1:ありきたりな思考実験のその先
2000年僕、宝永 まなとは異世界というのには飾りすぎている無人世界に転移させられた。
その経緯に至るまでは
遡ること去年の年末の出来事であった。
8:45
宝永一家は夕食を食べ終えて母、父、姉、妹と自分を合わせ5人で今はこたつでぬくぬくと温まっている。
母はテレビをつけバラエティ番組を見て、父はお酒を飲みながらつけたテレビを見て、大学生3年生の姉と高校1年生の妹は言わずもがな年相応にスマホを扱っている。
自分はスマホは必要最低限にしかスマホは使わない主義であったのでやることがなくたまたま新聞の番組表を見た。
「えぇーとこれから何の番組がやるかなー
おっ無人島サバイバル9時からやるじゃん」
「「「「!?」」」」
「おおーもうそんな時期かでかしたぞまなと毎年家族で見ている記録がなくなるところだったわい」と父は言って喜々していた。
(おいおいそんな記録聞いたこともねーぞ誰にぬかされるんだか親父もう出来上がってるな)
「はいはいお父さんもうお酒終わり飲み過ぎ厳禁ですよ」と母が父からお酒をとり諌めていた。
その時藪から棒に姉がスマホをやめて
「無人島って言えば、企業とかの面接で無人島に一つだけ持っていくならなににする?とか聞かれるとかなんとか就活ぬ指導の時言ってたなー」
それに続き妹もスマホをやめ
「無人島?一つだけ持っていく以前に電波飛んでないだけで生きていけないかも」とさすがJKと言うべき考えだ。
「そそんなことないぞ我が妹よこの兄を持っていけば電波だの波動だのキャッチしてあげるぞ」
「うん、あんちゃん大好き」(棒読み)
((「相変わらずシスコンだなー」))
「なにを言う我が姉僕はシスコンという小さい枠には囚われないなんにせよファミリーコンプレックスだからそこんところよろしく」
「はいはいまなとの茶番は置いといて無人島サバイバルみましょー」
「まなとーチャンネル早く変えてくれ」
と家族団らんを終えチャンネルを変えようとリモコンボタンを押したらーーーー
見知らぬ部屋に視界が変わり正面には見知らぬ女性が社長的イスに座っていた。
「貴方は無人島に持っていくなら自分だと言いましたわね。」
「えっえーとWHY?日本語わかりませっん」
「言いましたわよね。」
「あっははいっ」
(ニュアンスというかなんというか多少ズレがあるような)
「素直でよろしいことよ。」
「まず単刀直入に言います貴方には無人世界に行ってもらいます。」
「・・・無人と、世界!?」
「はい貴方には地球とはざっと10億光年離れた惑星emptyの生命第1号になってもらいますわ。」
「ほーこりゃー夢だな疲れたんだようんうん」
「いいえ、げんじつですわ。
痛覚、ありますわよ。」
いろいろと試した結果夢からさめることにならず混乱しているまなとを見て女性は
「申し遅れました。私大魔王ですわ。
かのえーとナストラナムスだっけまぁいいや
少し遅れて降臨しましたわ。」
「一応いうが予言者ノストラダムスな7月に大魔王うー!?ってま、まじでおいもす?」
「語尾語尾薩摩弁になってますよ。」
「これは失敬取り乱した」
「で本題に入りますわ
貴方に無人世界に行ってもらいます生命第1号
としてこれだけではあまりにも理不尽なので 1つだけ何か持っていってよろしくてよ。
さぁ選びなさいなんでも叶えさせてあげましょう。」
(うーんこの手のはもう諦めた方がいいかもな前向きに考えてなにを持っていくかーなんでもだよななんでー・・・!?)
「じゃあさーお前にそうゆう権限あるならさ
神や魔王だか知らんがこの全空間の中にいる存在で一番の権限を持っていこう」
「はひっっ!!?そそんなんあかんよー」
「あれれーおかしいぞーなんでもと言ったよね大魔王ちゃん?」
某少年探偵も驚きのとぼけっぷり。
なんやかんや小一時間口論になった挙句...
「わかったわよもうやってやるわよ大魔王なんて・・・やめてやるわよーー
さっさと世界の果てまでとんできーや」
「設定ガバガバす...」
言い返そうとするやいなや真っ黒な闇がまなとを包み込み意識がとんでいった。
最後に見た大魔王はなにか儚げな表情にみえたような気がする...