ただ、君に・・・
ある日、家に帰るとハガキが入っていた。
ハガキには、「同窓会のお知らせ」とかいてあった。
どうも、小学生5,6年生時代の同級生から、送られてきたようだ。
日時を確認してみると。
「連休か・・・」
実家にどうせ帰省するのだし、参加に丸印をつけて、ポストに投函した。
ていうか・・・どうやって住所しらべたんだよ・・・
そういやあ・・・先日、母から電話があり、住所聞かれただかと言っていたような気もする。
まあ、どうでもいいや、と思いつつ・・・同級生を思い浮かべてみる・・・
何人かの、顔と名前が思い出して・・・
そして・・・僕の初恋の彼女の顔を思い浮かべた。
そう・・・
彼女と会ったのは・・・
小学5年生になって、すぐだった。
私の母校は、2年ごとにクラス変えがあり。
1,2年。3,4年。5,6年ごとに、クラス変えをするのだ。
当時1クラス約40人、1学年4クラスあった。
そして、5年生になり、クラス変えで初めて彼女と同じクラスになった。
最初、彼女を見た時。
よく笑う娘だな~と思った事を覚えている。
自己紹介をすませ・・・
5,6人の斑分けがおこなわれた。
出席順にどういう区切りだかわすれたが・・・
僕と彼女は、同じ斑になった。
彼女は、人望があるらしく。班員の推薦で班長をしていた。
その頃、僕はまだ、彼女の事を特になんとも思ってはいなかった。
2ヶ月間、斑でしたのは、掃除ぐらいだろうか・・・
あっという間に、また、斑変えになった。
今度の斑変えは、出席順とかではなく。
先に自薦、他薦で班長を決めて。
班長が、順番で班員を一人ずつ指名していき、かぶった時はジャンケンの勝ち負けで獲得するって、方法だった。
ちょ・・・かなり斬新だな・・と思ったのを覚えている。
班長に選ばれたのは・・・
前回、班長した人ばっかで・・・本人達も特に嫌だとかなく、すんなり決まった。
当然、彼女も班長に選ばれていた。
指名の順番は、彼女が一番最初だった。
みんなが、「誰を指名するんだ・・・」とドキドキしていると・・・
いきなり・・・僕の名前を呼ばれた。
えっ・・・なんで僕を?
と思ってる間に、他の班長さん達も、おれも~わたしも~と手を上げていた・・・
ええ~~なんで?そんなに僕、人気あるんだろ??
指名された本人が、一番驚いていた。
そして・・・ジャンケンがおこなわれ・・・
僕は、彼女の斑員1号になることになった。
「やった~~また、よろしくね。」
と僕に笑顔で言った。
その笑顔を見た瞬間!電気が走ったような衝撃に襲われたきがした。
「・・・・・・・・・・よろしく」
半分放心状態で返事をした。
この時は、まだ、よくわかってなかったが・・・この時から、彼女の事が好きだったんだと思う。
どうして、僕の競争率が高かったのか聞いてみた。
掃除でも、なんでも、競争にしてみんなをバリバリ引っ張っていくからだと言われた。
たしかに、あの頃は、体動かすのが好きだったし。
もとから、4兄弟の末っ子だった事もあり。
いろいろ~他人の役にたつのが好きだったからだと思う。
そんなこんなで・・・・
彼女とは、かなり同じ斑だった機会が多かったと思う。
そして、僕は、ただ・・・彼女の笑顔を見ているだけで、幸せだった。
彼女には、二人の幼馴染の男子がいて・・・
二人も彼女が好きらしく・・・
よく、取り合いのケンカしていた・・・
それに、まじる勇気がなく・・・
彼女との、そんな楽しい時間も、あっという間にすぎさり・・・・
半年たち・・・1年たち・・・・
卒業まで、あと半年きった頃・・・
僕はきずいてしまった・・・・
今の小学校にいる人の95%がA中学校エリアに住んでいて。
僕を含む端っこに住んでいる、数人だけが、B中学校のエリアである事に・・・
