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125・頭痛がイタイ

 

 私と伯爵様、そしてエデルさんがわんちゃんを凝視する。


 気のせいじゃなきゃ、今、喋ったような気がするんだけど…。


「『ある…じ。ごはん…あり、がと』」


 気のせいじゃなかったー!!

 たどたどしく言葉を紡ぐわんちゃん…。

 おぉぅ…自立起動型ってこと…?


「わんちゃん…喋れたんだね」

「〜〜〜!!!」

「俺はもう何も驚かんぞ…」


 ちょっとびっくりする私。

 なんか歓喜に打ち震える変態。

 眼からハイライトの消えた微笑の伯爵様。


 3人の顔を見てわんちゃんはこてん?と首を傾げた。


「わんちゃん何で喋れるの?」

「「『ある、じ…の、ごはん、で、しんか、した』」」


 しんか?進化ってこと?ごはんで、って…あ、魔力か。

 生き物じゃないのに何故進化?


「う〜ん…。魔法のわんちゃんなのに何で進化したんだろ?ナゾだ…」

「『あるじ、つく、った。ウツワ、はいった』」

「はえ?」


 作った?ウツワ?え?どういうコト?


「『ウツワ、いごこち、いい…。あるじ、まりょく、キレイ。いっしょ、いたい』」

「えぇと…つまり、居心地の良い器があって、私の魔力がいい感じなんで一緒に居たい、って事かな?」


 わんちゃん達はお目々をキラキラさせてウンウンと首と尻尾を振る。


「なるほど。おっけ!いいよ〜」


 答えを聞いたわんちゃんズの尻尾が旋風を巻き起こしそうに揺れている。

 別にナマの動物じゃないし、ゴハンも私の魔力でいいなら別にそばにいても何も問題ない。


「『あるじ、なまえ、ほしい』」

「名前かぁ…う〜ん…悩むなぁ」


 どうせならカッコイイ名前が良いよね。

 あ、そう言えば何かカッコイイ数字の数え方あったっけ!

 え〜と…確かアインス…ツヴァイ…ドライ……………………………………うん、後忘れた。

 イー、アル、サン、スー、ウー、リウ、チー…………あれ?あってる?わからん!しかも8からわかんないし。


「わんちゃんは全部で何匹居るの?確か10匹居たけど、また増えたりする?」


 ちゃんと聞いておかないと。だって最初は3匹だったのに10匹に増えてるんだもん。


「『…?わか、ない』」


 わんちゃんはこてん、と首を傾げた。わからないってことかな?

 なら数字で名付けは難しいかなぁ。

 どうしよっかな。


「ん〜…名前考えるの難しいからゆっくりでもいい?」


 そう言うとわんちゃんウンウンと頷いてくれた。

 取り敢えず今いる子達の名前を考えよう。

 このお喋りしてくれる子が多分リーダーだと思うんだよね。リーダー…わんちゃんの群を率いるリーダー……う〜ん…。


「あ、そうだ。【シリウス】はどうかな?」


 おおいぬ座の象徴の星の名前で確か別の意味でも『焼き焦がすもの』だし、熊焼いてたもんね。青白い炎の色も同じだしピッタリじゃないかな。


「『シリ、ウス…、シリウス!』」


 わんちゃんは嬉しそうに名前を口にした。すると青い炎が体中から吹き出し旋風を巻き起こし、わんちゃんを包み隠してしまう。けれどそれも一瞬で霧散するように炎は消えてしまった。


 炎が消えて現れたわんちゃんはさっきよりも大きくなっていて、さっきまで『わんちゃん』て感じだったのに今は本当に狼みたいにシュッとしたナイスバディの姿に変貌していたのだった。まさにおっきい犬!おおいぬ!!


「ふおぉぉ!!!カッコイイ!カッコイイね!!」


 興奮してバターになりそうなくらいクルクル回って全身を眺め回す。いや、本当にカッコイイ!異世界わんこ凄い!

 伯爵様もエデルさんも口をポカーンと開いたまま固まっていた。


「主」

「…!」


 スルリとシリウスの口から出てきたのはさっきまでの辿々しい子供の声じゃなく、イケボだった。ちょっと衝撃で脳を焼かれそうになった。


「名を与えてくれてありがとう」

「…!!」


 ふおぉぉ!!イケボ!!前世の推し声優の声に似てる…!


