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31・ラピス式魔力増量法2

 


 なんてこったい。

 無意識にピカピカしてたなんて…!誰か教えてくれても良いじゃん!

 兄の前でも座禅組んだりしてたのに何にも言われなかったのって言わなかったってことだよね!?あんにゃろ!


「ザゼン…僕にも出来るかな…?」

「出来るよ!慣れたら時間が過ぎるの忘れちゃうくらいだから」


 不安そうにもじもじするアー君が私の前で直接床に座った。

 私は履いていた靴を脱いで裸足になる。本来は裸足でする方がやり易いからだ。それに習ってアー君も裸足になった。

 贅沢言えばお座布が欲しいけど無いものは仕方ない。


 まずは足の組み方。胡座って言っても適当にしてる胡座じゃなくて、ちゃんとかっちり足を組む胡座だ。左足の下から右足を敷き込んで足の裏が上を向く形に持ってくる。

 アー君は始めての胡座にバランスを崩してコロンと転げた。


「結構難しいな…」

「最初は仕方ないよ。慣れるとこの座りかたが楽になるんだぁ」

「そうなんだ?」


 何とか胡座を組めたアー君の後ろに回り込み肩をグッと開く。猫背禁止だ。

 背中は真っ直ぐ、背骨の真上に頭を置く体勢を心掛ける。

 次は手。両手のひらを上に向け両膝の上に据える。親指と人差し指が触れるくらいの輪を作る。他にもからだの前で手を重ねる方法もあるけど、私はこっちの方が楽で好きなのだ。


「これが基本の体勢ね!」

「わ、解った…」


 私はアー君の前で同じ様に胡座を組んで座る。


「目を閉じて…落ち着いて呼吸して。呼吸は鼻でしてね。吐くときはゆっくり…吸うときは吐くときよりも早く。で、お腹の下に自分の中にある魔力を集めるイメージをして…先ずはその魔力をゆっくり少しずつ右足の先にまで届けるイメージをして…」


 私は目を開けたままアー君の様子を見る。

 ウンウン。ぎこちないけどうまくできてるかな。


「足の先まで届いたら今度はそこから戻ってくる…そのまま流れを繋いで今度は左足へ…そうそう…そのままお腹に戻ってこようか」

「…………」


 落ち着いた様子でアー君は流れを断ち切らないまま魔力の流れ道を繋ぐことに成功した。


「そしたら今度は別の流れを作るよ。今度は新しい道を繋ぐ為にお腹の中の魔力を右腕まで引っ張って。…そう、そのまま足と同じ様に右手の指先まで伸ばして…戻ってきたら今度は頭をぐるっと一周して…次は左手ね。そうそう、出来てるよ。…そのままお腹まで戻ってきてね」


 さすがアー君。いつも真面目に勉強してるだけあって飲み込みも早い。

 さっきアー君に言われるまで気が付かなかったけど、ほんのりとアー君の体が輝きだした。淡い光がまるでタンポポの綿毛のようにふわふわと湯気を立ち上らせてあるように、アー君の赤い髪が揺蕩う。


「うんうん、そのまま流れを止めずに少しずつで良いからお腹に魔力をためていくイメージをして…。おぉ、スゴい!アー君出来てるよ!流石だね!…これでアー君の身体の中に魔力の通り道ができたよ。けどまだ一本道しかないから、そこから沢山の道を作って全身に張り巡らせるようにしていってね」