当然、彼女はA中学校エリアだ。
僕は、あの笑顔がみれるのが、もうあまりない事に、愕然とした。
それから、いろいろ思い悩み・・・・
ある日・・・・
1通の手紙を書いた。
僕から、彼女に送る手紙。いわゆる、ラブレターだ。
毎日、毎日、どうやって渡そう・・・
いつ渡そう・・・と悩んでいた。
そして、卒業まで1ヶ月きり・・・
1週間きり・・・
明日になり・・・
当日になり・・・
そして・・・
卒業した・・・・・・・・・・
とうとう・・・
最後まで勇気がだせず・・・
渡すことができなかった。
そんな事から・・・早・・・十数年・・・・
「はは・・・・・みんな、どんなに変わっただろう・・・楽しみだな」
と僕は、つぶやいた。
同窓会当日。
同窓会会場の飲み屋に時間前に到着した。
彼女が来るかは、聞いていない。
「来てるといいな」
と店のドアを開けた。
早めに来たはずなのに、どうも、僕が一番最後だったらしい。
クラスは、37人いたはずだが・・・そこには、15人ほどしか、いなかった。
連休であった事や、地方で就職してる人も多く、参加できない人がおおかったそうだ。
それでも~参加したメンツも、なんだか~面影があり~~
大体誰だカわかったのが、不思議だ。
みんな、職業もバラバラで結婚してたり~いろいろ話を聞けてたのしかった。
酔ったあたりで、誰かが、誰の事が好きだった~とか、始まり。
どうも、バレバレだったようで、僕もからかわれたが・・・
参加していた女の子から・・・
「いいずらいんだけど・・・・彼女・・・・2,3年前に交通事故で・・・・」
「「「ええ?・・・・・」」」」
「「「・・・・・・・・・」」」
彼女は、赤信号で突っ込んできた車にはねられ・・・即死だったらしい・・・・
さすがに、十数年もたっていたので、ショックではあったけど、涙まではでなかった。
2次会でカラオケもいき~~お開きになって。
実家に夜中に帰ってきた。
ベットによこになり・・・
ふと・・・・
彼女に送るはずであったラブレターの存在を思い出した。
僕が小学生時代に使ってた机は、いまだに客間(元僕の部屋)にあった。
その机の一番上引き出しの一番奥に・・・他界した、おばあちゃんからもらった手紙がある。
もしかしたら・・・その中にまだあるかも・・・と・・・探してみると・・・・
「あっ・・・・・」
1枚の手紙がでてきた・・・・
そう、僕が彼女にあてたラブレターだ。
なんとなく・・・そっと・・・開いてみた・・・・
そこには、小学生のこ汚い字で・・・
「ずっと好きでした。これからも、会ってくれませんか?」
たったこれだけ・・・・
つきあってくれとも、書いてなく・・・
小学生の頃の僕の精一杯の気持ちだったんでしょうね・・・・
そのとき、彼女の笑顔が、脳裏に思い出され・・・・
あの時・・・勇気を出して・・・
手紙をわたせていれば・・・
運命は変わったのかもしれない・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「べつに・・・・結婚したかったとかいわない・・・・
あれから、もう、2度と出会う事がなくても・・・・・・」
「ただ・・・・・・」
「2度と会えないとしても・・・・・」
「ただ・・・・・この世界にいきていてほしかった・・・・」
「ただ・・・・君に生きていてほしかった・・・・」
僕の頬に雫が流れた・・・・
~~END~~
リアルで自分にあった2つの話を足して、2で割った感じの話です。
気になる、あのひと・・・
好きな人が・・・
明日も、そこにいるとは限らない・・・
勇気を出して!と、背中を押す思いで書いてみました。
ほんの少しでも、勇気をあたえれれば、本望です。