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Sixth-sense of Wonder / シックスセンス・オブ・ワンダー  作者: 沃懸濾過 / いかく・ろか
第2章 - 相続会議リセット現象
19/45

第9幕 - 手品師の種

「ここまで来て、食べるのがそれ?」


 盆を机に置いてすぐ、ルナから感情の乗らない指摘を受けた。彼女の視線が捉えているのは、どんぶり一杯のうどんである。


「ハンバーガー選んだやつにとやかく言われてもな」

「甘い、甘い」


 ルナはもったいぶるように首を振って否定した。皿の横にあった新品の包み紙を広げてハンバーガーを慎重に挟み、カムイに自慢するように持ち上げて言う。


「これはグルメバーガーって呼ぶのよ。村の特産野菜をふんだんに使ったヘルシーランチ!」


 カムイが席に着き箸を持ったのを横目に、彼女は大口を開けて一口目を頬張った。


「んー! おいしい!」


 ハンバーガーなのにヘルシーとは、とその手元を覗けば、バンズの間の八割は緑だった。野菜が使われているのは確かなよう。

 カムイもうどんを何本か摘まみ上げて口へ放り込む。初めて訪れたこのフードコートで、見たことのある店を選んで買った。記憶と違わぬ量産型の安心できる味だ。


「ん? まだこんな時間なんだ」


 黙々と食事を進めてしばらくした頃、腕時計を見たルナが意外そうに呟いた。


「随分時間に余裕があるね。予定では夜まで調べ物を続けることになってるけど……それ以上紙をかき集める気にもなれないしなぁ……」


 苦笑を零したルナの視線の先にあるのは資料館のロゴ入り紙袋。四人席の余った椅子に立たせていた物だ。重たい辞書でも入っていそうだが、中身はすべて留めただけの紙である。


「この村の公的な機関から提供された資料だ。ショウブさんと話をするには十分だと思うが……」


 第六感シックスセンスを保有する者が、想定していた一人ではなく二人である可能性が高くなった今、どう行動するべきか少々思案する。しかし、結論は特に変わらなかった。


「その前に、トジャクさんとも話をしておいた方が」

「お? 俺がどうしたって?」


 手元に照明を遮る影が落ちた。デジャヴ。


 見上げると、イリア以上の長身が覗き込み、にこやかしていた。


「あれ? トジャクさんもお昼ですか?」


 ルナから驚くほど自然な台詞が吐かれる。後に続いて、偶然ですね、とカムイも付け加えた。箸は盆に下ろされ、ハンバーガーは皿の上に収まっている。


「そ。夜の会議まで時間があるから、村の活気具合を見るついでにな」


 手元に十分な情報があることと、準備が整っていることは同義ではない。ここは『調べ学習をしに来た平凡な高校生』ということで乗り切らなければならない。

 適切な役割演技ロールプレイを、と静かに緊張したカムイの横へ、トジャクが定食の乗ったトレイを置いた。


「ん? その袋は歴史資料館のだな。どうだ、課題は順調か?」


 トジャクが座ろうとした椅子には、彼の言う通りロゴ入りの袋が置かれたままだった。


「あ、はい、お陰様で。それなりに順調です」


 極力口角を持ち上げながら、カムイは紙袋を自身の反対側へ動かそうと取っ手を掴む。トジャクがうっかり中を見ないよう遠ざけるつもりだった。

 彼の座る席を確保するというていで。あくまで自然に。だというのに。


「おっ、そうか。どれどれ」


 カムイが止める暇もなく、トジャクの手が中の紙束を摘まみ上げた。


「あの、それは、ですね……」


 言い訳をする準備のように意図せず口が動いた。良くないとは思いながらも焦りが止まらない。

 課題の具体的な中身はまだ伝えていないため、今からでもでっち上げることはできる。故に高校生ロールに徹することは簡単だ。だがその結果として警戒されては、何のために誤魔化しているのかわからない。


