どうせ、全てのものはいずれ終わると言うけれど
小鳥遊ミカ@Mika_Setsugekka
リスナーの皆様へ。いつも応援して下さり本当にありがとうございます。突然の報告で本当にすみません。わたし、小鳥遊ミカは一身上の都合によりセツゲッカを卒業し一切の活動を引退することになりました。今までほんとにありがとう。そして、ごめんね。
00:32 - 2019年6月12日
「思ったよりも、ずっと早かったな……。なんでこんなことになっちゃったんだろう」
その瞳は雫に濡れたスマホの画面をじっと見ていた。いや、それともただ目玉がそっちを向いていただけかもしれない。今は感情を抱くほどの精神的余裕はなかった。
ため息をつきながらどさりともたれ掛かった艶やかな髪はぐしょりと音を立てる。
ひどい顔。
鉄の味がする口元を拭って、乾ききった心の底から疲れた笑いだけ絞り出すと、苦笑いのように片方の口角だけが持ち上がる。それもかすかに。
「こんなんじゃ笑ったことにならないよ」
画面の中の小鳥遊ミカのアイコンは、ずっと笑ってるのに。
「これからいなくなるっていうのに、よくそんな顔してられるなあ、ほんと」
濡れたポケットからタバコを取り出す。火がつかない。あれ。
……ああ、濡れてたらつくわけないか。なんでそんなこともわかんないんだろ。馬鹿じゃん。
吸ったつもりで息だけ大きく吐くと、叶わないと知っているのに、たった一つの望みを口にした。
「あいつさえいてくれたらな」