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第六話 これが雷魔法だ!

『これより新入生入学式を開始する!』


 新入生が全員この体育館に集まったのを確認したのか学園長が壇上に上がり、入学式を開始した。

 ここにいる人数は501名だ。

 これは学園長が前に魔法で映し出している。『501名入学おめでとう』という文字のせいだ。

 そして魔法科は301名、鍛冶科は100名、錬金術科が100名という風に振り分けられている。

 この301名の1は俺のことを指している。

 急遽、入学が決まったので特別枠が一人増えたということで処理されている。

 そして各学科の区別の仕方だがはこれは簡単だ。

 制服である。

 それぞれの学科ごとに魔法ならウィッチハットのエンブレム、鍛冶ならハンマーのエンブレム、錬金術ならビーカーのエンブレムが胸の所についているためだ。

 これにより座るところを区別しているためすぐに人数の割り振りがわかったというわけだ。


『これより諸君にはこの学園で勉強に励んでもらう!頑張ってくれたまえ!!長い話は皆嫌いだろうからこれにて私の話は終了だ!』


 おい。


『そしてこの後は新入生同士の模擬戦がある!自分の実力をわかるためのいい機会なので全員ちゃんと参加するように!!』


 それはもちろん参加するが・・・考えてもみればどうやって対戦するんだ?


『そして対戦方法だが皆には対戦相手とこの水晶にさわってもらう。この水晶に触ることにより転送魔法が発動して対戦フィールドが形成される。この中で戦ってもらう!』


 ふむふむ。

 

『そして対戦できるのは自分の学科だけだ!これは錬金術科が不利になるための処遇なので一切の苦情は受け付けない!』


 まあ、そっちの方がやりやすいからむしろありがたい。


『そして対戦は一試合を三つ同時にしてもらう!つまり各学科から6人づつ対戦していくということになる。そしてその試合状況は魔法を通してこちらから観戦させてもらうので恥の無いように戦うように!』


 ほお・・・これは好都合だな。

 全員にアレをみせることができる。

 さて?トルクとメア以外はどんな反応するか楽しみだ。


『それでは我こそはという者から対戦をしていきたいと思う!もし名指しができるならその者と戦ってもいいぞ!』


 その説明が学園長の言葉から出た瞬間、俺は手を上げヤツの名前を言った。


「バルコロ・ダマッハ」

「キヨミチ・ユウ」

「「との対戦を希望します」」


 とやつも俺と同時に手を上げ同時に互いの名前を言った。

 その言葉に学園長は驚いたような顔をした後すぐに顔を笑顔に変えた。


『いいだろう!最初はこの二人で決定だ!さあ!?次に対戦を希望する者はいるか!?』


 そこで佑の隣にいる二人を指名する声が聞こえた。

 あいつらはさっきの後ろのにくっついて歩いていたやつらか?


「アルメシア・ドラゴニアその勝負受けます」

「同じく。トルク・デメシスその勝負受けます」


 おおっと二人ともやる気満々だな。


『これで最初に戦う魔法科の6人が決定した!さあ、決まった者は前へ!』


 そう学園長に言われ佑達とバルコロ達が学園長の前に立つ。

 佑達に触発されたのか他の学科の人も決まったようだ。


『さあ!この水晶に二人ずつ触れたまえ!』


 佑とバルコロは同時にその水晶に触れ別の空間にとばされた。






「ここが対戦フィールド・・・?」


 周りを見渡すとコロシアムみたいな空間に立っていた。


「よお?どこ見てんだ?」


 後ろから声が聞こえた瞬間、体に強い衝撃がきた。


「ガハッ!?」

「ここにきた段階でもう戦いは始まってんだぜ?」


 チッ・・・油断した。

 膜を作っとかなかったら今のはアバラをもってかれてたな。

 そう思いながら佑はゆっくりと立ち上がり攻撃してきたヤツを見た。


「ほお・・・今のくらって立てるとはなあ?」

「馬鹿が威力が足りてねえんだよ」


 嘘である。

 はっきり言って結構危なかった。


「・・・てめえの属性はなんだ?」

「人に尋ねるときはまず自分からって親にならわなかったのか?」

「いちいち癪に障る野郎だろうなテメエ」


 いやあ、頭の悪いやつからかうのは楽しいですよハイ。

 ま、とりあえず宣伝的な意味でも俺の魔法教えますかね?


「しょうがないから先に教えてやるよ。俺の魔法は雷だ」

「は?・・・ははははははは!!テメエもあの落ちこぼれと一緒かよ!」

「・・・いつまでその軽口が叩けるかな?」

「雷魔法に何ができるってんだよ!馬鹿はテメエだろうが!」


 そう言ってくるヤツに構わず魔力を練り上げる。

 ・・・雷魔法は最弱だ。

 それは魔力で発生させてる雷が固定されてないからだ。

 今まで雷魔法を使ってきたやつらは放出だけをしていて収束をしようとしていなかった。

 だから魔力を流す量を増やしても威力が上がらなかった。

 何故なら常に体全体から雷を放出してることに気がついていないからだ。

 魔力というのは面白いもので地肌ではなく身に着けてる服や靴の周りでも発生する。

 つまり雷は体全体から放出されているのと同時に地面に大量に流れているということだ。

 これにより威力は一定になり、手で触れないと痺れさせることができなくなった要因の一つだ。

 そしてもう一つ原因がある。

 それはイメージだ。

 この世界の魔法はイメージが大事だと言う。

 確かに雨が降ったとき雷が鳴る。

 だがそれをこの世界の住人は雷と認識していなかったのだ。

 この世界の雷は神が落とした神話魔法だと人々は思っている。

 それにより雷というものをイメージできなくなり、体から雷を飛ばすというイメージが湧かなかった。

 そしてこの二つを解決するには意識することが大事だ。

 メアを見ているとそれがよくわかる。

 昨日、魔法の練習ということで、少し魔法をみせてもらった。

 だが、結果は失敗。

 メアは何かを放とうとしてるのだがそれがイメージできないせいで放てないという状況が出来上がっていた。

 聞いたところ前にファイヤボールを飛ばすのを見たのでそれをまねてみようとしたらしい。

 だがそれは無理だ。

 火と雷では性質が違いすぎる。

 それに雷を玉の形にするには収束と固定を同時にやる必要性があったからだ。

 ・・・まあ、それを教えてたら一発でできてたからメアも俺もびっくりした。

 とまあ雷魔法が何故使えないかの欠点をあげたわけだが・・・

 

「(これはどっちも俺は知ってるからなあ)」


 アニメとかを見ていれば雷がどんな風に使われるかとかもわかるし。

 固定の仕方や収束もイメージできる。

 つまり・・・


「俺が負ける要素は一切無い」

「はあ?何を言ってんだおま・・・」

「じゃあ!見るがいい!!これが雷魔法だ!!!」


 さあお披露目だ!

 雷魔法を馬鹿にしていたやつらみるがいい!!

 これが雷魔法だ!!!!


 


「我!いかずちを纏う!!」




雷竜らいりゅう!!!!!』


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