「ああー、なるほどね。これに目を付けたかぁ……」


 それはまるで、アルバムで懐かしい写真を見たような反応だった。


「いやな、やっぱ心霊現象ってまだまだ取っ付きにくいよな!」


 困った顔をしながら笑い飛ばそうとするトジャクには、二人して曖昧な笑みを返すしかない。


「俺はもっと夢のある感じにしたくてな。魔法、って言い換えて広めようと企んでるところさ」


 トジャクは資料をそっと紙袋に戻しながら、悪戯いたずらを明かす子供のように笑って言った。

 彼の手から紙束が離れた隙を見て、カムイは紙袋を椅子から退けた。


「トジャクさん。席、どうぞ」

「おう。お邪魔させてもらうぞ」


 いただきます、と丁寧に手を合わせてから、トジャクが白米をつつき始める。カムイは箸を再び取りながら、その横顔に質問を投げた。


「実は資料館で、心理現象をまとめた展示を見たんです。もしかしてあれも企みの一環ですか?」


 んー、とトジャクは喉の奥から音を出して考え、呑み下してから答えを口にした。


「あれはなぁ。いろいろこじつけてみたんだが、これがなかなかに難しい。結局魔法とまでは言えなくて、不思議な心霊現象ってことでそのまままとめてある」


 確かに、題名こそ心霊現象と付けられていたが、まとめの部分では手品や魔法と表現されていた。

 第六感シックスセンスを手品や魔法と呼ぶという、カムイに拭えない違和感を抱かせた記述は、この構想の元に作られていたのだ。


「村興しになるならそれでも上々かと思ったが、結局人はあんまり集まんなかったな」

「なかなか思い通りにいかないものですね……」


 カムイは無難に同意を示して会話を閉じる。持ち上げたまま仕事をさせていなかった箸で食事を再開した。


 数十秒か数分か、しばらくは三人分の食事をする音だけがテーブルに響いた。

 このまま食事を終えて別行動に移りたいと切に願っていたところで、トジャクがふと思い立ったように疑問を口にした。


「あ、もしかしてお二人さん、御築家の呪いについて何か聞いたか?」


 口の中に収まる途中だったうどんを、思わず途切れるまで全部すすった。向かいではルナが、片手で口元を隠し、もう片方の手で包み紙をぐしゃりと潰していた。頬が大きく膨らみ、もぐもぐと懸命に顎を動かしているのが見える。

 即答できないのは、咀嚼している最中だから。

 そういうことにして、この時間を活用し、回答を用意しなければならなかった。


 この間わずか数秒ではあったが、整えたらしいルナがコップからお茶を飲み、ナプキンで口元を拭いてからトジャクに視線を向けた。


「実は、そうなんですよ。でも今日聞いたばかりの私たちがすぐに理解できるほど簡単なものじゃないみたいで……ごめんなさい」

「謝る必要なんかどこにもないさ! でも、やっぱりそうだったか。なんだか今朝よりも遠慮されてる気がしたんだよ」


 疑問がなくなってすっきりした、というようにトジャクは笑った。


「いや俺もさ、呪いだって言われてかなりいじめられたわけよ。辟易へきえきした、けど、変なことが起きちまったのは事実だった」


 自分のせいで村を混乱させた、と思っているような口ぶりだった。


「だけど人を呼び込もうって時には、それじゃあ聞こえが悪いだろ? だから魔法だって思うことにして前向きに使ってんの。今じゃ手品師みたいに人を楽しませられる良い魔法だよ」


 トジャクは両手を広げる。それは自分の手の中に脅威はないと示しているようにも見えた。


 心災中枢ペインアイだった彼がそんな風に気に病んでいるこの状況は、心災防衛サイカシステムの力不足としか言いようがない。

 頭のいい大人たちがその知能を突き合わせてルールを作り、実践しているはずなのだ。被災者であるだけの彼らが、災害の後始末(・・・・・・)に囚われ続けることのないように。


「見てみたいです」


 ルナがここまで無難に舵取りをしてきたこの会話に、カムイは一石を投じた。 


「トジャクさんのことを聞かれたとき、僕達からも、すてきな魔法だと言えるように」


 ルナが驚いた目をこちらに向けていたが、尋ねられたトジャクもまた、意外なものに出くわしたような顔をしていた。

 カムイの中で、寂しい推測が立つ。きっと彼は、嫌悪や恐怖に対抗するときや興味本位の冷やかしに対してしか、その魔法を見せる機会がなかったのだと。


「トジャクさんの魔法で、一番すごいやつ。僕達に見せてもらえませんか?」


 真剣そのもので聞いたカムイを前に、トジャクは堪えきれなかったというような大笑いを披露した。


「いいぞ! 大歓迎だ。二人を一番驚かすなら、そうだな……少し場所を移動しようか!」


 完食した皿をそれぞれ店に返却し、その足でバスターミナルへ向かった。バスに揺られる中で「久々にバスに乗った」というトジャクの不可解な呟きを聞いた気がした。




 トジャクに連れられて二人が辿り着いたのは、御築家近くの河原だった。流れが速く、水音も大きいが、水が澄んでいるためか川底が揺らめいているのが見えた。


 他に人がいる気配はなく、声も通りにくい。子供っぽいとは思いながらも、一番すごい魔法、と注文したのは正解だった。

 本人の意思による第六感シックスセンスの無断公開がどこまで不問とされるかは定量的に決められない。出来る限り目撃者を少なく抑えるのは心災防衛サイカシステムとして当然の仕事だった。


