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第二話 最弱の雷魔法

 あの話の後、言われたままに地図の場所まで来たが・・・


「がはははは!!今日もいいケツしてんなトルクちゃん!」

「もう!そんなこと言う人にはお酒なんて持ってきません!!」

「じょ、冗談だって。なあ、皆?」

「こっちまで巻き込むんじゃねえ!馬鹿野郎が!俺達まで酒が飲めなくなるじゃねえか!」

「おじさん達・・・?」

「「ヒィ!ごめんなさい!」」


 どう考えても酒場だろこれ・・・・・・


「おい、あんちゃん中に入んねえのか?」

「え?」


 呆然としながら酒場らしき場所の前で立っていたら中から誘うような声が聞こえてきた。


「あ、入りたいんだけど・・・これってここであってます?」

「んあ?どれどれ・・・ブフォ!?」

「うわ!?汚い!?」


 俺が地図を見せた途端おっさんが吹き出した。


「お、おい。お前これどこで手に入れた?」


 動揺しているのか手に持っていたタルでできたコップ?を下に落としていた。


「えっと、この先にある学園の人に七日後までここで生活しろって言われてきたんですが・・・」

「まじでか!?」

「え、ええ」


 なんでこんなに驚いているんだ?


「・・・こっちにこいボウズ。いや、お前名前はなんて言う?」

「俺ですか?清道佑って言います」

「キヨミチ・ユウだな。おし、じゃあお前のことはこれからユウって呼ばせてもらうぜ」

「はあ・・・」


 なんで目の前のおっさんが俺の名前を覚える必要があるんだ・・・?


「その目はなんで俺がお前の名前を覚える必要があるんだ?って目だな」


 うぐ・・・意外と鋭い。


「がはははは!まあ、一応俺は学園の試験管やってるからな。そいつの考えてることは目を見れば大体わかる」


 まじかすげえなこっちの試験管。

 向こうだったら超能力レベルだぞ。

 ・・・ん?学園の試験管?


「お?もう気づいたか?そうだ俺がyユウの試験というか勉強を教えるコールマン・デメシスだ」

「ああ。つまりその地図は一種の紹介状ってことですか」

「お、おお。てかよくわかったな?その情報だけで」

「いや、まあコールマンさんの驚きようと学園の試験管で大体予想ができました」

「普通の学園生はそこまで予想できないからな?」

「そういうもんですか?」

「ああ、学園に来てるのは成人する前のガキ共だぞ?普通はもうちょっとヒントとか出さないと気がつかないな」


 ふーん。

 まあ、こっちが日本と同じような勉強の仕方をしているとは限らないもんな。

 コールマンの言葉に佑は納得しながら頷いた。


「それでユウが住むのはここ[宿り木の窓]になる。それはいいか?」

「はい。というか住む場所が無いんで好き嫌いは言ってられませんので」


 実質無一文みたいなものだしな。


「じゃあ、次だ。失礼を承知で聞くが・・・ユウは貴族か?」

「いいえ。庶民ですよ」

「のわりには態度というか雰囲気でいいのか?なんとなく貴族に似ているんだよ」

「ああ。この口調ですか?まあ、これは生活していた場所では普通のことでしたので・・・変ですかね?」


 余り言葉を汚く言わないように注意してたら貴族の雰囲気とかに似てるとかどんだけだよ・・・


「いや、それでいい。年長者には基本的にその口調でいいだろう。中には馬鹿なやつもいるからな」


 遠い目をしながらどこかを見ていた。

 たぶんだが何かしらそのことに関することがらが起きたのだろう。

 南無南無・・・


「と。話がそれたな。そんでその地図というか紹介状を持っているってことはお前はわけありってことだ。だから俺がこの学園・・・いやここエターナルについて教える」


 わけあり・・・ね。

 まあ、確かにわけありだな。

 異世界人なんてわけあり以外に何があるという。

 とそんなことは今はどうでもいいか。

 それよりも今はここエターナルについての情報が先だ。


「はい。本日から七日間よろしくお願いします」

「おう、よろしくされたやらあ。後、俺にはそんな口調で話さなくていいぜ?むず痒いったらありゃしねえ」

「・・・了解。よろしくコールマン先生」

「がはははは!そっちの方がいいぜ!じゃあお前の部屋をとるとするか!」


 まあ、堅苦しくないのはいいことだな。うん。


「おーい!トルク!ここにいるユウをお前の部屋に連れて行ってくれ!!」

「はーい!ちょっと待っててね。お父さん!!」


 建物の中からさっきおっさん達が言っていた名前の子が返事をした。

 ・・・チョットマテ。


「チョット。コールマンサン?イマ・・・ヘヤガトカイイマセンデシタ?」

「?言ったが・・・てかその口調どうした?」

「イエナンデモナイデスヨ?」


 今さっきトルクって子にちょっかいを出していたおっさん達の言葉から察するにまさかだとは思うけど・・・女の子?


