第十六話 バイト仲間
ボクがバイトに行き始めてから何日か経った。
ボクの勤務時間は十八時から二十二時。ボクが更衣室で制服に着替えて更衣室から出ると隣の女子更衣室から一人の女性が出てきた。
松山さん「お疲れ様。あら?新人さん?」
たかし「あ、お疲れ様です。は、初めまして。佐藤たかしです。よろしくお願いします。」
松山さん「こちらこそ初めまして。私は松山シホよ。よろしくね。お互い頑張りましょう。アナタはどこの部門に配属しているの?」
たかし「ぼ、ボクはグロッサリーです。あ、あ、あなたはどこに配属しているんですか?」
松山さん「私はレジよ。あなた、もう少し落ち着いたら?緊張しすぎよ。もう少しリラックスしなさい。リラックス出来ない時は手の平に人と書いて食べなさい。」
たかし「…わかりました。」
松山さん「じゃあ私、戻るわね。がんばってね、新人さん。」
話し終えると松山さんは、仕事現場へ戻って行った。
松山さんは間違いなくボクより年上の女性。二十代半ばくらいかな。化粧がちょっと濃い目だったな。
あれから何日か経ち、ボクはまた松山さんと再開した。
たかし「お疲れ様です。」
松山さん「お疲れ様です。あら!久しぶりね!名前何だっけ?」
たかし「佐藤です。」
松山さん「ああ。佐藤さんね。ごめんなさい。すっかり忘れちゃってて。」
たかし「大丈夫ですよ。」
松山さん「私、今日はあとこれで上がるからまたね。」
たかし「お疲れ様でした。」
松山さんは女子更衣室へ入って行った。
それから数日後。ボクは学校へ行くと講義室へ入り後ろの方の席へ腰かける。
松山さん「お隣よろしいでしょうか。」
たかし「は、はい。…って松山さん!」
松山さん「…佐藤くん!…同じ学校だったの?気が付かなかったわ。」
たかし「ボクもです…。」
松山さん「あなたとは何だか奇遇ね!良かったらお友達になりましょう?」
たかし「いいんですか?ボクなんかで。」
松山さん「もちろん大歓迎よ。それにあなた悪い人じゃなさそうだし。」
たかし「…ありがとうございます!よろしくお願いします!」
ボクと松山さんは友達になった。
女性とも仲良くなれることに対して意外なことだと感じた。
ボクが女性と友達…意外だな。
講義中ちょっとドキドキしていた。
ボクは講義を終えると松山さんに声をかける。
たかし「…あ、あの。松山さん。」
松山さん「何?」
たかし「…れ、連絡先を交換しませんか?」
松山さん「…うーん。電話番号ならいいわよ。実はね、私既婚者で子持ちなの。だからあまり連絡は出来ないと思うけど、いいかな?」
たかし「大丈夫ですよ。」
松山さん「ありがとう!改めてよろしくね!」
ボクたちは連絡先を交換した。




