかった森野さんは春になると雪の話がなくなり、行動範囲が広くなった。ボクと松山さんは森野さんからハンバーガーショップに行こうと誘われた。その店はアメリカではヘルシーだということで人気なチキンを使ったハンバーガーショップだった。




