第十一話 友情を実感
ボクは城田さんに言われるままに写真を撮ってあげる。
城田さん「センキュー!」
ジェイミー「あのね、ボク日本語わかるよ。」
城田さん「え?」
ジェイミー「彼と友達だから!」
そう言うとジェイミーはボクの左肩に右手を置く。
たかし「ヒロ…。」
ジェイミーはボクを見ながら満面の笑みを見せる。
ボクは嬉しさのあまり感動した。
ジェイミー「これからもよろしくね!タカ。」
たかし「うん…!ありがとう!ヒロ!」
ジェイミーはボクをハグする。
城田さん「お前ら、仲良いんだな。俺にも仲の良さが伝わった。」
たかし「城田さんもボクの大事なお友達ですよ。」
城田さん「ありがとさん!でも、まさかここで大好きなジェイミーに会えるとはホンマ思いませんでした。夢なんかやないかと思う程今感激してます!そして、佐藤がジェイミーと友達やということとジェイミーが日本語話せることに対して驚いています!いい物見せてもらいましたわ!ホンマありがとさん!」
たかし「…ボクは正直城田さんがジェイミーのファンだということに対して驚いています!いつからどんなきっかけでファンになったんですか?」
城田さん「…実は中学の頃俺な、ホンマ荒れた生活してて。今思い返すとホンマに恥ずかしいんやけど。ある日たまたまテレビ見ててテニスの試合しててん。ボーッと見てたら試合が切り替わってジェイミーが出てきて。ジェイミーの姿が可愛くてかっこ良くて。俺は今までどうでも良かった試合に急に注目して。試合見てたらジェイミーは他とは違うと思えてそれからドハマリして。ジェイミー見たらいつの間にか俺の心は変えられたんや。だから、俺ジェイミーに感謝してんねん。ホンマありがとさん、ジェイミーさん。」
ジェイミー「良かったね!自分を変えられて。」
城田さん「ジェイミーさんがいなかったら今頃の俺はどうなってたんやと想像するだけで正直怖い。」
ジェイミー「それで今のキミがあるんだね。」
ジェイミーは人を変えられる力がある人なのだとボクは再確認した。世界中で注目されて人気者なんだということが実感出来た日だった。
たかし「城田さん…。」
城田さん「なんや?」
たかし「言いにくいことなのですが、ボク正直城田さんと学校で仲良い二人が苦手です…。」
城田さん「…あぁ、アイツラか。俺も正直アイツラといるよりお前との方が楽しいかもしれない。」
たかし「そうなんですか…。どうしてですか?」
城田さん「正直お前素直やん。アイツら素直やないしくだらない噂話が多くて正直楽しくない。一人はまだ何とか話すれば何とかなるかも知れんけど、もう一人は厄介者やから聞いつけや。」
たかし「どっちが厄介者なんですか?」
城田さん「日本人の顔した方。外国人ぽい方は正直悪い奴やないから、ただもう一人の方に合わせてるだけや。」
たかし「そうだったんだ。」
城田さん「俺は表面上だけ仲良くしてるけど、お前はすぐ顔に出るタイプやから正直関わらない方がええで。」
たかし「ボクってすぐ顔に出ていますか?」
城田さん「すでに俺と出会って会話した瞬間から顔に出てるわ。わかり易すぎる。だから聞いつけや〜。」
たかし「ありがとうございます!」
城田さん「とりあえず俺はほな帰るわ。正直夜型で日中は眠いねん。」
城田さんはそう伝えると帰っていった。