「いやいや!!?コールマン先生!?なんでトルクちゃん?でいいのかな?ってそんなことは今はどうでもいいんだよ!!いやよくないけど!!?それよりもなんだか一緒に住まわせるみたいなこと言ってたのは気のせいですかね!!?」

「お、おう・・・急にどうした?」

「いやね!?さっきの言葉から察するに完全にアウトだよね!?」

「あうと?ってなんだ?」

「それは・・・!あーもうそうじゃなくて!年頃の娘と俺なんかを一緒に住まわせていいのか!?って聞いてるんだよおおおおおおおお!?」

「ちょっと落ち着け」

「ハア・・・ハア・・・」


 いやこれが落ち着けるないでしょうが!?


「お前の言うことも尤もなんだが・・・」

「だったら・・・」

「いやな。むしろユウだったらそういう関係になってもいいと思ってる」

「どこの誰だか知らないわけありなのにか?もし俺が悪者だったらどうするんだよ」

「ガハハハハ!それは無いな!」

「なんでいいきれ「お前がトルクを一瞬でも本気で心配したからだ」・・・」


 その言葉に俺は声が出なくなった。


「本当の悪ならそこまで動揺したりもしない。それにな学園長がその地図を渡したってことは少なくとも信用できるやつってことだ」


 たったそれだけのことで・・・?


「ガハハハハ!それと目だな」

「目・・・?」

「おうよ!お前の目は真っ直ぐだ。嘘を隠せないぐらいにな!俺はいろんな奴をみてきたからわかる。目が濁っている者、黒いに何かを抱えている者とかをな」

「だけど俺は・・・」

「わかってる。お前にも黒い何かは確かにあると感じた。だがそれ以上にちゃんと真っ直ぐな力をお前の目に感じた。ただそれだけだ」


 ははは・・・こりゃ無理だ。

 いままで生きてきた中で一番この人が強いや。

 

「ありがとう。だがそれとこれとは別だ!」

「あれー今の流れだったらいい話で終わるはずだったんだが・・・?」

「若い男女を一つの部屋に住まわせるとか何考えてんの!?」

「それはもう既成事実を作ってこの店の跡を継がせるためだ!!(ドーン!」


 うわ・・・ぶっちゃけたよこの人・・・

 その時コールマンの後ろに笑顔の女性が立っていた。


『ゾクリ』


 その笑顔をみた瞬間俺は背中が冷えた。

 そうまさにあれは般若を具現化したような・・・あれだスタンドだ。

 上位の気を放つことにって完成されるスタンドを持っているとかあの子何者!?

 *注(そんなものは存在しません)


「何をやってるのかな?お父さん?」


 その声にコールマンは首をギギギ・・・と鈍い音を鳴らすように振り向いた。


「よ、よお。トルクこいつがユウだ案内を頼むぜ?」

「うん。それはいいんだ。でもその前の話は何かな?」

「はは話ててててなななんだだ?」


 動揺しすぎだってコールマン先生・・・


「既成事実がとか聞こえたような気がしたんだけど・・・?」

「そそそうか?気のせいだと思うぞ?」

「はあ・・・まあいいや。後でそれはお母さんにみっちり締めてもらうとして」

「・・・!」


 お、おお・・・すごく震えだしたけどそんなに怖いのかその人は・・・

 ちょっとだけコールマンに同情しながら佑は目の前の女性に話しかける。


「えーと・・・」

「あ!ごめんね!私の名前はトルク・デメシスよろしくね!」


 さっきとはとって変わったような眩しい笑顔だ。

 それに容姿もかわいい。

 髪は茶色のショートボブで目はくっきりした二重だ。

 胸は・・・Cぐらいか?

 うん日本だったら間違いなく告白されまくってるな。


「あ、どうも。俺は清道佑っていいます」

「キヨミチ・ユウね。よろしく!じゃあさっそく案内するからこっちに来て」


 挨拶をしたと思ったら急に手を引かれ店の中に引っ張り込まれた。


「ちょ、ちょっとまってくれ!」

「ん?」


 店に入りすでに階段を上り二階についていたがなんとかその言葉を引っ張り出せた。


「どうかしかしたの?」

「い、いや君はいいのか?俺とその・・・」

「ああ!一緒に寝ること?別にいいと思うよ?あと私のことはトルクと呼んで」

「あ、じゃあトルク・・・じゃなくていいのか!?」

「別にユウが悪い人間には見えないしね~。むしろお父さんが進めるぐらいなら大丈夫大丈夫」

「そ、そういうものなのか・・・?」

「そういうものなの」


 あっれー?