 呼吸も落ち着いてる。体勢の崩れもない。完璧だ。


「じゃぁこのまま10分頑張ってみようか」


 返事はなかったけど私はそのまま同じ様に瞼を閉じて瞑想を始めた。








「アー君、アー君!10分経ちました!」

「─…え?…あ、もう10分経ったのか?」


 ゆっくりと瞼を開いたアー君が目の前に座る私を見てぱちくりと瞬く。

 結構な集中力だった。中身大人の私も最初はそこまで集中出来なかったんだけどなぁ。ちょっとアー君の事見直したわ。


「で、どうだった?」

「何かいつもより落ち着いて出来たって言うか…途中から身体がポカポカしてきて気持ちよかった…ような?」

「そっか。取り敢えずは成功だね」

「うん!ありがとう、ラピス」

「むふふ、どういたしまして。今日は10分で切り上げたけど、徐々に時間を伸ばして身体を慣らせば良いと思うよ」

「ラピスはいつもどのくらいの時間ザゼンをしてるんだ?」

「ん~と、だいたい45分から一時間くらいかな」

「え!?そんなに?」


 驚いた顔でアー君は口許を引き攣らせた。

 だってそのくらい頑張らなきゃ魔力増えないし、そんなんじゃエルナたんを守れないじゃん。


「…改めてラピスが規格外だって思い知った気がするよ」

「アー君の言い方だと私が何か人間じゃないみたいじゃんか」


 お互いに靴を履きながら軽口を叩き会う。

 その後はアー君に魔力増量法のコツなんかを教えてあげた。と言っても我流なもんで、それが正解かと問われれば何とも言えないんだけどねー。

 けれどアー君は素直にウンウンと頷いて私の話を真剣に聞いてくれた。ええ子や…。


 暫くお喋りをしていると開いた図書室の扉をコンコンとノックする音が。

 ニィナさんがティーワゴンを押しながら入ってきた。二人ぶんのカップに焼き菓子も多目だ。

 アー君はおやつタイムが終ると「剣の稽古があるから」と飛び出していった。

 残った私は蔵書室に入ると昨日の続きを本棚から抜き机に積み上げる。ここから昼食までは私のお勉強タイムだ。

 昨日は重力の魔法を覚えたから、今日は何かな~と本を開く。そこでふと思い出した。


 あれ?重力の魔法が使えるならブラックホールも作れるんじゃね?─と。


「ブラックホールは異空間なんだっけ?ん?どうだったっけ?」


 異空間が作れるなら憧れの空間収納魔法も使えるのでは?

 なとど単純に思い付いてしまった。


 ふおぉぉ!めっちゃ気になる!けどこの場所じゃ検証出来ないし…!


「あ、そっか。一旦外に出ればいいじゃん私ぃ!」


 ナイスだ私!と善は急げで図書室を出てお屋敷内を抜け、軍の演習場を抜け、いつもの修行場の少し手前までやって来た。

 もし失敗してもこれくらい離れてれば大丈夫だろう。


「ここまで来れば大丈夫かな~。むふふ…待ってろよ!私の空間収納魔法!」


 え~と、確かブラックホールは巻き込みながら小さい範囲に物凄い重力が発生して出来るんだっけ?何か学生時代にそんなこんなを聞いた気が…。


「ま、いいや。取り敢えずやってみよー」


 地面に重力をかけても仕方無いので、空中に豆粒程度の大きさを想定してそこに360度から重力魔法をかましてみた。

 見た目にはなにも変わらない空中。


「ん?威力が足んないのかな?」


 確か物凄ぉーく重力がかかってるって話だったし、これは全力でやった方がいいのか?

 そうとくりゃ全力でやったろーやないの!

 足を踏み締めて身体中の魔力を魔法に変換する。


「うぉぉぉりゃぁぁぁぁーーー!!!」


 私の持てる最大の威力の重力魔法が一ヶ所に集中する。

 お?おお?

 何だか空間が捻れてきたような…?


 ─パリン


「あ」


 なんか空間にガラスのような亀裂が。

 思わず魔法を止めてしまってから気が付いた。


 なんかヤバイかも、と。




ラブが遠いぜ…


ちなみにブラックホールのお話云々は遥か昔に聞いた話なのでうろ覚えです…専門的な知識は無いですごめんなさい(´д`|||)


誤字脱字がありましたらお知らせください(*^^*)

ブクマ&評価ありがとうございます!(*´ω`*)

じわじわっと増えてきたのでニヨニヨしてます笑

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