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第97話 明暗のオーラを持つ2人

パタパタパタパタ


たかし『あ!清水先輩だ!でも緊張しすぎて離れていると声がかけられない…。』


ボクはそう考えると急に足を止めた。


ドクドクドクドク


清水「…あ!佐藤。」


スタスタスタスタ


清水先輩がボクの姿に気づくと早足でこちらへ向かって来た。


清水「…佐藤。やっと会えたな。」


清水先輩はボクに優しい顔をする。


たかし「…は、はい!清水先輩!」

清水「お前の道案内で何とか辿り着けたよ。ありがとう。」

たかし「いえ。」

清水「色々グルグル回ってて薄々気づいているが、このマンションただのマンションでは無さそうだな。億ションか?」

たかし「そんなの、そんなの当たり前じゃないですか。じぇ、ジェイミーが住んでる場所ですよ。ジェイミーは年収何千億円ですから。」

清水「え!ジェイミーってそんなに稼いでるの?」

たかし「そうですよ。だってモデルとスポーツ選手と事業とプロデューサーやってますよ。」

清水「凄いな。副業沢山してるんだな。多分、仕事で疲れたのかもしれないな。俺はそう思うよ。」

たかし「ジェイミーからしたら副業はありません。彼にとっては全て本業です。」

清水「だからさ、仕事しすぎなんだって。普通は4つも仕事できねえよ。倒れるのも無理ねえよ。」

たかし「…そ、そうですね。で、でも。こなせちゃうのがジェイミーなんです。」

清水「とりあえず佐藤。ジェイミーさんに、気持ちは有り難いけどこんな無理しなくてもいいんですよ、休んでください。って言っておいてほしい。」

たかし「…ぼ、ボクもそうしてほしいのですが。彼が勝手にボクに会いに来るんです。散々来るなとは言っているのですが、話聞いてくれなくて。ボク凄く困っているんです。ジェイミーがボクと家以外の場所で関わる事が。ボクは地味で穏やかな日常を送りたい。それなのにジェイミーは…。」

清水「…お前、ジェイミー嫌いなの?」

たかし「…き、嫌いではないです。本音は好きですよ。友達として。」

清水「…ジェイミーさんはどうしてここまで外の世界でもお前に関わろうとするんだろうな。…やっぱりお前の事、親友として大好きで会う時間作りたいだけじゃね?」

たかし「…だけど。彼の存在そのモノが光り輝いていて1人だけ目立っているんです。服装が地味に変わっても彼は目立つと思うんです。ボクとは違うオーラを持っているというか。ボクにはオーラがなく地味ですけど、彼は違います。だから、彼と関わるとボクも余計に目立ってしまい、凄く恥ずかしいんです。ボクはその辺に落ちてるゴミのような存在でいたい。」

清水「おいおい。ゴミだなんて。そんな悲しい事言うなよ。」

たかし「…いえ。ボクはゴミです。」

清水「心優しいお前がゴミなワケないだろ。お前はゴミじゃない。」

たかし「いえ。ボクはゴミです。それより先輩。中へ入りましょう?松山さんが待っています。」

清水「…わ、わかったよ。お邪魔します。とりあえずお前はゴミではないからな。それだけは自覚してくれ。」

たかし「…いえ。ゴミです。」

清水「…ジェイミーもお前をゴミだとは思ってないと思うよ。ゴミだったらここまでお前と関わらないと思うよ。」

たかし「…そうですかね?ジェイミーはボクが珍しいゴミのような存在だからボクの事気に入っているのではないでしょうか。」


ボクは自分は価値のない人間だとしか思えなくて、自信が全く持てない。ジェイミーとは正反対のゴミのような人間だ。ボクなんかどうせゴミみたいな地味な価値のない人間に決まっている。


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