 俺がおかしいのかな?


「はいついた!ここが私の部屋よ」

「はや!?」


 いつの間に!?と思えるぐらいにつくのが早かった。


「お一人様ご案内~」


 そういいながらトルクは自分の部屋のドアを開けた。

 

「・・・・・・」

「?どうかした?」

「いや、なんでもない」


 本当はなんでもないなんて思ってない。

 だってあまりにも物が無さ過ぎる。


「あー物が無いと思ったでしょう?」

「ギクッ」

「あはは、まあそりゃそうだよ。七日後から私ベルナス学園に通うから荷物は学園の寮に運んでもらったんだもの」

「トルクもか?」

「も?ってことはユウも?」

「ああ。俺も七日後からだ」

「わー!じゃあ新入生同士だね!よろしくね!」

「よろしくかな?」

「むー何その疑問系」


 いやあ・・・まだこの世界の知識すらないもんで・・・

 

「まあいいや!ねえねえユウお話しよう!」

「話?」

「そうそう。ほらそっちのベットつかっていいから」


 そう言われなかば強引に座らされた。


「じゃあ私からね!ユウの得意魔法はなに?」

「得意魔法?」

「あれ?まだ診断してないの?」

「・・・そういえばまだしてなかった」


 あぶな!そうだよな。

 異世界だもんな魔法ぐらいあるよな。

 

「じゃあ簡単に検査してみる?」

「できるのか?」

「うん。そこにある水晶玉とって」


 水晶玉ってこれか?

 そう思いベットの下にあった水晶玉らしきものをトルカに渡す。


「それじゃあここに魔力を込めてみて」


 魔力・・・だと・・・!

 やばい・・・どうやればいいんだ?


「あ!もしかして魔力を込めたこと無い?」

「あ、ああ。ちょっと田舎の方からきたから魔力とか使うことなかったんだ」


 咄嗟の言い訳にしてはいいほうだろう。


「それじゃあやり方を教えるね!まず手を水晶玉に乗っけます」

「ふむふむ」


 俺は言われとおりに右手を水晶玉の上に置く。


「胸から右手に何かを送りつけるように想像すると・・・」


 想像・・・イメージだよな?

 胸から右手に・・・

 

『ドクン!』


 何かが脈動するのと同時に水晶玉に変化が現れる。


「えーと・・・この色の種類はと・・・」


 なにやら本を見ながらトルクが調べている。


「・・・そんな」

「どうかしたのか?」

「・・・余り気にしないで聞いてね?」

「ん?わかった」

「ユウの属性は・・・・・・雷属性」


 お?なんかよさげな属性じゃないか。


「そしてこの雷属性なんだけど・・・」

「何かあるのか?」

「うん・・・属性魔法の中で一番最弱と呼ばれているんだ・・・」


 最弱・・・?雷魔法が?

 なんでだ?


「雷魔法はね・・・どれだけ魔力を注いでも威力に変化が出ない魔法って言われてるんだ・・・」

「威力が出ない・・・?」

「うん。理由はわからないけどそう言われてる」


 威力に変化が無いって・・・それってただ雷を分散させてるせいじゃないのか・・・?



 ユウが思っていたことはこの世界では考えてもみなかったことであった。

 何故なら魔法とは魔力を注げばそれだけ力を増すというのが常識になっていたためである。

 

「うん・・・どうにかできそうだ」

「え?」

「トルク。雷魔法って最弱っていわれてるだろう?」

「う、うんそれに役立たず魔法とも・・・」


 ククク・・・いいぜやってやるよ。

 雷魔法が最弱だって?

 俄然やる気が出てきた。

 

「トルクもそう思ってるか?」

「う、うん。実際雷魔法を見たことあるから」

「はははははは!!」

「ど、どうしたの!?」

「いや、現状を確認したかっただけだ」


 そうかこの認識はもう確定されているんだな。

 だったら・・・




「その最弱魔法っていう認識を覆してやる!!」




 この時誰も思いはしないだろう。

 雷魔法は最弱ではなく最強に近い魔法だと。

 今後、その認識を改められることに。

何やら性格が変わったと思われるでしょうが今後の話でそれについては話しますので容赦ください。

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