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第三話 母は強し!(力関係的に)

「昨日はすみませんでしたあああああああああ!!」


『ドシャアアアアア!』


 昨日の夜、久々にエンションが上がりすぎて性格が少し豹変してしまったことについて、スライディング土下座をしながら起きた直後に謝る佑なのであった。


「別に大丈夫だよ?ちょっとびっくりしたけど」

「本当ににすいませんでしたあああああ!!!」


 いや、本当にごめんなさい!

 昔から弱いとか最弱とか言われるのを覆したくなる性分なんです!


 佑のこの性格には幼い頃にあったあるカードゲームが影響していた。

 そのカードゲームは攻撃力が高ければ高いほど強く倒しづらいというものであった。

 佑はそのカードゲームで遊んでいたのだが・・・ある日、自分の持っているカードを弱っちいカード使ってんなと言われながら笑われたことがあったのだ。

 そこでこの性格が発生してしまった。

 弱っちいカードでその馬鹿にしていた相手をボコボコにしようと考え始めたのだ。

 そしてそれは実際に叶った。

 その結果弱くても強いものに勝てるという意識が佑の中にできて、上から見下すやつをどんなことをしてでも覆すことが当たり前になった。

 これにより最弱は最強にになり、弱いは強いというものが佑の中で芽生えたのだった。



「いや、本当に気にしてないから・・・ね?」

「ううう・・・昔から弱いとか最弱とか言われているとそれを覆したくなるんです・・・」

「あはははは!面白いねユウは!」


 ああ!穴があったら入りたい!!

 と一人で悶絶している佑なのであった。


「おーい、朝飯できた・・・ぞ・・・・・・・」


 そこでちょうどよくコールマンが部屋に入ってきた。

 ・・・?何故そんなに驚いているんだろうか?

 現在の状況を確認してみよ。


 ベットの上に足を組みながら座っているトルクに対して俺は床で土下座中・・・・・・ふむ。


「ト、トルクよ。いきなり女王様はやばいと思うぞ?」

「な!!?」


 コールマンの言葉にトルクは現在の状況がどんな風に見えてるのかを理解し顔を真っ赤にした。


「ち、違うからね!?これはちょっとすれ違いというか誤りというか・・・!」

「そうか・・・磨り減るほどユウの心を謝らさせたのか・・・・・・」

「違うから!?そんなことしてないから!?」


 ふむ・・・朝から親子漫才を見れるとは面白い。


「ね、ねえユウ!ユウからも言ってあげてよ!」


 まあ、ここで下手に煽って昨日の般若トルクを見たくないし普通に返答しますか。

 以外にも一日でトルクの般若モードに誰も逆らえないことを察した佑なのであった。


「いやな?ちょっと昨日魔法診断してもらったんだが・・・雷属性らしくってさ。最弱と言われたからテンションあがちゃってごめんなさいと謝ってた訳だ」

「そ、そうか。てっきりトルクがもうそっちに手を出し始めたのかと・・・」


『ゾクリ』


 この悪寒は・・・!


「・・・お父さん?もうってどいういう意味かな?」

「え?あ・・・(サァーーー)」


 おうさっきまで顔が赤かったのに今ではもう真っ青。

 さすが般若トルク。


「ちょっとお話しようか?お父さん?あ、ユウは下でご飯先に食べてていいよ」

「あ、ああ。わかった」

「・・・・・・(ブンブン!!)」


 こっちをコールマン先生が見ながら行かないでくれ!と頭を思いっきり振っているが・・・すまん。

 俺は無力だ。

 そっと部屋を出て扉を閉めると同時に部屋の中から声にならない悲鳴が聞こえきた。

 南無・・・


「さてと飯だ。飯」


 そう言いながら俺は二階から階段を下りて下に向かうのだった。


「あら?あなたがユウ君?」


 一階に来た瞬間女性の声が響いた。


「あ、はい。俺が佑ですけど・・・」

「あら~やっぱりねえ~」


 ・・・口調がすごくのんびりですね。ハイ。

 よく見ると手元で何か作っているように見える。


「朝ご飯食べる~?」

「あ、はいいただきます」

「そういえばトルク達はどうしたのかしらあ~?」


 う・・・なんとも返答しづらい質問を・・・


「ああ、またケンカしてるのねえ~?」

「・・・そんなにわかりやすいですか?俺・・・」

「いえ~?ただ~ここで遅くなる理由なんて~それしかないから~」


 ・・・やばいすごく納得してしまった自分がいる。


「はい。今日の朝ご飯はチキチキの香草炒めよお~」

「あ。どうもです」


 受け取った瞬間、皿のから食欲をそそるような香りが鼻を貫いた。

 炒めと言っているだけ、やはり色々と入っている。

 この世界の食材はわからないがほうれん草にもやし、鶏肉って所だろう。


「はい。これはパンねえ~」


 ・・・これは黒パンか?

