第98話 ジェイミーは凄すぎるおぼっちゃまだけど
その頃の病院では…。
ジェイミー「…ん、んん!」
ソウジ「…ジェイミーさま!」
タイヨウ「ジェイミーさん!」
ジェイミー「…ソウジ…と…タイヨウ。ってここはどこだ?」
ソウジ「ジェイミーさま!呼吸を取り戻し、無事目を覚められました。ワタクシは嬉しいです。」
タイヨウ「ジェイミーさん。心配だったんスよ。急に倒れて過呼吸起こして死んじゃうんじゃないかと思ってしまい、ハラハラしました。」
ジェイミー「タイヨウ!俺はすぐには死なない人間だ。だからこの通り大丈夫だ。」
ジェイミーは身体を起こそうとする。
ジェイミー「ん!んん!!オーマイガー!」
ソウジ「どういたしましたか?」
ジェイミー「か、身体が動かない。」
タイヨウ「まさかー?そんな訳ないでしょう?」
ジェイミー「う、嘘じゃない!本当だよ。」
ジェイミーは2人の前で何回も身体を起こそうとしたが、身体は全然言う事をきいてくれない。
ジェイミー「もしかして。俺はあの後病院へ運ばれて来たのか?」
ソウジ「イエス。そうでございます。ジェイミーさま。」
ジェイミー「…そうか。持病が悪化したのか。」
ソウジ「…その様ですね。」
タイヨウ「…あ、あの。俺だけ着いていけないんスけど。じ、持病ですか?」
ソウジ「…はい、実は。」
ジェイミー「ソウジ。お前からはこの話はするな。俺から話す。」
ソウジ「…かしこまりました。」
ソウジさんはジェイミーに一礼し、一歩下がった。
ジェイミー「…タイヨウ。今まで黙っていたが、キミは今まで俺と1日中過ごしていて何も感じなかったか?」
タイヨウ「…感じなかったと言えば、嘘になります。前にも伝えましたが、俺は不思議でした。俺は自分の事をあれこれジェイミーさんに話すのにジェイミーさんは自分の事について語る事がほとんどなかった。一度確認しようとしたらその時は阻止されてしまった。まあ、師匠と弟子の上下関係がある感じだから仕方ないのかなとは考えていました。」
ジェイミー「…そうか、ごめん。申し訳ない。本当の事言わないでいて黙ってて。実は、俺は幼い頃からうつ病なんだ。」
タイヨウ「…う、うつ病?」
ジェイミー「そう。家庭環境が原因でね。俺は常に家の跡継ぎになれ!としつこく言われ続けてきたんだ。」
タイヨウ「…ジェイミーさんっておぼっちゃまなんスか?」
ジェイミー「…まあ、世間的にはいい生まれである事は認めるよ。俺の父の実家は代々続く名の知られた家で、家業はいくつかの会社を経営していて、日本国内にあるその業界ではナンバーワンに近い存在のグループ企業。また世界を代表する日本の企業。そんな家の跡継ぎの候補に俺はされてきたのさ。」
タイヨウ「…凄、凄すぎるおぼっちゃま。」
ジェイミー「そうか?まあ俺は元々精神的に弱すぎるのか、その家の力に負ける事が多く、うつ病やパニック障害を患ってしまった。その家のトップに俺はどうしても逆らえず毎回体調が悪くなってしまう。今は何とか1番上の姉を跡継ぎの1人として会社の上の人間の中に入れていて何とか収まっているが、またいつ俺を跡継ぎにしたいと言い出すかわからず、正直怖い。俺は跡継ぎよりも自分がしたい事をやっていきたいと考えている。何故なら人生1回しかなく自分でやりたい事をやるのが一番だと思うし、それに…。」
ジェイミーは急にとても悲しい顔をした。
ジェイミー「…母に自分が活躍している姿を見てもらいたいからだ。」




