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88・プレゼント

 


 夕食は伯爵様の希望でカレーライスになりましたー。

 公爵様とエルナたん、それにエデルさんは初めて見たカレーライスに表情が固まったものの、一口食べて目を輝かせた。

 大人用には少し辛めに、私達子供組には辛さ控え目のお子ちゃまカレーだ。

 あの日私がカレーを作った日から、マリスさんの尽力で更にカレーは進化を遂げ美味しくなった。さすがマリスさん!お陰でカレーは伯爵家のお気に入りだ。

 ニンジン嫌いのアー君が気付かずにニンジンをもりもり食べていると教えたときのアー君はまるで宇宙猫のようで面白かったなぁ。好き嫌いがひとつなくなったんだから喜べば良いのに。


 そしてやって来ました、うはうはイベント!

 そう!エルナたんとのお風呂タイムだっっ!!

 大丈夫!私の鼻は大丈夫!!多分!!




 猫足バスタブの中、エルナたんの髪はニィナさんが、そして私の髪はエルナたんが洗ってくれていた。本当は私がエルナたんの頭を洗ってあげたかったのだけど、畏れ多いのと絡ませたらどうしよう…!ってなって結局ニィナさんにお任せすることになったわけだ。


「はわぁ~…きもひいぃ~…」


 優しくわしゃわしゃと頭を泡立てられる感覚にうっとりと目を閉じる。エルナたんの洗いかた気持ちええ…。


「ラピス、髪が伸びたわね」

「うん!エルナたんが伸ばしてみたらって言ったからちょっと伸ばしてみてるんだ~」

「そうなの。嬉しいわ。ラピスは可愛いからどんなヘアスタイルも似合うでしょうね」


 泡を洗い流して肩にかかる私の髪を見てエルナたんが嬉しそうに笑った。


「エルナたんみたいに綺麗に伸ばせるわかんないけど、いつかお揃いにしようね!」

「ええ」






 ニィナさんに手伝ってもらいながらお風呂からあがり着替えを済ませ、私は空間収納からとあるものを取り出した。木彫りで作られた蓋付きの箱だ。ジルに頼んで綺麗にお花の彫刻をしてもらったので貴族のエルナたんに贈っても恥ずかしくない品だと思う。リボンを巻いて蝶々結びをした箱の中にはあの後何度か改良をした新品のドライヤーが入っている。


「エルナたん、エルナたん! はい、これ」


 鏡台の前に座ったエルナたんの膝の上に箱を置くと、戸惑いながら受け取ってくれた。


「プレゼントだよ! 開けてみて?」


 エルナたんは丁寧な仕草でリボンを解き、箱を開いた。


「……これは、何かしら…?」


 エルナたんはドライヤーを持ち上げてじっくりと眺めて私に視線を合わせ不思議そうに小首を傾げる。そりゃ見たことないものだからそうなるよね。


「これはね、ドライヤーっていって、髪を乾かす魔道具だよ」

「まぁ!髪を乾かせるの?」

「うん。短時間で乾かせるから髪も痛まないし、冬も寒くないよ!」

「凄いのね」


 エルナたんは感嘆したようにドライヤーを撫でる。エルナたんが喜んでるよ、良かったねジル!


 使い方は簡単。スイッチを上げて、握り手の所の魔石に触れるだけ。スイッチは一つ上げると冷風になってもう一個上に上げると温風になる。温風で髪を乾かして、冷風で冷やしてあげると艶良く仕上がるのだと説明するとエルナたんと一緒に説明を聞いていたニィナさんも目をキラキラさせていた。

 そう言えばニィナさんも癖っ毛で悩んでるんだっけ。いつもお世話になってるし、後日試作品だけどプレゼントしようかな?


「じゃあニィナお姉ちゃん、ドライヤーでエルナたんの髪を乾かしてみてくれる?乾かし方は私が教えるから」

「ぇ…あの…」


 ドライヤーを受け取ったニィナさんが困惑したように私とエルナたんの顔を交互に見つめる。どうしたんだろう。


「わ、私…その…生活魔法で灯りを灯すくらいの魔力しかないのですが…」


 しゅんと肩を落としたニィナさんは申し訳なさそうな顔をしつつも、手に持つドライヤーを切なそうに見下ろした。


「あ、大丈夫!魔力が豆粒以下でも使えるから」

「へ?」


 きょとんと目を見開いたニィナさんは元々の童顔のせいか、まるで小リスのようだ。

 そんな彼女に簡単に豆粒以下の魔力でも余裕で使える理由を話す。


 世にある魔道具は直接道具を使う本人の魔力で起動するのだけど、それだと使える人に限りがあるし、魔力を使いきって魔道具を使えなかったりと問題点も多い。

 なのでドライヤーには起動用のスイッチの魔石と、基盤となる魔晶石の間に魔力を増幅させる魔方陣をいくつか付与してある。そのお陰で豆以下の魔力でも増幅され、本人に悪影響なく魔道具(ドライヤー)は起動できる、という訳なのだ。


