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第十八話 ジェイミーの彼女

 季節は秋になった。

ボクは急遽バイトで休みを頂き、ジェイミーの全米オープン決勝試合を見に行くことに決めた。試合相手は日本代表の矢野ナオヤさん。矢野さんは大阪出身で小さい頃から渡米し、ジェイミーと同じコーチのジョン・Jrミラーから指導を受けてる選手の一人だ。矢野さんは世界ランキング三位でジェイミーとはよく準決勝や決勝で当たる強豪選手だ。

 ボクはジェイミーはもちろんのこと日本代表の矢野さんも両方応援した。試合結果はジェイミーが圧勝で優勝した。

今日は何作ろう?ボクは優勝メニューのことで頭が一杯になった。でも、ジェイミーは忙しいスケジュールにまたなるだろうし、いつお祝いすればいいのかわからないな。本人に聞くしかないか。

 ボクは試合会場を後にしようとしたところで車椅子に乗った一人の白人女性から声をかけられた。


香澄ちゃん「すみません。そこに落ちている小さいバッグとって頂けませんか?」

たかし「え?あー!これですか?」


ボクはサッと白人女性が探していたバッグをとってあげた。


たかし「はい。どうぞ。」

香澄ちゃん「ありがとうございます!…ってたかし?」

たかし「え?…失礼で、すが、どちらさまですか?」

香澄ちゃん「私!ジェイミーの彼女の香澄よ。」


香澄さん…。あ!思いだした!ジェイミーが付き合ってるイギリス人の彼女だ。お祖母さんが日本人で彼女は大の日本大好きで、本名はケイトさんだけど、お祖母さんが付けてくれた香澄というミドルネームがお気に入りでこだわってる人。ワザワザアメリカまで来てたんだ。


たかし「思い出したよ!ひ、久しぶりだね!か、香澄ちゃん。」

香澄ちゃん「たかしこそ。今これからジェイミーに会いに行こうと思ったんだけど、化粧ポーチ落としちゃって。私、腰から下動かないじゃん?だから助けてもらえる人を探してて。たまたまあなたに声をかけたら、たかしだったのね!偶然ね!」

たかし「ひ、一人で来たんですか?」

香澄ちゃん「もちろん!自立しなくちゃね!ヘルパーに任せっぱなしはよくないしね!」

たかし「一緒にい、行きませんか?じ、ジェイミーの元に。」

香澄ちゃん「いいわよ。ってあなた最近変わった?何か前とは別人ね。」

たかし「そ、そうでしょうか?気のせいでは?」

香澄ちゃん「気のせいではないわよ。随分大きく変わったんじゃない?前はもっと会話できなくて暗い感じだったし。」

たかし「そ、そうですかね?ありがとうございます!」


ボクたちはジェイミーのいる控室へ向かった。


ザワザワ


 何だか騒がしい。あ!ジェイミーだ!…ん?別な女の子と一緒にいる。あの子は誰?!何だか喧嘩してる感じだけど…。

 ボクは香澄ちゃんの方を見る。香澄ちゃんの表情が怒りに満ちていた。


香澄ちゃん「またあの女…!」

たかし「え?知り合いですか?」

香澄ちゃん「ジェイミーの幼少期の元カノでストーカーなの。ジェイミーは私を一番に私のことを思ってくれているのに、あの女は私という存在がいるのに頻繁にジェイミーのストーカーしてるの。困ったものだわ。許せない!」

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