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27・良い女の条件とは…?

 


 怒りに大人も子供もないわい!って事で。


 レニにはムカついたけど、さすがに馬小屋は…ってギブソンさんが言うので許してあげることにした。心優しい私に感謝するがいい。


 ふっ…子供相手に熱くなっちゃったぜ。


「勝ち誇った感が凄く顔に出てるよ、ラピス」


 肩を揺らしながらテオがやって来た。

 そもそもの火種はアンタなんだけどね!


「テオはあの子が好きなの?」

「いやまさか…」

「思わせ振りな態度とったんじゃないの?」

「何でそうなるかな…」

「ちょっと!アタシのテオに馴れ馴れしくしないでよ!」


 私とテオの間に身体を捩じ込み、レニは腕組みをし私を見下ろす。いちいち反応が面倒臭いお年頃の様で、さすがのテオも額に手を添えて溜め息を溢している。

 私もあんまし相手したくないんだけどなぁ。こういう子は苦手…と言うか疲れる。


「あのね、お姉さん。良い女って言うのは無闇やたらと嫉妬を丸出しにしないものなんだよ。お姉さんの焼き餅は只の独占欲で子供の我が儘と一緒。そんなんじゃテオどころか男の人は皆引くだけでお姉さんの事好きになんてなってくれないよ?」

「な、なによ!アタシより年下の癖に知ったような事言って!」

「はい、減点。好きな男の前で他の女を下げるようなこと言う女は嫌われます」

「はぁ!?」


 なに言ってんの意味わかんない!とレニはテオの腕に抱き付き「向こうへ行きましょ」と逃げの態勢を取る。

 ギブソンさんとマーガレットさんは面白い物でも見るように二人座ってこちらを静観していた。いやいや、貴方達の娘なんだけど放っておいて良いの?


「自分の好意を押し付ければ相手が自分を好きになってくれるなんて、そんな都合の良い事そうそう起こりませんよ?好きになって欲しいなら相手を熟知しあの手この手で誘導して相手から告白してくるように仕向けるのが出来る最高に良い女です」


 確かそんな感じの事を前世で聞いた記憶がある。実践した訳じゃないからわかんないけど。

 ギブソンさんとマーガレットさんが笑顔で視界の端でウンウン頷いている。多分マーガレットさんがそのタイプの女性なんだろうな。


「な、なるほど…アンタの言うことも一理あるわね」


 レニはテオの腕を離すと一人納得したようにフムフムと頷いたり首をかしげたりと頭の中を整理しているようだった。

 そして何か閃いたようにポンと手を打つ。


「…わかったわ。アタシ、テオの研究が足りなかったのね!もっとテオを観察して研究するわ!」


 うん。頑張れ。

 最初の出会いがちょっとムカついたけど、恋する女の子は嫌いじゃない。私は心の中でこっそり応援した。

 そんな彼女を見たテオが若干焦った様にしゃがみ込む。


「ちょっとラピスさん、変なこと吹き込まないでくれる?てかホントに君6歳なの!?」

「紛う事無き6歳です」


 ドヤッ!と胸を張って答える。テオの頬が引き攣っていた。


「まぁいいじゃん。好かれて困ることないでしょ?」

「俺の好みとかどうでも良いわけ?」

「うん」


 だって私に関係ないし。


 がっくりと肩を落としたテオが恨めしそうな視線を向けてくる。

 なんだよぅ。中身はアレだけど外見はミニマーガレットさんだぞ?成長したらボン!キュ!ボン!な美人になるのは間違いないんだからキープしときゃいいじゃん。何が不満なんだ。

 それにレニくらいの年頃は近くの年上のお兄さんに弱いものなんだよ。後数年したら「そんな事もあったわね」って初恋の思い出として風化するんだから。


「大丈夫だって。世の中にはテオより素敵な人なんてゴマンと居るんだから、直ぐに目移りして他の男の人にメロメロンになるよ」

「え、俺もしかして貶されてる?」


 貶したつもりはない。事実なだけだよ。

 今は恋に恋するお年頃なんだから、幼い女の子の我儘だと思って受け止めてあげるのが男の甲斐性ってもんよ。

 ふと気が付いたけれど、テオって何歳なんだろう?


「そー言えばテオって何歳なの?」

「今年の冬で14だけど?」


 14か…。男の甲斐性が実装されるにはまだ早い年齢だったわ。

 落ち着いてるから16くらいかと思ってた。前世での14歳なんてまだまだ子供だったからか、テオがとても大人に見える。だからレニもテオが好きなのかもしれない。大人っぽい異性にはときめくもんね。


 そぉいや私転生してから異性にときめいたことないな。

 …あれ?ヤバイ…私恋愛ビギナーじゃん!レニにあんなに偉そうに言っておいて前世も含め今世も恋人居たこと無いわ!たまにTVに映るアイドルにキュンとはしてたけど、基本二次元の恋人しか居たことない!!これはアカンやつや!恋愛遍歴は永遠に封印しよう…!!


「どうかした?なんか顔色悪くない?」

「全然!めっちゃ元気!」


 隣に居たテオが小首を傾げていたので慌てて首を振る。過去を思い出して封印してましたとは言えない。


「そ、それよりテオ達はいつ出発するの?」


 うまく話を逸らすのだ、私!


「明後日の昼前に出発する予定だよ」


 それに答えたのはギブソンさんだった。

 さっきまでサンドバッグになってたギブソンさんだけど、今はマーガレットさんが腕に絡み付いている。本来は仲良しなんだろう。


「明日は朝からレニとお買い物の約束をしてるのよ。ギブソンとテオは荷物持ちしてくれるのよね?」


 ね?と再度圧を掛けられたギブソンさんがぎこちなく頷く。最早お尻に敷かれてペッタンコ…いや、むしろ自ら敷かれに行ってるような…?


「そうなんだ。お買い物楽しんでね!大通りにはおしゃれな洋服屋さんとか沢山あるからお薦めだよ」


 大量の買い物と長い時間掛かるだろう明日を憂いて居るのか、男性二人の眼からハイライトが消えた気がした。…ふぁいとぉ!






 その日の夜、まさかまさかのお客様が私の部屋へやって来た。

 ─そう、まさかのレニさんだ。


「ちょ、ちょっとアンタに聞きたいことがあって…」


 昼間の勢いは鳴りを潜め、どこかしおらしい。

 クリーム色の寝間着に、オレンジ色の髪は左右で緩い三つ編みに結っている。昼間の子供らしからぬ色気が今は見えない。


 寝間着姿の彼女を廊下に立たせたままなのもアレなので、私は部屋に彼女を迎え入れた。





寒すぎて指の血管が切れました!笑




誤字脱字がありましたらお知らせください(*^^*)

ブクマ&評価ありがとうございます(о´∀`о)ノ


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