 御築家の東に流れる小川が森と家とを隔てており、その家側の岸には人ほどの大きさの岩がごろごろとしている。上流ということもあって比較的角張ったものばかり。それらの隙間には森の方から流れ着いたのだろう種子から芽生えた若木が狭苦しそうに生えていたり、半ば腐った流木が挟まったりしていた。


 カムイとルナは案内されるまま、足元を見つつゆっくりと進むトジャクの後をついて歩いた。


「お、これでいいかな」


 立ち止まったかと思えば、よいしょ、と身を屈めて手のひらに収まる大きさの石を一つ拾い上げた。


「まず二人には、この石の形を覚えてもらいたい」


 そう言ってトジャクは拾ったものをこちらに見せた。絵の具を流したような波打つ模様が特徴的な、全体的に角張った石だ。


「たぶん……覚えました。それをどうするんですか?」


 カムイが訊くと、見せるために最小限の指で持っていたのを持ち替えて、小川のほうに向き直った。


「これを……ほっ!」


 トジャクは掛け声とともに腕を振りかぶった。野球ボールのごとく放られた石は勢いよく対岸へ飛んでいく。軽々と小川を超えて、茂みの中にがさりと入り込んだ。


「えっ、折角覚えたのに!」


 残念そうな反応を見せたルナに、トジャクは小さく笑って答えた。


「そうさ、わざわざ覚えてもらったんだ。ところでこの石に見覚えはないか?」


 トジャクは一際大きな岩の後ろに手を伸ばし、今さっき見たものとそっくりな石を取り出した。

 彼の言う通りこれが『魔法』だとするなら、遠くへ投げたはずの石をまた取り出した、と言うべきなのだろうが。


 しかし、カムイとルナはともに沈黙した。視線はもれなく、先程の石が飛び込んだはずの茂みだ。

 これまた狙い通りとでも言うようにトジャクがからりと笑った。


「お? なんだ、不満そうだな?」

「だって……川の向こうだと、確かめに行けないじゃないですか」


 まともにマジックショーとしてこれを鑑賞しているらしいルナが、対岸を指さしながら答えた。


 カムイの沈黙はそれとは別物だった。思考を捕らえていたのは、この現象を可能にする第六感シックスセンスギミックである。空間操作系らしいことまでは分かるが、それをトジャクがどう捉えているのかは不明だった。

 何の制限もなく空間移動ができるのなら、世界中のありとあらゆる物が自由自在に動かせるとんでもない能力ということになってしまう。そんな桁外れなことは初期暴走でも難しいだろう。


「お嬢ちゃんの言うことももっともだ。じゃあ次はスペアの仕込みができない、お嬢ちゃんたち自身でやってみせようか」


 トジャクは掴んでいた石を無造作に足元に放り、カムイとルナの立つ目の前まで歩み寄った。


「ちと、背中合わせに立ってもらえるかい? 顔は正面を向けておいてくれ」


 おとなしく従うと、トジャクは満足そうに頷いた。


「それじゃあ、今それぞれに見えているものを簡単に言葉にしておこうか」

「私からはトジャクさん達の家が見える」

「川と森……だな」


 カムイの目の前にあるのは、白波を立てる川の流れと樹冠に遮られた暗い森だ。


「んじゃ、目を瞑ってくれ。俺が二人の肩を叩いて、三、二、一、で」


 自分の体を、浮いたような感覚が包んだ。


「目を開けていいぞ」


 視界に映ったのは、御築家の敷地。駆け抜けた嫌な予感に自分の体を見下ろすが、そこにあるのは見慣れた自分の服と靴だった。


「どうだ? 見ていた景色が(・・・・・・・)聞いていた景色(・・・・・・・)になった(・・・・)かい? というわけで、これが俺の『手品師の種』でございました、と。えー……と、これは驚いてもらえたのか?」


 黙ったままのカムイ達を伺うように、進行役然としていた態度を崩してトジャクが尋ねた。


「驚いてますよ。驚き過ぎて、すぐ言葉が出なかっただけです」


 トジャクの心配を軽くしようと、カムイは弁解をした。これには安心したような微笑みが返ってくる。


 横に立つルナは川と御築家を見比べて、一瞬にして変わった景色の謎を考えているようだった。

 だが答えはもう出ている。カムイには、これが第六感シックスセンスによるものだと言える自信があった。

 カムイの第六感シックスセンスで目印を付けた様々な位置の石は一つとして動いていなかった。カムイの足の下にあった石は、入れ替わった後、確かにルナに踏まれていた。これで、大掛かりな舞台装置が回転した、という『手品師の種』はほとんど否定できるのだ。

