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私の人生

唐突に作られた短編集です。このシリーズが続くかどうかは分かりません。

ただ、このシリーズが唐突に終わっても、作者の方々がご所望であれば復活させることも可能な限り書きます。

ただ、一つ言えるのは楽しんで読んでいってください。

【題名】

___私の人生___




 「世界は残酷だ」と誰かが言った。


 「世界は綺麗だ」と誰かが言った。


 「世界は汚い」と誰かが言った。


 「世界は美しい」と誰かが言った。


 「「誰かが言った。世界は誰が決めるものでもない」」と......





 雨雲が私を覆い隠している。霧が私を囲い、逃がさまいといつまでも一定の距離を保ちつつもしっかり見ていた。

「私なんかがなんで生きてるんだろ...別に死にたいわけないけど...」私は何か悟ったように言い放った。


 JKとなったというのに彼氏もろくにできず、いつもと同じ道を歩いて、駅に着いたら電車に乗っていつもと変わらない景色を眺めながら、いつの間にか電車が停まって、降りる毎日。私の人生はなんだろうと何度問いたかわからない。今日も空はどんよりと曇っていた。


 電車から降り、改札に近づくにつれ、改札の通る音が甲高く鳴り響く。多くの学生や会社員、あるいは私服の人だっている。私服の人も明日にはスーツ、あるいは学生服を着ているかも知れない。でも、実際私から見たものは全て風景であって、それ以外の何物でもない。ふと見たものでも憶えているときはある。でもそれは偶然であって、覚えたくて覚えたわけでもない。


 虚ろな目で歩く私の前に現れたのは、そばかすが頬の上辺りについていて、鼻は毛穴が黒ずんでいる。他にもあごにはむさ苦しいような髭。髪はぐしゃぐしゃで、虫が集ってきそうな汚らしい頭。輪郭は広く、目は垂れていてクマが更にできている。まるでヘドロの様な姿をした人は男の人だった。

「ね、ねぇ...僕のこと...覚えて...ハァ...いますか...」男は気持ち悪いと息を私の顔に吹きかけながら言葉を放った。その気持ち悪さに嗚咽が吐きそうになりながらも、私は虚ろな目のまま口を開く。

「誰ですか?急いでいるので、そこ退いてくれませんか?」私は気だるげにまた、丁寧に言い放った。私の言葉で止まる気持ち悪い男の横を私は通り、学校へと急ごうとした。すると、男は私の肩を大きく生暖かい手で握ってきた。あまりに強い力で握られたため、私は途端に顔を歪ませて予期せず言葉が出る。

「痛ッ...!」私は言葉を放った後すぐに男の腕を掴んで離そうとするが、それは私の力では叶わなかった。もがく私を見る気持ち悪い男は放心状態から、にちゃっ...とした笑顔に転換し、私の腕を掴んできた。

「君さ...こ、この写真バラまれたくないんだよねぇ...?」男はそう言って小さい画面のスマートフォンを取り出し、私のみだらな姿が映った写真を見せてきた。

 今着ている学生服は脱げ、下着は上下ともにはだけていて、顔を腕で隠している写真だった。男は生暖かい笑顔で私の肩に腕を回し、荒い息でまた口を開く。

「...ハァ...ハァ...この写真ネットにバラまかれた...ハァ...くなかったら、ヤらせてよ...」男はそう言って私の長い髪を指に絡ませながら、整えた髪をボサボサにしながら、写真を私の目の前に更に近づけてきた。私はゾッと背筋が凍るような感覚になる。そこで私は”身に覚えのない写真”と”身に覚えのない生理的に受け付けない男”について”理解を深め”口を開いた。

「分かったわ...でも一回離れて...?熱いの...」私が手をパタパタしながら言うと男は気持ち悪い笑顔をしたまま私の肩に回した腕を退けた。私が手をパタパタと動かして、体温調節していると、男が私に背を向けて股間を弄っている。私はその隙に息を

大きく吸い込み...。

「この人!不審者です!私に”痴漢”してきました!」私は大きな声で、なおかつ、男と距離を少し取り、駅員がすぐに来れるタイミングで、男を指さして言い放った。その瞬間男は青ざめた顔になり、私を睨む。そして男が気持ち悪い声を出す。

「このガキ...ッ!」その時には私は既に人混みに紛れ、学校に急いで歩いて行った。


 学校への道のりは意外と楽だ。それは駅から徒歩10分という近さだからだ。その間、私はとあることが習慣になっている。それは”ツイットグラム”というSNSを閲覧することである。ツイットグラムは今流行りの物が画像に乗っけられていたり、自分の顔写真を載せている人だっている。ただそれができるのは顔立ちが綺麗な人ぐらいだ。私には到底できないだろう。加工をする人もいるけれど、それをして炎上した人だっている。それは顔で釣って、卑猥な画像をDMで送り、スマホの課金に使われるプリペイドカードを得ていたことがバレ、住所を特定され、実際に会いに来てしまった人が言いふらしたからだ。「この人はブス」だとか、「金返せ」だとか、今でもそれを面白半分に言いふらす人が後を絶えないらしい。私には関係ないからそんなのあまり気にしていないけれど。


 学校に着くと、あらゆるところから視線が向けられる。寝ぐせでもついているのだろうか、と不安になるが、自意識過剰だろう。私は周囲から向けられる視線を無視し続け、靴箱に歩いて行き、靴を学校に消えられているスリッパに履き替えた。そのまま私はクラスに歩いていく。


 一年生である私は三階まで上がらなければならない。私は足音をあまり立てずに上へと上がる。

 ようやく着いたかと思われる三階は私の足に負担をかける。足の悲鳴を踏みつけ、無視して教室へと向かう。壮絶なまでの道のりでないためすぐに着いた。1-3組の表札が見えると私は勢いに乗って入った。そして、教室の一番奥の窓際で、また、一番前の席に着いた。鞄を机の横に掛け、ようやくゆっくりできると頬杖を着こうとすると、誰かに話しかけられた。

「ねぇねぇ!これって”神西さん”だよね?!」クラスの男子が私の苗字を言い放ち、スマホの画面を見せてきた。そのスマホの画面には今朝方、男が私に見せてきた写真だった。私は冷静に口を開く。

「そうだよ?それで?どうかした?」私はスマホの中にある自分の写真をまじまじと見て、デリカシーのない男子に何かあるのか聞いた。すると、騒いでいた男子は「え...」と短く声を放ち、

「いや、これだけだけど...」と抜かした。私は「そう」と短く言葉を吐き、頬杖をついて窓の外を眺めた。背後では男子が困惑の声を出しているけど、あまり気にならない。他人からどう思われようが私には関係ない。


 だって私にとって世界は”風景なんだ”から...


 私は頬杖をついたまま窓を見て、だれにも見えないように口を少し窄める様に下唇を噛むように微笑んだ。

どうでしたでしょうか?

このシリーズが続くのは作者の気まぐれですが、評価が多ければなるべく続けます。

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