115・据え膳が食え膳
お久しぶりですぅぅぅぅ!!!!!(スライディング土下座)
生きてます!ちゃんと生きてますよぉ!( ;∀;)
「………」
「は、伯爵様しっかり…っ!」
頭を抱えて座り込んだ伯爵様をシーナちゃんが慰めている。なんで?
「俺はラピスならいつかはやると思ってた…」
「あ、俺も」
ジルとヤトーも遠い目をしたまま抑揚のない呟きを吐き出している。
「兄さんもヤトーも!現実から目を逸らさないでー!」
「ははは」
ユサユサと揺すられジルが乾いた笑いを溢している姿に伯爵様も釣られたように笑い出す。でも私を見ながら笑ってるけど目が笑ってないのなんで?
一頻り笑った伯爵様がふぅ~~と溜め息をつくとガタッと椅子から立ち上がりズンズンと私に近付いてきた。
「むあ!?」
急にがしっ!とほっぺを掴まれもちもちと揉みくちゃにされる。その度に変な声が出るけど、伯爵様は器用に超笑顔で青筋立てながら「おまえは~!」と止める気配がない。
「俺の胃に穴を開ける気かぁ~?ん~?」
ほっぺをにょーんと引っ張られたまま伯爵様を見上げていると「あ、ダメだコイツ。解ってねぇ」と呟き青筋が増えた。
『おい、その辺でやめておけ。無駄だぞ。ラピスだから』
「いやしかし」
そこで傍観していたジークが伯爵様に助け船を出す。
『寧ろ色々解ってたらそれはもうラピスじゃない!』
「……!!!!」
ドヤ顔のジークの言葉にピシャーン!と天啓でも得たように固まる伯爵様。
なに?どゆこと?あれ?ジーク助け船じゃなかったの?何気にディスってない?酷いな。
「くっ…確かにそれが出来るならラピスじゃないな…」
何か苦渋に満ちた表情でほっぺから手を離されたけど、伯爵様も私の評価が酷い気がする。私は空気の読めるイイコなのに。
「ふたりとも酷い」
ぷ、とほっぺを膨らませると物言いたげな視線がそこかしこから注がれた。解せぬ。
みんなと打ち解けられるかな~?と心配していたジークもその中にいるので余計な心配だったみたいだ。逆に何かみんなに同情されてる。なんで?
そんなこんなでジークがみんなに馴染んでしまった。
みんなそれぞれ質問をしたりして気が付いたら何か仲良くなっていたのだ。因みにポメ姿に戻って伯爵様やジル達ともラインを繋いでお喋りしている。声と鳴き声が二重に聞こえて混乱してたけど慣れたみたいだ。みんな順応力高いね。
一応伝説の竜なのに、これはポメ姿だからなのかな。
「ジーク様」
「わふ!(敬称などいらんし、敬語もいらんぞ!気安くジークと呼べ)」
伯爵様に向かってジークはもふもふの胸を張ってドヤっている。胸毛スゴいな、とぼんやり見ているとヤトーがブラシを持って何だかそわそわしていた。ヤトー、もしや動物好き?
「ではお言葉に甘えて…ラピスとの馴れ初めを聞いてもいいだろうか…?」
「……」
ジークの眼から何か光が消えた。
勢いよく振り返った伯爵様の目が「いったい何をした!?」と物語っている。なにもしてないよ!
「きゅぅん…(実はな…)」
そして犬みたいに鼻をきゅんきゅん鳴らしながらジークは私との出会いを語り出した。
「──って!!居直り強盗じゃねぇか!!!」
ジークの話を聞くや伯爵様が天を仰ぐ。
失敬な。居直り強盗なんてしてないもん!ちゃんとお伺いたてたし、お邪魔しますって言ったもん!
「きゃぅん…(まさか尻尾を狙われる日が来るとは思わんかった…)」
死んだ魚みたいな目で虚無顔してるけどちゃんとついてるじゃん。まぁ狙ったのは事実だけど。
けど前世で読んだ異世界小説ではドラゴンの肉って美味しいって書いてあることが多かったから気にはなる。まぁ想像で書いてたものなんだろうけど美味しいって書いてあったら食べてみたいのが人間の性だよね。いつか食べたいな。
と、そんな事を思いながらジークを見ていると涎が出てきた。
「きゅーーん!?(お主!今我を美味しそうとか思わなかったか!?)」
「ラピスーー!」
震え上がるジークが慌てて伯爵様の腕に飛び込む。
「うわ…ラピスがジーク見てヨダレ垂らしてる…」
「そりゃラピスだからな…」
ジルとヤトーが頬をひきつらせてこっちを見てる。
「据え膳が食え膳…」
思わず溢れた言葉にジークの短い尻尾が内股に消えた。そんなに怯えなくても食べないよ。………多分。
けどほら、昔話でウサギがお腹を空かせた恩人だっけ?その人に「私を食べて」って炎の中に飛び込むやつがあったし、ジークもお腹を空かせた私のために丸焼きになる日が来るかもじゃん?……今のうちに丸々肥えさせとこうかな。
「きゃわわーーーん!?!?(不穏!不穏な雰囲気を感じるぞーー!?!)」
「コラー!涎を垂らしながらジークを凝視するんじゃない!!」
伯爵様に怒られた。解せぬ。
その後も何か色々理不尽な事で伯爵様に怒られたけど、気にしないでおこう。
そんなことより!エルナたんの剣だよー!えへえへ!
ジルとヤトーにはまた後で色々相談にのって貰ってエルナたんには最高に美しくてカッコよくてめちゃくちゃ似合う剣を作るんだ~。
ついでに私の短剣も作って貰って…あ、後伯爵様と王様にも賄賂で何か作らなきゃいけないんだっけ。伯爵様はともかく王様にはちっこいペンダントトップのネックレスとかで良いんでないの?ジークが言うには古竜の骨はお守りにもなるみたいだし。それならエルナたんとお揃いでお守り欲しいな、可愛いのを!
「あ、そだ。ジル、これも何かに使える?」
そうだそうだ、骨は全部空間収納から出したけどこれは出すの忘れてた。
「んしょ、と」
空間収納の中からゴトン、と私の胴体と同じ位の大きな魔石を取り出す。綺麗なエメラルドブルーのでっかい魔石だ。実はこれ、先代古竜の魔石だったりする。あの時ポイポイと放り込んだ骨に紛れて一緒に貰ってしまったやつだ。後からジークに聞いてびっくりしちゃったけど、魔石って大きいと色々使えるって言うし、タダだからありがたくいただいちゃったのだ。
「ねぇ、コレで作って欲しいものがあるんだけど、─て、ジル聞いてる?」
「えっとぉ…コレって…」
ジルが頬を引き攣らせて魔石を指差す。
「先代古竜の魔石だよ」
「やっぱり…!」
ジルが苦虫食べちゃったみたいな顔してる背後で伯爵様が胸を押さえてるのが見えた。でっか過ぎて感動しちゃったのかな。
長らく更新が停滞してしまい申し訳ありませんでした!( ;∀;)
そして明けましておめでとうございます!今年もどうぞよろしくお願いいたしますm(。-ω-。)m
何だか停滞中にブクマ沢山増えてて嬉しいです!あれですかね…短編がちょびっとランクインしてたからですかね…?
リハビリにちょっと悪役令嬢物を書いてるのでそのうちにまたアップしたいと思いますので良かったら暇潰しに読んで下さいませ(〃´ω`〃)
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