「わんちゃ…─シリウス、言葉がヌルヌル出てくるようになったね」


 思わずそう口にすると背後から「ヌルヌルってなんだよ」と伯爵様が突っ込んできた。ヌルヌルはヌルヌルだよ。


「主と喋りたかった」

「そっかぁ〜」


 尻尾をふりふりしながらスリスリしてくる大型犬かわゆし。

 思わず某どうぶつ王国のゴローさんのようにわしゃわしゃ撫でてしまうのは仕方ないよね。かわゆし。


「でもシリウスは何で喋れるの?というかシリウス達は私の作った魔法のわんちゃんに入ったって言ってたよね。てコトはシリウス達は何処かから来たってことなの?」


 要するに憑依って事になるのかな?器に入ったって言ってたもんね。


「元々我々はこの世界と並行する別の世界にいたんだが、ある日とても心地好い魔力を感じてその場所へ留まることにしたんだ。そこへその二人もやってきた」

「ほぉほぉ…で?」

「3人でその魔力を辿ってこちらへとやって来たものの、我等は実体を持たないので悩んでいたとき、主が魔法で犬の形を作ったのを見て飛び込んだのだ」

「じゃあ最初に出来たわんちゃん達は入れ物だけの空っぽの器だったってこと?」


 こくん、とシリウスは頷く。

 なるほど…と言うことはあの魔法は単に犬の形の炎を作っただけだったって事なのか。


「じゃあ他のわんちゃん達もシリウス達みたいに私の作ったわんちゃんの器に入ったって事なのかな?」

「そうだ」

「そっか〜」


 まぁ異世界だし、そういうこともあるよね!

 あまり深く考えない。だって異世界だもん。


「─て!ちょっと待ってぇー!何すんなり納得して落ち着いてるの?!」


 と、突然エデルさんが乗り出してきた。


「並行する世界て何?!君達が精霊なのは解るけど、ラピスの魔力を辿ったって…一体どうやって…」


 ん?え、シリウスって精霊なん?

 そう言えばこことは違う世界でこっちの世界では実体が無いって言ってたっけ。あ、それでエデルさんが受肉とかなんとか言ってたのか。


「でもなんで並行の世界に私の魔力があったの?」

「? 人間は我等の世界に魔力を流して恩恵を受けているだろう?それは我等にとっては旨い食事と同じだからな。主の魔力は頗る美味で魂に心地よく馴染む。故に争奪戦で勝ち残った者が残りの7人と言うことだ」

「争奪戦…」

「とは言え我等3人以下は中級よりの下級精霊だがな」


 シリウスと2匹のわんこはキリッ!と胸を張ってる。シリウスの話が真実ならシリウス達は中級以上の精霊て事になるけど、どうなんだろうか。しかも最初は子供みたいな声だったのに今はイケボ…。進化したって言ってるし中級以上のその上って事になる。


「ちなみにシリウスはジョーキュー?」

「うむ!主の魔力で上級の中位に進化し、その上名を与えてもらったので今は最上位になっている!」

「ほほぉ〜」


 なんかよく解らんけどよかったね!


「「じょ…上級、精霊……」」


 伯爵様とエデルさんが揃って息を飲む。

 伯爵様は若干顔色が悪いし、エデルさんもいつもの変態崩れの表情じゃなくて何かまともな変な顔してる。どうしたんだろうか。


「何て事だ…これはちょっとヤバイぞ…」

「信じられない…ラピス、君はなんて子だ…」


 ふたりとも顔色が悪いまま頭を抱えてしまった。頭痛か?!頭痛がイタイってコトか?!私のせいじゃないもん!そんな目でこっち見んな!


ワンちゃん達のお話はまだ続きます!


と言う訳で新たな頭痛の種を撒き散らすのがラピスという幼女ですハイ(頭痛がイタイwww)



誤字、脱字がありましたらお知らせください!助かります(〃´ω`〃)

ブクマ&評価ありがとうございます♡

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― 新着の感想 ―
 伯爵だけは頭痛だけでなく胃痛も+されそう、公爵は基本伯爵に任せれば良いと思うけど、将来的にラピスとエルナたんのセット+αが一気に揃うのを考えると一番の苦労人枠になりそう。。
幼女がこんなに落ち着いているというのにこの大人共は…┐(´∀`)┌フゥ…ヤレヤレ まともな変顔とは(哲学)
本当ラピスはなんでもオッケーで軽いよね〜 大好き! 更新が早くラッキー感満載回でしたがこの調子で次回もお願いいたします ペコ〜
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