16-4説明しているだけの続き
「俺はネオドライブドラゴンで友人Aのシールドに攻撃! ブレイク数は3だ!」
「させない! リバースオープン! 守備陣営! マナを払い、自分モンスター一体を選択。そのモンスターでブロックする! 俺はリーダーの森の番人フォレストドラゴンを選択!」
「わかっているさ、それくらい! だが、そのモンスターのパワーは俺のモンスターより低い! 俺はシールドゾーンのカード、スピアブレイクをノーコストで発動だ! モンスターとの戦闘に勝利したら、シールドもブレイクする!」
「く、だがこれで……! 俺はシールドゾーンからサポートを使用! プラスパワー! このターンのみ、俺のモンスターにパワーを100プラスする! これで俺のブロック可能なモンスターのパワーは、お前のモンスターを上回った……。これで攻撃はできないだろ?」
「ちっ……ターン終了だ」
そう関羽は舌打ちをして苦々しい顔で答える。
守備陣営 サポート コスト1
自分のモンスター1体で相手の攻撃をブロックする。(このとき、カードが横向きのものを選択でき、縦向きのものは横向きにしない)
スピアブレイク サポート コスト4
自分モンスターが相手モンスターとの戦闘に勝利した時、相手のシールドをそのモンスターのブレイク数だけ破壊する。また相手のシールドがないときは、相手のプレイヤーにブレイクの数だけダメージを与える。
プラスパワー サポート コスト2
このターンの終わりまで、自分の場のモンスターのパワーを100プラスする。
二人の勝負は中々に白熱していた。
やっている二人もテンションが高くなっているのか、語気が強くなっていた。
見ている俺のほうも、なんだかはらはらとして手に汗握った。とはいえ、本当の勝負はここからだ。
さっきの攻撃で、互いのシールドは全て消えた。ここからはダイレクトアタックが可能になる。
「既に説明したがブレイク数とは、シールドを破壊できる数のことで、レベルが高くなると多くなっていく。そしてここからは、説明していないこと。相手のシールドをすべて表にすれば、ダイレクトでアタックできる。このときに相手に与えるダメージは、ブレイクの数に一つ足したダメージ量だ」
「つまりブレイク3で攻撃が通ると、4のダメージを受けるのか」
「そういうこと………さぁ、かかってこい!」
威勢よく叫ぶが不利なのは関羽だ。全部のシールドをブレイクされ、フィールドにいるモンスターも三体。
フィールド
ネオドライブドラゴン レベル9 属性火 パワー390 ブレイク3
【行動済み】リーダー
能力
起動【コスト4】
攻撃によってモンスターを破壊したとき、コストを払い発動できる。このカードを縦向きにし、そのターンのブレイクをプラス1する。
マグマドラゴン レベル5 属性火 パワー260 ブレイク1
【行動済み】
能力
起動【コスト2、このカードを横向きにする】
相手の表側のシールド1枚を墓地へ送る。
破壊竜プロミネンス レベル7 属性火 パワー350 ブレイク2
能力
起動【コスト3】
レベル7以下の相手モンスター1体を破壊する。
シールドゾーン 2枚
プラスブレイク サポート コスト2
自分のモンスター一体のブレイクをそのターンのみプラス1。
ダブルセット サポート コスト1
このターン二枚までカードを伏せられる。
伏せカード1枚
マナ6 ライフ25
うち二体は攻撃に使い、ブロックはできない。
シールドゾーンにあるカードにもめぼしいサポートもなく、伏せカードに関してはマナが足りてないだろう。
ダメージはダイレクトアタックが発生するまではほとんどないのがこのゲームだ。
そのため、次の攻めで相当量のダメージを受けてしまう。そして、ここからが本番であるというのも、そういうことだ。
さぁ、関羽……どうする?
