外伝 01 忙しい方のための第0章
※注意書き※
このお話は
「異世界転生モノって聞いて来たのに、転生してないじゃないか!
前準備の話とかどうでもいいから、サクッと読ませろ!」
といったご意見を頂いた時のことを考え、ご用意させていただきました。
ですので、既に第0章をお読み頂いている方々にとっては、重複する内容が多々含まれますこと、ご了承下さい(勿論、読んで頂けますと狂喜乱舞します)。
加世堂経明(以下、加)「あれ、ここは何処だ? 俺こと加世堂経明は、義姉に廃ビルから突き落とされて死んだはずなのに」
ナユタ(以下、ナ)「ここは死ぬはずじゃないのに死んだ人が来るところじゃよ」
加「え、なにこの可愛い銀髪ロリ美少女」
ナ「我はナユタ、神見習いじゃ。お主は本来あそこで死ぬはずじゃなかったのじゃよ」
加「マジで? 不可抗力で死んじゃったのかー。 連コインかコンティニュー出来ない?」
ナ「コンティニューは出来んが、人生をやり直せるぞ。さっきと同じ現世か、剣と魔法の異世界か選ぶが良い。我は後者を勧めるぞ、今なら金持ちの家に生まれさせてやろう」
加「怪しい……何か隠してるだろ? 怒らないから言ってみ?」
ナ「すまぬ……異世界に転生させると、我の成績になるのじゃ。 昇格のために必要だったのじゃ……」
加「そうだったのか、なら仕方ない。異世界で良いよ。家族に殺された世界より、異世界の方が面白そうだし」
ナ「ありがとー! お礼になんでも願いを言って良いぞよ!」
加「お前が欲しい」
ナ「えっ」
加「お前が欲しい、来世で一緒に暮らそう」
ナ「と、突然言われても困るのじゃ。友達とかに噂されると恥ずかしいのじゃ……」
加「なんてな! じょうd」
ナ「ついていくことはできんが、せめて我の想いだけでも連れて行って欲しいのじゃ。あと、異世界は危ないから、好きなスキルを取ると良いぞ」
加「じゃあ(中略)スキルでお願い」
ナ「では、それで良いな? そっちのドアから転生出来るぞよ。来世では達者でな」
加「おう、ありがとな。そっちも頑張れよ」
加「……おかしい。全然転生出来ないんだが」
女神様(以下、神)「ちょっと貴方に用事があって、ループ設定にしてるのよ」
加「えぇ…というか、どちら様?」
神「神です。貴方は神の前に立っているのですよ」
加「ひぃ。どうか命だけはお助けを」
神「そんなことしません! うちの部下と仲良くなってくれたお礼と、家族に殺されたせいで人間嫌い予備軍になった貴方に、お詫びがしたくて」
加「そうですか、ありがたいです。何を貰えるんですか?」
神「前世での嫌だったことを忘れられるくらいの、愛を得る権利を与えましょう」
加「へへぇ。ありがとうごぜぇます」
神「じゃあ、来世を楽しんで下さいね」