第96話 松山さんとジェイミーが接点あり。
松山さん「…玄関も想像通りね。」
たかし「…ま、松山さん。緊張しないんですか?」
松山さん「…他人の家だからもちろん緊張してるわよ。ただ、ジェイミーって高級品なイメージキャラじゃない?それに幼い頃から芸能、スポーツなどの世界で成功している1人だし、最近だと事業でも成功しているじゃない。だから、ジェイミーは私たち一般人とはかけ離れた生活をしている雲の上の人なのよ。それに。」
たかし「それに?」
松山さん「…実は私の旦那。ジェイミーの親御さんのおじいさん、おばあさんが経営する会社に勤めてる従業員の1人なのよ。」
たかし「え?!」
松山さん「だからジェイミーが記者会見で発表した浦嶋商会の創業者であり、社長、会長のお孫さんである事は私、発表しなくても知っていたのよ。社内では上の方々の間ではジェイミーがお孫さんで次期後継者候補である話はジェイミーが幼い頃から皆知っていたし、下の人達もただの噂レベルを超えて事実なんだって皆知っていたの。皆当たり前だと思って今まで言って来なかっただけの話。だから私は佐藤くんからジェイミーが佐藤くんのお友達だって言われたからいつかそれを伝えようと思っていたし、別に言われなかったら言う必要ない。それだけ。」
たかし「…そうだったんですね。教えてくれてありがとうございます。よ、世の中わからないものですね。」
松山さん「だからジェイミーは元々生まれがいいおぼっちゃまだから私、佐藤くんを心配した。あんな生まれがよくて桁外れのお金持ちのご子息で今まで世界相手に成功してきた真逆な人がお友達で佐藤くんは大丈夫かな?って。今でも心配してる。それに普通はあんな人前で堂々と倒れたりしない。きっと彼、何か隠してる事があると思う。多分。」
たかし「…とりあえずリビングへどうぞ。お茶入れますから。」
ボクたち2人が玄関で大事な話をしていると、急にボクのスマホの着信音が鳴り始めた。
プルプルプル
たかし「あ!清水先輩。」
松山さん「清水?」
たかし「し、清水先輩。どうかしましたか?」
清水先輩「さっき、エレベーター乗ろうとしたら他の人っていうかジェイミーさんの召使いがエレベーターの扉が開いて現れて。“ジェイミーさんをありがとうございます!後は私がやりますからお帰りください。いや、佐藤さんと一緒にいてください。“って言われたからそこで他の人達、皆と別れたところ。ところで、佐藤。俺はどこに向かえばいいんだ?」
たかし「えーと。ボク、自宅がある階のエレベーターの前で待ってるのでそこに来て頂けませんか?場所は」
ボクは電話越しで清水先輩に指示を出す。
清水先輩はボクの指示に従いながら、ボクのいる方へと向かう。
たかし「ま、松山さんはリビングのソファーに座って待っててください。ボク、清水先輩を迎えに行ってきます。」
松山さん「わかったわ。気をつけてね。」
ボクは松山さんに伝えると、自宅を飛び出した。




