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第十七話 出会った頃のボクとジェイミー-5-

 ボクと彼はまたお互い視線が合った。


ジェイミー父「…やっぱりお互い気になってるんじゃないの?」

たかし「あ、あの。さっきはごめんなさい。怒らせちゃって。だからボク」

ジェイミー「もういいよ。もう怒ってないし。こっちこそさっきはごめんなさい。」


彼はボクに頭を下げた。


たかし「い、いいんだよ。いいんだよ。」

ジェイミー「俺、キミと仲良くなりたい。」

たかし「え?!」

ジェイミー「キミを見て、悪い人じゃないかもしれないと思えたんだ。ダメかな?」

たかし「…嫌じゃないですけど。」

ジェイミー「じゃあよろしくね!俺はジェームズ・ヨシヒロ・バーナード。ジェイミーって呼んでもらえたら嬉しいな。キミの名前は?」

たかし「ぼ、ぼ、ボク佐藤たかしです!」

ジェイミー「たかしね!よろしくね!たかし。」

たかし「…じぇじぇじぇじぇじぇ」

ジェイミー「ヒロでいいよ。俺には二つ名前があるんだ。一つはさっき話したジェームズ・ヨシヒロ・バーナード。もう一つは浦嶋佳宏。たかしはヒロって呼んでくれたら嬉しいな。」

たかし「ヒロさん!」

ジェイミー「"さん"はいらない!ヒロ!いい?ヒロだよ。」

たかし「…嫌です!ヒロさん!」

ジェイミー「何でそうなるのー?!」


ガヤガヤ


父「すぐ仲良くなったな。あの二人。」

ジェイミー父「…きっと運命的な出会いだったんだよ!あの2人。ボクたちと同じように。」


ボクたちはしばらく言い合い合戦が続いた。


ジェイミー父「ジェイミー。お前日本人嫌いだったのに急にどうしちゃったんだよー。そんなに仲良くなっちゃって。」

ジェイミー「タカは特別!ボクにとってタカは特別なの!」

父「よし!決めた!ミッチー。」

ジェイミー父「ん?」

父「約束通り、たかしをキミに預けたい!お願いします!」

ジェイミー父「ボクそんな約束したっけ?まあ、いいよ。たかしくんが納得行くまで面倒をみてあげるよ。」

父「ありがとう!さすがミッチー。たかしがお世話になります!」


 それから数日後、両親はボクを置いて日本へ帰っていった。

ボクはジェイミーと同じ学校に転校生として編入した。ジェイミーと同じクラスではなかったけど、意外とこの学校は生徒一人一人の個性を重視していて日本の学校より楽しめた。ボクが休み時間に本を読んでいると何人か話しかけてきて本について色々話し合ったりして楽しかった。

 あれから数年後。ジェイミーにアメリカのテニス連盟からスカウトの要請が来た為、元々両立していた習い事のテニスクラブとフィギュアスケートを両立することが出来なくなり、フィギュアスケートを辞めた。テニス一本に絞ることを決め、ジェイミーは連盟からの指示のもと、単身でフロリダへ渡った。

 残されたボクはジェイミーの家族と高校卒業まで生活した。大学受験の志望校を考えていたある日、急遽ジェイミーから提案があった。前から何日か仕事の関係でニューヨークで生活している。居る日数は少ないけど、タカも一緒に生活しないか?と。ボクはジェイミーと再び生活する為にニューヨークの大学を調べ、ニューヨークシティヒルトン大学を受験し、合格しジェイミーの住むマンションへ引っ越した。

 今考えてみるとジェイミーとの出会いはボクにとって運命的だったのだと感じた。

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