 どやー!と胸を張って答えるとふたりは目をキラキラとさせてパチパチと拍手を送ってくれた。


「ラピスちゃんは凄いですね!ね?お嬢様!」

「本当に凄いわ。やっぱりラピスは天才ね!」

「えへへ~」


 二人に左右から頭をイイコイイコされて頬が緩む。誉められるとやっぱり嬉しいものだ。何歳になっても。


「では、ドライヤーを起動させてみますね!」


 ニィナさんはドライヤーのスイッチを温風に合わせ、ゴクリと息を飲むと持ち手部分に一体化した魔石をゆっくり握った。

 するとフワァァと筒になった部分から温風が吹き出す。

 ニィナさんの魔力は私が修行を開始する前よりもずっと少なかったから起動するか少し心配だったんだけど…うん、大丈夫みたいで安心した。これなら魔力が皆無な人以外なら使用可能だ。


「──わぁ…!!お嬢様!見てください!暖かい風がフワー!って!」


 ニィナさんは興奮したようにエルナたんとドライヤーを交互に見返してはしゃいでいる。なんか仔犬みたいで可愛い。


「ニィナお姉ちゃん、髪を乾かすときは根元に指をいれて優しく揺らしながらしてね」

「え?ブラシは使わないの?」

「うん。濡れた髪を梳かすと髪が痛むんだぁ。だからブラシは髪の毛が殆ど乾いてからね」


 取り敢えずお手本を見せた方が早いかな?と言う事でエルナたんの髪を私が乾かして見せることにした。

 エルナたんの後ろに用意してもらった椅子の座面に立ち、鏡越しに視線が合ったエルナたんに微笑む。エルナたんもにこりと微笑みを返してくれた。


「それじゃ髪を乾かすね!」

「ええ、お願いね」


 ドライヤーを起動させてエルナたんの頭皮に指を這わす。熊手みたいに開いた指を優しく揺すりながら頭皮から、毛先に温風が流れるようにドライヤーを傾けて風を送る。エルナたんの髪質は柔らかくて細いので、いつものタオルドライだと乾くのにとても時間がかかるけど、ドライヤーだといつもかかる時間の一割程度で乾いた。

 次は冷風を当てて乾いていない場所を探す。乾いていない場所はまた温風で乾かして、そして最後に冷風を送って髪を落ち着かせたら終わりだ。

 後は艶出し用のヘアオイルを塗ってブラシで仕上げる。そこはニィナさんにしてもらった。


「どうだった?エルナたん」


 全てが終わってエルナたんの前に回り込む。エルナたんは自分の髪をひとふさ手のひらにのせて、そしてそのまま手櫛でスッと髪を流した。


「……すごい。綺麗に乾いてるのにいつもみたいにパサパサになってないし、それに髪の毛自体に艶があってオイルが馴染みやすいせいかとてもサラサラなのにしっとりしてるわ」


 エルナたんは何度も髪をすくっては手櫛で流す仕種を繰り返して感嘆の吐息を溢している。よかった。気に入ってもらえたようだ。


 いやぁ…完璧な完成までは時間がかかったから、本当に嬉しい。

 それもこれも何も知らずに人体実け……ゲフン、実験に付き合ってくれた兄のお陰だよ。お陰で魔力がどれくらい必要か解ったし、改良点も見付かりやすかった。

 …まぁ一番最初の実験でリングで燃え尽きた某ボクサーみたいになった時はさすがに焦ったけど。


 エルナたんも喜んでくれたし、帰ったら兄にも何かお礼をしなくては、と心の隅っこで思った。





ひえぇぇ(((( ;゜ω゜))))

ものすごく更新に間があいてしまって申し訳ないです!泣

案の定暑さのせいか、体調を崩して発熱してコロナかと完全防備で診察されたりと…結果、食中毒でした!!笑

今は元気です♡٩(❛∀❛)✧ˈ‧˚

何食べたんだろう、私……拾い食いなどしていない(;°;ω;°;)


明日はついにワクチン1回目です…ヘ(´・ω・`ヘ)コエー…


ともかく9月からいつものようにペースを戻したいです!がんばります!(ФωФ)




誤字、脱字がありましたらお知らせください!(*^^*)

ブクマ&評価ありがとうございます(*´ω`*)


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