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第100話 松山さん、ジェイミーにブチ切れる

たかし「…あ、あの。」

松山さん「なあに?」

たかし「…じ、ジェイミー無事元気になってよかったですね。」

松山さん「そうね!一安心したわ。最初倒れた時何事かと驚いたけど。」

たかし「…お二人にはご心配おかけしました。ごめんなさい。」

松山さん「大丈夫よ。」

清水先輩「あぁ、大丈夫。」

たかし「ほ、本当に本当にごめんなさい。せっかく家まで来て頂いたのに。こんな事になってしまって。ぼ、ボクがあんな事言わなければジェイミーは倒れなかったのに。」

清水先輩「…そんな事ないって。大丈夫、安心してくれ。俺は佐藤は悪くないと思う。」

松山さん「そうよ。佐藤くんは何も悪くないんだから、頭を上げて?」


ボクはゆっくり言われた通りに頭を上げる。ビクビクしながら。


松山さん「…悪いのはジェイミーよ。最初からそういう症状があるなら言ってくれればこっちも急にびっくりしなかったのに。」

清水先輩「…まあまあ、姉さん。そこまで言わなくても。仕方ないだろ。」

松山さん「でも、ジェイミーは何の前ぶれもなく急に具合悪くなったのよ?おかしいでしょう?」

清水先輩「でも、俺ジェイミーさんと初対面だし。」

松山さん「普通は仲良くする気持ちがあるなら事前に言うわよ。でも、あの人はそれがなかった。つまり、私たちを警戒していたのよ。」

清水先輩「…まさかあ?」

松山さん「ほぼ絶対そうよ!彼は有名人なんだから。私たちを誘ったのはただ自慢をしたかっただけ。自分がどれだけ凄い人か見せびらかしたかっただけ。それだけよ。腹立つ!…じゃあ私帰るわ!またね、佐藤くん。お邪魔しました。」


スタスタスタスタ

ガチャ

バタン!


松山さんは怒って帰ってしまった。ボクは自分の気持ちを何も言い返せなかった。ジェイミーはボクにとって大事な人なのに。大事なファミリーなのに。ボクはそんな自分が情けなくなった。

その後、申し訳なく清水先輩を帰した。清水先輩はそんなに落ち込むなと優しく励ましてくれたけど、それでもボクは立ち直れなかった。

落ち込んでただその場に立ち尽くしていると城田さんが帰ってきた。


ピンポーン


ボクは玄関の鍵を開けた。


たかし「は、はい。城田さん。ど、どうぞ。」

城田さん「…どうぞっていうより今日から一緒に住むんだよな?確認やけど。」

たかし「…は、はい!そうです。ジェイミーから許可が出たので一緒に共同生活するんだと思います!」

城田さん「…ホンマにめちゃくちゃ緊張するな。プレゼントまで買ってきてしもうた。」

たかし「え?プレゼント?と、とりあえず中に入ってきてください。大事なお話があります。」


ボクは城田さんに中に入って来てもらうようにお願いした。

少ししてから城田さんが中に入ってきた。


ガチャ

バタン


城田さん「…お、お邪魔します。じゃなかった。ただいま。」

たかし「…お、おかえりなさい。城田さん。おお、遅かったですね。」

城田さん「…薬学生は大変なんだよ。はい、これ。今日からお世話になります。よろしくお願いします。」


城田さんはボクにバラの花束とお菓子の袋を手渡す。


たかし「あ、ありがとうございます。でも、どうしてバラの花束?」

城田さん「…お、俺がジェイミーさんが大好きだからや。それだけや。」

たかし「…本当にジェイミーが大好きなんですね。」

城田さん「当たり前やん!俺の恩人やし、それに顔がめちゃくちゃ人形みたいに綺麗でスタイル、仕草、話し方、成功者である事…言ったらキリないねん!全部好きや。」

たかし「…あ、ありがとうございます。感謝します。」

城田さん「佐藤。何でお前がお礼言うねん。お前はジェイミーさんやないやろ。」

たかし「…ごめんなさい。」

城田さん「…何でそんなに落ち込むねん。お前、ジェイミーに憧れてるんか?」

たかし「あ、当たり前じゃないですか!容姿は完璧だし、成功者だし、彼女はいるし…他にも色々。」

城田「…彼女の話やけど。さっき地下鉄乗ってる時にネットニュース見たんやけど、あの彼女自殺したらしい。」

たかし「…え?」

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