 物凄く硬いと聞いたことがあるが・・・まあ、食べていればわかるだろう。


「いただきます」

「は~い。召し上がれ~」


 パクッと口に含んだ途端香草の香りが口に広がる。

 野菜も甘みが強く口の中で蕩けるような味だ。

 そしてこの鶏肉みたいな物だが・・・うまい。

 とにかくうまいとしか言えない。

 淡白な味もそうだがそれを引き立てている香草とうまくマッチしている。

 鳥の油も野菜が吸っているせいでくどくなく、さっぱりとしていておいしい。

 そしてパンだがこれも意外にもおいしかった。

 ちょっと硬かったが・・・


「ふう、ごちそうさまでした」

「は~いお粗末さま~。うふふ」

「?何かありました?」

「いえ~おいしそうに食べてくれるな~と思っていたの~」

「・・・実際、おいしかったですから」

「ありがとう~」


 うわ・・・夢中で食ってるところ見られていた・・・

 恥ずかしいな、何故か・・・


「あの二人遅いわね~」

「・・・呼んできますか?」

「う~ん・・・私が呼んでくるわあ~」


 そう言いながらコールマンの奥さん?が二階に上っていった。

 ちょっと時間が経過すると・・・


『ゾクリ』


「!?(な、なんだ!?この気配は・・・!トルクよりも底冷えするような気配を感じる!!)」


 人間、本当に恐ろしいもの感じると生存本能が危機を知らせると言われるがここまでのものは味わったことがない。

 いったい二階で何が起きてるんだ・・・?




 しばらくすると二階からコールマンとトルクが少し震えながら降りてきた。

 その後ろから現れたコールマンの奥さん?はニコニコ笑いながら降りてきた。

 ・・・普通に考えてあの二人が脅えているってことはあの人が最上位か。

 

 ちなみにだが佑の性格はこういったことでは目覚めない。

 何故なら理不尽ではないからである。

 雷魔法の用に可能性があるのに最弱と言われていることには反応するが、元々そこにある強さには反応しないのであった。


 人は見かけによらないを忠実に再現した人だな。


「あら~ユウ君どうしたの~?」

「いいえ。なんでもありません」


 もはや何も言うまい。


「あ~そういえば~私の名前知らなかったわね~」


 そう言えば聞いてなかったな・・・色々と衝撃的すぎて。


「私はアライア・デメシスよ~」

「アライアさんでいいですか?」

「いいけど~お義母さんでもいいわよ~?」

「「「ブハッ!?」」」


 さすがに不意打ちだったのかコールマン、トルク、佑は同時に噴出してしまった。


「そ、それはちょっと・・・」

「そう~?」


 さすがにこっちにきてすぐにお義母さんなんて呼べるわけがないって。


「いつでもそう呼んでいいわよ~?ユウ君の暗い所を照らせるなら~」

「-----」


 この人・・・もしかしてわかってる・・・のか・・・?


「お母さんそれってどういう・・・」

「まあ~トルクのお婿さんに来てくれもいいのだけれど~?」

「「ブハッ!?」」


 今度は佑とトルクが噴いた。

 コールマンはにやけながらこっちを向いていた。


「ちょ、ちょっとお母さん!?」

「冗談よ~?」


 いや冗談じゃないでしょ。

 一瞬目が本気の力を持ってましたよ?


「まあ~それは置いといて~」


 置いておいていいのか?と思うが下手に突っ込むと蒸し返されそうなので何も言わない。


「ユウ君は今日から六日後までどうするの~?」

「・・・一応コールマン先生からこのエターナルについて教えてもらおうかと」

「そうなの~じゃあそれはトルクがしなさい~」

「「え?」」


 この言葉にはコールマン、とトルクは疑問を一瞬抱いた。


「あなたは少しは仕事しなさい~?トルクは逆に働きすぎだから~休まないとね~?」


 なるほど。


「ちょ、ちょっと待ってくれアライア!俺仕事はしっかりとしているぞ!?」

「そうかしら~?学園が始めるまで仕事をしてる所を見たことがないのだけれど~?」

「ウグッ・・・だ、だが」

「それに比べてトルクは勉強しながらもここの仕事を手伝ってくれたわ~」

「・・・はい。働きます」


 うむ。

 妻は強しだな!


「そういうことだから~トルクは今日から六日後まで休みね~?」

「・・・わかった!ユウにはエターナルについて頑張って知ってもらう!」

「お願いね~」


 


 そんなこんなで俺はエターナルについて六日間で全てを叩き込まれたのだった。

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