「うぅ……負けた~悔しい~」
「ドンマイですよ! 絵夢先輩!」
「うぅ、ありがとう~。のぞみんは本当にいい後輩だよ~」
絵夢が励まされて嬉しそうに望の頭をなでる。望のほうもまんざらじゃなさそうにえへへっと笑っている。
……本当、これだけ見ると、ただのいい後輩は何だがなぁ……。
てか、この前の利莉花を好きとか言ったり、この反応を見る限り、ホモになったわけじゃなくて、女子に対しても普通ってことは……両刀かよ、こいつ。
ちなみに、絵夢と利莉花の戦いはもう終わっている。そりゃ、初心者に説明しながらやってれば、時間もかかるわな。
勝ったのは利莉花みたいで、絵夢のほうは少し落ち込んでいた。そしてあっちのほうでは既に伊久留と透の戦いも始まっていた。
「きゃー! 伊久留ちゃん! 頑張ってください!」
当然、利莉花はあっちのほうで伊久留の試合を観戦し、応援をしていた。俺のほうも絵夢、望が加わり、ともに観戦を続けた。
「友人Aも上級サモンをして、レベルを9にしてきたね」
「さらに、モンスターを2体出して、合計で4体ですね……」
友人のフィールド 状況
森の守護獣タイガドラス レベル9 属性自然 パワー370 ブレイク3 リーダー
能力
このカードは縦向きのモンスターにも攻撃できる。
【このカードを横向きにする】
相手モンスター1体をマナゾーンに置く。
ウッドマン レベル3 属性自然 パワー280 ブレイク1
能力なし。
森の怪鳥グラスイーグル レベル7 属性自然 パワー310 ブレイク2
能力
永続
このカードは自分の場にリーダー以外に自然属性のモンスターがいる限り、攻撃されない。
蘇りし従者 レベル2 属性自然 パワー180 ブレイク1
能力
起動【コスト1】
このカードが戦闘により破壊されて墓地へ送られているとき、コストを払いこのカードを召喚できる。その後、マナゾーンのカード一枚を墓地に置く。
シールドゾーン2枚
ダブルサポート サポート コスト1
このターン手札から二枚までサポートを発動できる。
森を徘徊する者 レベル5 属性自然 パワー260 ブレイク1
能力
起動【コスト2、このカードを墓地に置く】
コストを払い、墓地にある『森を徘徊する者』以外の自然属性のモンスター1体を召喚する。(リーダーのレベル以下限定)
伏せカードなし
マナ5 ライフ26
「いくぞ! マナを支払い、ワンモアブレイク発動だ。モンスターを破壊した時、もう一度モンスターに攻撃できる! さらに、森の守護獣タイガドラスのモンスター能力! 自身の能力で、縦向きのモンスターにアタック可能!」
「くっ」
ワンモアブレイク サポート コスト3
自分の場のモンスター1体を選択。そのモンスターはこのターン、モンスターを破壊した時、1度だけ他のモンスターに攻撃できる。
「バトルだ! タイガドラス、破壊竜プロミネンスにアタック! さらに、戦闘に勝利したことで、今度はマグマドラゴンに再攻撃!」
関羽のモンスター二体は無残にも消え去る。そしてライフには二のダメージだ。
関羽ライフ25→23
「さぁ! 他のモンスターでも攻撃だ。ウッドマン、森の怪鳥グラスイーグル! 関羽に直接攻撃!」
そして、友人は二体のモンスターで攻撃した。合計ダメージは5だ。
関羽ライフ23→18
「ふ……これで俺はターン終了だ」
友人はほくそ笑んでターンを終える。そんな友人に絵夢は不思議そうに呟いた。
「まだ攻撃できたのに……しなかったね」
「防御のために回したんだろうな。残っている蘇りし従者は、特別パワーも高くないし、ブレイクも1だからな。それに……」
「復活能力を持っているからですよね? 既に彰先輩は一度その能力を使用してますからわかります」
そう、望の言う通り。友人はあのカードの能力を使用している。
能力は自分のマナ一枚を墓地に送ることで復活する力。マナが増えなくなるのは難点であるが、使用するしないは自分の任意。
メインフェイズにいつでも行えるという手軽さ。使い勝手もよく、間違いなく強カードだ。あれをどうにかしないと、せめあぐねることになるぞ? 関羽。
「俺のターンだ」
関羽は少し不機嫌な様子で手札を五枚になるように1枚1枚引いていく。
そしてちょうど5枚目となるカードを引いたとき、その顔が変わった。これは……きたのか。
そして関羽は新たなモンスターを召喚した。
※抜けてました。相当長い間、そのままにしてあってすみません。