106・ぐっじょぶ、テオ
かなり間が空いてしまったので…簡単なあらすじを(*´ω`*)
◆あらすじ◆
エルナたんの剣を作るため旅立つラピス。目的は北の霊峰に棲む古竜の尻尾!(先っちょだけw)なんやかんやあって古竜兄妹とお友達に。そして兄古竜ジークフリートと帰宅する事に。
竜の背中に乗って数年後エルナたんと通う魔法学園も視察したし、そんじゃ帰るか、と進むと何処からともなくエルナたんのカホリが!地上にエルナたんの姿を見付けたラピスはジークの背中から飛び降り落下。エルナたんを堪能したラピスはついでに、とお手洗いを装いエルナたんのママのお部屋に侵入。マッマを堪能し無事にお手洗いを出るとそこには…。
「レニ!」
大人達の壁の中から顔を出したのは何とギヴソンさんの娘であるレニだった。
「久し振りね、ラピス!元気にしていた?」
「わ~!レニも元気だった?」
久し振りに再会したレニは相変わらずの美少女だった。ちょっと気の強そうな目元も明るい髪も、数ヵ月前に会った時のままだ。
唯一変わったとすればレニが身に付けているメイド専用のお仕着せくらい。どうしてレニがメイド服なんて着ているんだろう?
じっとそれを見ていた私に気が付いたのか、レニはくるりとその場で回り、得意気に笑った。
「ふふん。どう?私、今公爵様のお屋敷でメイド見習いをしてるのよ」
「へー、そうなんだ!レニのエプロン、ひらひらで可愛いね」
「そうでしょ?」
前世じゃメイドと言えば可愛い制服を着たフリフリエプロンのお姉さんのイメージが強いので、レニが身に纏うお仕着せが私の目にはとても素敵に映った。まぁ、前世じゃこんなの着たらグーで殴られる位似合わなかっただろうから、やっぱり憧れがあるのも否めないのだ。
「レニ、可愛いね!」
「…! も、もう!ラピスったら相変わらずなんだから」
どこか照れたようにレニは視線をそらす。
すると頭上からクスクスと笑う声が降ってきた。
見上げると回りを囲んでいた人達が私達を微笑ましそうに見ていたのだった。
「さぁさ、レニもラピスお嬢様を案内して差し上げて?エルディアナお嬢様がお待ちになっているわ」
「はっ、そうだったわ!私あなたを迎えに来たのよ!ラピス、こっちよ」
年上のメイドさんに優しく諭され、レニはハッと目を瞬かせて私の手を握る。
大人達が道を開けてくれたのでレニは私の手を引いて歩きだした。振り替えると大人達はニコニコと笑顔で見送ってくれたので、私も笑顔で小さく手を振ってからレニの後に着いていったのだった。
「ラピス!待ってたわ。迷わなかった?」
「エルナたん!」
連れていかれた場所は花壇がある庭で、背の高い木々が影を作る涼しげな場所だった。テーブルと椅子が用意されていて、テーブルの上には沢山のお菓子や軽食、飲み物が用意されている。
側にはテオが立っていて、足元ではジークがクルクルとバターを作る勢いで回っていた。何が楽しいのかわからん…。
「レニもご苦労様」
「いいえ、私もラピスに久しぶりに会えたので嬉しかったです」
エルナたんに走り寄るとレニは「それでは」と頭を下げて私に小さく手を振ってからその場を下がった。
「さぁ、お茶にしましょうか」
エルナたんは着替えておらず、再会したときのままのパンツスタイルだ。カッコいい。目に焼き付けよう。
控えていた使用人さんが椅子を引いてエルナたんが腰かけると、そのすぐ隣の椅子を引いて「どうぞ」と使用人さんがにこりと微笑む。しかし、困った…。これ、よじ登ってもいいんだろうか?
いつも私専用の椅子にはお子ちゃま用の登り台が付いているけれど、初めて会った使用人さんはそんなことは知らないので普通に椅子を進めてきた。
うむ、困ったぞ。いっそのことジークを踏み台代わりにするか?
むむむ、と内心で思っているとふとテオと視線が合う。
「テオ~」
よし、テオに手伝ってもらおう。と、私はテオに向かって両手を上げた。要するに「持ち上げろ」と言うスタイルである。
「あ~…はいはい」
テオは苦笑を溢すと足元のジークを避けて近寄り、私の脇下に手を差し込んで持ち上げて椅子に座らせてくれた。
「ありがとーテオ」
「どういましまして」
私達のやり取りを見ていた使用人さんは慌てた様子で「気が回らず申し訳ありません!」と頭を下げたけれど、初めて会ったんだから仕方ないよ、ってことで気にしてないと伝えると感激していた。なんで?感激する要素なくない?
改めてテーブルの上を見るとケーキやクッキー、スライスしたバゲットのサンドイッチやプリンも並んでいた。プリンは私の書いたレシピをお屋敷の料理長が作ってくれたのだそう。
「沢山用意したから好きなだけ食べていいのよ?」
「わーい!…ぁ」
サンドイッチを手掴みで取りそうになって慌てて手を引っ込める。
そうだった。ここは公爵様のお屋敷で、私はエルナたんのお客様なのだ。私が無作法だとエルナたんが恥を欠くことになる。伯爵様のおうちでお茶の飲み方は教わったけどサンドイッチってどうやって食べるんだ!?
