第百七話 それでもボクはキミの存在を追い続けたいんだ。
たかし「え!ダメです!来ないでください。」
ジェイミー「何故だ?何故ダメなんだ。」
たかし「だ、か、ら。前からボク言ってますけど。キミ、目立つんですよ。」
ジェイミー「…俺がカッコいいからか?」
たかし「まあ、そうですけど。実際ボク地味な平凡な普通の男なので、キミと一緒だとボクの存在が変に目立ってしまい、まるで真逆のコンビみたいになるじゃないですか。」
ジェイミー「変?たかしが?どこが変なんだ?ボクの大親友のたかしが変なヤツだとボクには全く思えないのだが。」
たかし「それにボク、目立つの大嫌いです。鏡に自分の姿が写るだけで嫌です。写真を撮る事も。」
ジェイミー「たかしー。鏡は自分を魅力的に写す物だし、写真も思い出に残る特別な物なんだよ。ボクは鏡も写真も大好き!四六時中、鏡と向き合い、そして自撮りを永遠にしていたいくらい大好きな物だ。」
たかし「全く理解できません。ボク達よくこんなにも全くの正反対で関係が続いてますよね。」
ジェイミー「それはボク達はお互いを信頼しているからだよ。昔から。ボクはたかしが大好きだよ。」
たかし「ボクもです。」
ジェイミー「であれば。ボクはキミの存在を追いかけ、偶然を装い、キミが普段訪れる場所へ行き、その場所でキミを見つけて声をかけてもいいかな?」
たかし「それだけはノーです!ボクを追いかけないでもらえませんか?」
ジェイミー「キミから否定されてもボクは諦めない!キミのいや、全世界のキミ達の一般的な普段の生活をボクは勉強して味わいたいからね。」
たかし「そこまで言われたのであれば、好きにしてください。ただし、ボクには話しかけて来ないでくださいね。あくまでも赤の他人のフリを。」
ジェイミー「では、聞くが。何故先程ボクにキミは謝ったんだ?筋が通らないじゃないか。」
たかし「それは。その。キミがボクにとって大事な一人の存在だからです。ジェイミーを失いたくありません。」
ジェイミー「ありがとう、親友。ボクはキミを無くしては生きていけない。それくらいキミはボクにとって大事な一人の存在だよ。」
たかし「だから早く元気になって下さいね。ボク待ってますよ。今日はもう失礼します。」
ジェイミー「ありがとう。たかし!まだボクはキミと過ごしたい。」
たかし「恋人同士じゃないんだし、そんな発言しないでください。恥ずかしいじゃないですか。帰ります!」
スタスタスタスタ
ジェイミー「たかし!」
ガラガラ バタン!
ジェイミーの病室を後にしたボクは、本屋で小説を立ち読みして、それからスーパーで足りない食材を買ってから帰宅した。




