第十九話 女の戦いは怖い
メイ「いいじゃない?今日の夜くらい。」
ジェイミー「何回言ったらわかるの?俺にはケイトがいる。ケイト以外の彼女は必要ない。」
メイ「またそんなこと言ってー。あの子は普段ロンドンにいる遠距離じゃない。遠距離恋愛しててそんなに楽しい?近くにいる方が楽しいでしょ。それにあの子は下半身不随で車椅子だし。」
ジェイミー「下半身不随で車椅子だからって何がダメなんだよ!俺は身体が動かなくったって遠距離だからってそんなこと俺には関係ない。」
メイ「…ジェイミー。私、今でもあなたが好き。あなた以外に好きな人は今までいないの。そしてこれからも。私、あなたのこと絶対諦めないから!」
白人女性は話が終わるとボクたちの方へ向かって来た。
香澄ちゃん「イザベラ・メイ・ロペス!」
メイ「あら?よく見たらケイトさんじゃなーい?元気そうね。今日はね、ジェイミーの試合だったから気合い入れてメイクしてオシャレしてきたのよ。どう?似合うでしょ?」
香澄ちゃん「…あなたいい加減にしたらどうなの!ジェイミーが困ってるじゃない!それに私という存在がいるのにあなたが現れるのは何だかおかしいわ。一方的にベタベタしてるし。腹が立つ!」
メイ「あら?ごめんなさい。私邪魔だったかしら?…私負けない!ジェイミーに私の方に何としてでも振り向かせて見せるわ!あなた達の遠距離恋愛なんて壊れちゃえばいいのに!また来るわ!覚悟して起きなさい!」
メイさんは暴言を吐くとガツガツと歩いて会場を後にした。
香澄ちゃん「もう!本当何なのよ。あの人。」
たかし「あ、あの。あの方は何者ですか?…まさかジェイミーが二股してるんじゃないですよね?」
香澄ちゃん「違うわよ。彼はそんなことするような人間じゃない!彼は一度好きになると相手の女性に対して一途なの。私だけをいつも思ってくれているのよ。悪いのはあの人ね!いつまでも彼女がいるにも関わらず追いかけまわして。ストーカーよ。彼女はジェイミーの幼稚園と小学校時代の元カノなの。私とは中学時代から付き合ってるのよ。」
たかし「そうだったんだ。」
彼女がジェイミーから前に一度聞いたことがある元カノ…。ジェイミーと出会った当初に彼女がいると聞いてて、ジェイミーがフロリダに渡った頃に別れたって聞いてたあの子か。しかし、しつこくて大変な子だな。あれだとジェイミーが何だか可哀想だ。香澄ちゃんも嫌だろうし。何とかならないのかな?…ていうか、香澄ちゃんとメイさん。めちゃくちゃメラメラした雰囲気だったよね。女の子って怖いな…。
たかし「そういえば、香澄ちゃんはどうして香澄ちゃんっていうネームを使っているんでしたっけ?」