あうあうと悩んでいるとエルナたんがスッとテーブルに手を伸ばしてそのサンドイッチを手に取り傍らに置かれた紙でくるっと巻くと私の前に差し出した。
「はい、どうぞ」
おずおずとそれを受け取るとエルナたんがふわりと笑みを浮かべる。
「ここにあるのは全部ラピスのために用意したものだから、今はマナーも何も気にしないで?私はラピスが美味しそうに食べてくれるととても嬉しいわ。ね?」
食べて?とエルナたんはコテンと小首を傾げた。
エルナたんからお許しが出たので私はパクリとサンドイッチにかぶつりつく。焼き立てのふわふわのパンの中には私の好きなお肉がたっぷりと入っていて食べ応えがあった。例え公爵家のパンでも時間が経てばカチカチになるのだろうけどさすが焼き立て。ふわふわだ。
「おいひぃ…!」
もっもっ、と食べていると視線を感じて顔を上げると、エルナたんとテオ、そしてジークが私を見ていた。
エルナたんはニコニコと笑っていて、テオも相変わらずの胡散臭い笑顔で私を見ている。ジークだけはヨダレを垂らしながら私の手にしているサンドイッチ…いや、テーブルに並んだプリンを瞳をキラキラさせて見ている。足元には小さなヨダレの水溜まりができていた。
その姿に古竜としての威厳は皆無だ。なんてこと。マジでただのポメになっている。
「…エルナたん、ジークにもあげていい?」
「─ぇ?ぁ、あぁ、ワンちゃんね。良いわよ」
じっと私を見ていたエルナたんがハッとしたように瞳を瞬かせて頷く。その後ろでテオが顔を逸らして肩を震わせて居た。どうしたんだ?
「ジーク、おいで~」
「きゃうん!(プリーン!)」
すぐさま足元に走り寄ったジーク。ハッハッと息荒く尻尾をブンブン振っている姿は誰がどう見ても犬にしか見えないだろう。まぁ犬に擬態してるからそれでいいんだけど…ジークはそれでいいんだろうか。古竜のプライドどこ行った…。
給仕の人がテーブルの中心にあるおっきなプリンを切り分け、お皿に乗せてジークの前にそっと置いてくれる。椅子を引いてくれた人だけど、犬が好きなのかな?目尻が下がっている。
「ジーク良かったね!」
「きゃん!(プリン!)」
ヤバイ。さっきから鳴き声がプリンになってる。
ジークは初めてプリンを食べた時のようにプリンの香りをスンスンと嗅ぎ恍惚とした顔で舌先でペロン、とプリンを舐めた。すると元々モコモコだったジークの毛がモワッ!と一回り膨らむ。
「ふぁぁ~ん…(旨い…)」
ジークは瞼を閉じたまま感動に打ち震えていた。
余韻に浸っている姿が面白いのでそっとしておくことにしよう。
「今日のエルナたん、お洋服格好いいね!」
「! そ、そうかしらッ?」
「うん!」
おやつを食べながらずっと思っていた事を口にするとエルナたんはハッとしたようにテオを振り返る。するとテオがエルナたんに向かって笑顔でサムズアップをした。そしてそんなテオにエルナたんも胸の前で拳をぐっと握りしめている。
え、なに?何かのサイン?エルナたんの表情は私から見えないけど、気になるんですけど。テオだけズルイ。無意識に頬が膨らんで唇がツンてなる。
「ぁ、お嬢様、後ろ」
「え?」
テオに促されこっちに向き直ったエルナたんが驚いた顔で私を見た。
「ご、ごめんなさい、ラピス。あぁそんな顔しないで…っ」
「………秘密のお話…?」
「えっと、違うの。秘密のお話じゃなくてね、その…」
オロオロと視線を揺らしてテオに助けを求めたエルナたんに、テオは堪えきれないと噴き出したのだった。
その姿に真っ赤になったエルナたんは「もう!テオドールが言ったんじゃないの!」とプンプンと怒り出す。
「ふはっ、そんなに怒らないで下さいって。結果的にラピスに喜んで貰えたんですから」
ふたりの会話が私には良く解らなくて首を傾げていると、テオが実はね、と教えてくれたのだった。
私がお手洗いに消えた後、エルナたんはドレスに着替えようとしたらしいんだけど、テオは「鍛練中の服装はラピスには新鮮だろうし、普段のありのままのお嬢様を知れるのでラピスは喜ぶと思いますよ」と進言したそうだ。それで、本当は着替えたかったけれどそのままの服装で待っていてくれたらしい。結果的に私が喜んだから思わずテオを振り返ってしまった、という訳だった。
テオ、普段はなに考えてるのか良くわかんないけど、ひとこと言いたい。
「ぐっじょぶ、テオ」
「は?え、ぐ…?」
サムズアップした私にきょとんとしたテオは首を傾げたのだった。
ほぎゃー!( ;∀;)長らくお留守にしてしまい申し訳ありません(。>д<)
わ、忘れられてそう…((( ;゜Д゜)))
ちょっとバタバタして執筆に余裕がなくて…頭のなかでは「あーして、こーして、こうなって!」と言うのは出来てるので、少しずつではありますが書き起こしていきますね!
誤字、脱字がありましたらお知らせください!大変助かりますので♡
ブクマ&評価ありがとうございます!(〃´ω`〃)