 能力の実態は物体同士の入れ替え。条件や制限は不明でも、肝はそれでほぼ間違いない。


「ところでこの魔法、ショウブさんはご存知なんですか?」

「……多分な」


 曖昧な返事となるのは、二人の間で落ち着いた話をする時間が設けられていないからだろう。カムイ達が遭遇した、御築家到着直後のやり取りからも察せられる。


「では……ショウブさんもまた『魔法』が使えることは、ご存知でしたか?」


 そっと会話に滑り込ませるように伝えた。

 予感していた通り、トジャクは目を見開いて驚いた顔をした。口が開いても、その先がすぐには出てこない。

 辛抱強く待ち続けると、諦めたように言葉を零し始めた。


「……最近、気付いたよ。兄弟なのに何十年も気付かなかった。あいつの呪いは、子供のうちに解けたとばかり思っていた」

「気付いたきっかけを聞いてもいいですか」

「俺が書きつけていた相続会議の議事録だ。その中で、そっくりな内容が何度も繰り返されていた。最初は俺のミスかと思っていたが……流石に気付いたさ、そんなんじゃないって」


 あの相続会議の会場丸ごと時間がさかのぼっていたのではないかという推測を改める必要が出てきた。文字として記録されたものは、ショウブの第六感シックスセンスが行使された後も残っているからだ。

 兄が時間、弟が空間を操る能力。もしもそうだとしたらその関連性には目を見張るが、証拠が残っている(・・・・・・・・)という証拠(・・・・・)が時間の逆行を否定する。

 この条件で時間が戻ったように見せるとなると、考えられる候補は絞られる。御築ショウブの第六感シックスセンスの全貌が見え始めていた。


「君達は歴史資料館で御築の呪いについて調べていたね」

「はい」


 事実だ。カムイは淀みなく肯定した。


「俺の『手品師の種』にも興味を持ってくれた」


 トジャクは一度大きく息を吸い、緩やかに吐き出した。


「そして、兄さんの呪いも知っていた」


 それはもう、ただの確認だった。カムイは静かにトジャクの言葉の続きを待った。


「君達がここに来た……本当の理由を、教えてはくれないか」


 それはカムイ達の真意を見極めようとする目だった。今、彼の目に映っているのは甥の友人ではなく、得体の知れない来訪者だ。


「勿論です。まずは……見ていただくのが早いでしょうか」


 そう言ってカムイは川に向かっておもむろに走り出した。水面に出ている最後の石を蹴り、足場のない波の中へ踏み出す。

 しかし上がるはずの水飛沫は無い。橋をかけるように岸を繋ぐ水の板(・・・)に難なく着地して見せた。

 流されないうちに対岸へ渡り、森と河原の境目に来たところで振り返った。手作りの橋はもう川に同化し流れて行ってしまっている。

 足元の雑草と落ち葉を靴で避け、隠れていたドングリを拾った。


「ルナ! これ使え!」

 

 下投げで高く急な放物線を描くようにして、その実を対岸へ投げた。

 ルナは目を細めて小さすぎるターゲットを追い、覚束ない足取りで落下地点に入った。そして、ほとんど両手を打って鳴らすような格好で無事にキャッチする。


「シラカシ?」


 木の名前だろう、手の中のドングリを一拍見つめた後、「どういうこと?」と首を傾げて疑問を寄越した。


「お前、昨日も今日もまだ使ってないだろ。腕慣らしに一発実らせてみろよ」


 第六感シックスセンスの使用を示唆すると、ルナは「わかった」と言って意気込んだ様子でトジャクに向き直った。


「じゃあ、お見せしますね。私の『魔法』」


 前口上のように述べて、石ばかりの足場から砂の多い場所へと移動する。ドングリを地面に置き、すっと軽く息を吸った。


「『オー──……」


 ぎりぎり、最初だけ。

 口を滑らせたように言ってから、ごほん、と咳払いをして誤魔化していた。


「実らせて」


 そう唱えると、膝にも届かない高さの若木が育つ。

 更にルナが手を触れると、若木の低い背丈のまま二種の花を付ける。地味で目立たない雌花と垂れ下がる長い雄花の花序かじょ。見る間に自家受粉しドングリが鈴生りになる。指よりも細い幹が実の重さにこうべを垂らした。

 熟した実はじゃらじゃらとルナの手に収まって、若木は枯れて証拠を消す。


 カムイは往路と同じように川に橋を架け、トジャクとルナの立つ岸に再び降り立った。

 二つの『魔法』を立て続けに見せられたトジャクは、案の定、すぐには現状を整理できない様子だった。


「突然のことで混乱させてすみません。説明はきちんといたします」


 理由はどうあれ、嘘をついて家に上がり込み、気を遣わせていたのは事実。その非礼を詫びることも含めて、カムイは頭を下げた。隣でもルナが同じようにしたようで、衣擦れの音が聞こえた。


「だけどそのために、トジャクさんの力を少し、貸していただけませんか」


 心災防衛サイカシステムの話をするのならまとめてしてしまったほうがいい。だがショウブにも話を聞いてもらうためには、トジャクの助けが必要だった。

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