お約束のようなトラブル
俺は一人が好きだ。
誰かと付き合うと必ず気を使うし、必ずもめる。
俺は性格に問題があるのか!?
この度も一人旅で気楽にいこうと思っていた。
ところがどうだ。
旅の5日目、目の前に盗賊を見つけてしまった。
山と山の間の谷の様な道を進むところがあった。
俺は崖の上まで飛んで次に飛ぶところを見ていた時だ。
渓谷の出口が閉鎖してある。
ご丁寧に武器を持って10数人。
そして、渓谷を馬車で進む1組。
ちょっと良い馬車なので、お金持ちかも知れない。
後ろから尾行しているのも盗賊だろう。
左右は岩山で馬車では逃げられない。
実に地の利を活かした方法だ。
カモのことは、山から見ているのかな。
山を見渡すと、確かにいる。
たまたま俺の反対側の山の山肌に隠れてる。
見捨てておくのもなんだし、まだ未遂だし、とりあえず見守った。
馬車の先100mで少しカーブがある。
その先に盗賊たちのバリケードがある。
割と近くまで行かないと見えないようになっているのもよく出来ている。
水を飲みながら見守っていると、案の定馬車が止められた。
前方の盗賊は15人ほど。
後ろから5人ほど。
多分、山の中に1人か2人。
一方、馬車からは2人剣を持った人間が出てきた。
護衛だろう。
物理的に馬車の中には1人か2人、恐らく護衛対象。
御者(ぎょしゃ・馬車を運転する人)が1人、これは非戦闘員だな。
盗賊20人対旅行者5人(内、非戦闘員3人)。
これは旅行者が圧倒的に不利だなぁ。
みるみる内に護衛の2人が倒された。
あ、護衛逃げた!
ひどい!
あ、見る見るうちに護衛対象が外に引きずり出された。
2人だな。
女の子だ。