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番外編-ヒロの家の話⑦産まれた頃

えい「…また来るわね!今日はこれで失礼します。」


ガラガラガラ バタン!


佳巳「はぁ。うんざりだ。」

エマ「…ヨシミさん?ジェイミーのミドルネームをヨシヒロにしませんか?それからジェイミーには日本国籍も取らせましょう?お義母さんが考えてくれた名前、私はとてもいい名前に感じました。私はジェイミーが日本にルーツを持っているという意味で日本国籍を取ってあげてもいいんじゃないかな?と思うんです。将来あの子が大きくなった時に日本を大事に思う気持ちが残るかもしれないし。」

佳巳「ダメだ、そんなの!!ボクは大反対だ!あの子はジェイミーはアメリカ国籍だけで育てる。日本国籍なんて取らせたら母さん絶対ジェイミーを跡継ぎにさせるよ!だからボクは絶対反対だ!」

エマ「そんなにこだわる事ですか?」

佳巳「当たり前だろう!ボクは産まれた時からあの家であの母さんから散々嫌なくらい英才教育という名の自由がない生活を送らされた。友達と遊ぶ暇なんてこれっぽちもないし、だからジェイミーにはボクと同じ人生を歩ませたくないんだ。」

エマ「なるほど。でも日本国籍を取らせなくてもお義母さんはあの子を跡継ぎにさせたいのでは?」

佳巳「あぁ!!絶対にさせてたまるかー!!」

エマ「ヨシミさん?少し落ち着いてください。ジェイミーが跡継ぎになるとは限りませんよ。第一にお義母さんはソフィア(長女)を跡継ぎとしても考えているでしょう?だからジェイミーだけが跡継ぎとは限らないのですよ。それに子供たちが大人になって誰も跡継ぎにはならないかもしれませんし。そこを判断するのは子供たちの自由では?」

佳巳「誰一人縛りたくないな。だから、エマ。病院を退院したらベルビューを離れよう?母さんにここに住んでいるとバレたからにはまた絶対来るから。」

エマ「ヨシミさん。ここを離れたら私たちはどうやって生活して行くのですか?子供たちは4人いるのですよ。それに私は働ける身ではないし、ヨシミさんだって定職に就いているわけではないし。現実は物凄く大変ですよ!」

佳巳「ボクは嫌だね!今すぐここを出たい気持ちでいっぱいだ!エマ。キミは母さんからあんなに散々嫌な思いさせられてきたのにも関わらず、キミは母さん寄りなのか?また母さんから嫌な思いさせられるぞ。いいのか?ボクは絶対嫌だね!」

エマ「ヨシミさん!そこまで冷静になれないのならヨシミさん一人で行ってください。私はここに子供たちと残ります。」

佳巳「いいよ!ボクは絶対成功させて見せる!成功させるまで絶対帰らないからね!」


ガラガラ バタン!


ヨシミはそれ以来見舞いには来ませんでした。

それからエマとジェイミーが退院する日がやってきました。

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