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第二十三話 魔法と魔術

『キーンコーンカーンコーン・・・・・・』


 毎度毎度この鐘がなるたびに気になるんだけどこの鐘の音って全世界共通なのですか?

 とそんなくだらないことを考えているとコールマン先生が話を始めた。

 

「おし!お前ら今日からは初心者向けの授業はおしまいだ!これからはもっと専門的なことを学んでいってもらう!」


 ・・・専門的ねえ。

 

「と言ってもただの応用じゃつまらねえだろうから。もっと面白いのをやってやるよ」


 悪戯を成功させる直前みたいな顔でニヤリと笑うコールマン先生。

 

「んじゃ模擬戦闘用のフィールドに転移」


 その言葉を放った瞬間ここにいるクラスメイト全員が広く白い空間の上に立っていた。

 これで空間転移は4回目だがやっぱ慣れないな。

 少し頭がグワングワンする。


「全員転移できたか?・・・大丈夫のようだな。んじゃこれから古代魔法を実演してやる」

「先生ー古代魔法ってなんですか?」

「・・・おう。そういえば説明忘れたなガハハハハ」


 説明どうこう以前にいきなり転移させるのはどうかと思うのは俺だけか?

 

「じゃあ古代魔法について説明するぞ。まずこの古代魔法だがひどく極端だ」

「極端ですか?」


 クラスメイトの誰かがコールマン先生の言葉に質問で返した。


「そうだ。その極端ってのは使う奴によって威力、消費魔力量、見た目などが変化するためだ。これは俺達が使ってる属性魔法みたいに個人に左右されずに使える魔法なのが最大の特徴だ」

「でもそれって変じゃないですか?それが本当だったら今頃古代魔法使いだらけなのでは?」

「まあ、そう思うよな・・・まあ、使ってみるから全員見学しておくように」


 ふぅ・・・と小さな息を吐きながら集中していくコールマン先生。

 そして次に言葉が出たときそれは発動した。


「術式固定開始。回路接続。1~5までの演算を省略。魔方陣構築開始」


 あー・・・これってあれだよな?

 そう思いながらたぶんそこにいるであろうコルネの方に目を向けた。

 そのことにコルネが気づいたのか頭の中に直接通信を送ってくる。


『・・・まあそういうことよ。あれは古代魔法って言われてるけど佑君の知ってる言葉で表すなら魔術』


 だよなあ・・・・・・

 魔法ってのは想像によって発動するもの。

 だけど魔術ってのは何故その現象が起こるかを決めてそれを元にそこにいたるまでの道・・・つまるところ式を組まないといけないというのが俺の中で見解だ。

 

「構築完了。目標に固定。発射」


 その言葉と同時にコールマン先生が上げていた右手から魔方陣が構築され炎、氷、風の属性が同時に出てきていた・・・威力は弱いが。


「とこんなもんだ」


 ふうーと息をつきながら額に浮かんだ汗をぬぐっていた。


「先生!今のどうやるんでしょうか!!?」

「お、俺も知りたい!」


 その後はまあ、予想通りというかコールマン先生が質問攻めにあっていた。


「・・・あれ物凄く効率悪いのになんで実演したのかしら?」

「トルクはあの魔法について知ってるの?」

「ええ。小さい頃にお父さんに見せてもらったことがあるわ。でもあの魔法物凄く使いづらいの」

「なんで?」

「うーん・・・メアは右手で剣の素振りをしながら左手で文字書ける?」

「無理だよ!?」

「そうよねーでもあの魔法はそういうことをしている魔法なの」


 話を聞くに考えることを分散させてそれぞれにやらないといけないっぽいが別にそんなことしなくてもできると思うのは現代チートのせいであろう。

 別に両方を同時に進行してやらなくても片方をやってしまった後にそれを保存してもうひとつ組み立てる。そしてそれを最後に繋げれば出来上がる。

 うむ実に簡単だ。


「あと魔力の供給の仕方が難しくってね。魔力を属性に変化させるんじゃなくて魔力で魔方陣を組まないといけないのよ」

「うーん・・・うーん・・・頭がこんがらがってきたよぉ・・・」


 トルクの言ってる事を必死に理解しようとしているメアだが目がすでにグルグル回っている。

 まあ、現象の確定にいたるまでの式を組み立てるだけでもこの世界の人にはつらそうだけどな。


「落ち着けお前ら!言っておくがこれは使おうとするなよって注意だからな!?」


 なにやらコールマン先生が叫んでるかそんなの興奮した生徒達に聞かせても意味がない。

 この状況を冷静に見てるのって・・・

 俺とメア、フィア、トルク、後は・・・誰だあの子?

 俺の視線に気づいたのか笑顔で手を振り替えしてきてくれた。

 髪は銀髪で・・・こう長いんだけどフワっした感じだ。

 胸は・・・平均的と言っておこう。

 なによりも目が行くのは彼女の耳だ。

 実に見事な狐耳である。


「・・・どなた?」

「え?」


 俺のボソッ発した疑問にメアが聞き返すように答える。

 そしてメアが俺の視線を追ってその視線の先につくと「あー」と言いながら手をポンと叩いた。


「あの子は獣族の第三王女パルルク・ナクタリア。確か得意魔法は・・・なんだっけ?」


 そこで俺はガクッと力が抜けた。

 説明の足りないメアの代わりにいつの間にいたのかフィアが俺の横で説明してくれた。

 というか気配を消して隣に来るのやめません?

 

「獣族第三王女パルルク・ナクタリア愛称はパル、得意魔法は不明。練習試合後に対戦した相手に質問したところ魔法が何かによって(・・・・・・)打ち消された(・・・・・・)という感想が出た」

「よく知ってるな」

「情報は大事特に魔法に関しては」


 そういいながら俺をじっと見るのはやめてくれませんかねえ?

 ・・・確かに隠してる魔法は多いけどさ。


「というかこれどうするよ・・・」

「沈める方法は気絶を推奨」

「そうは言われてもなあ?」

「え?う、うん」

「なら授業が終わるまで待つ」

「・・・・・・気のせいじゃなければ今日の授業で最後までこれじゃなかったけか?」

「「「・・・・・・・・・・・」」」


 そこ!無言で目逸らさない!!


「とりあえず収まらなそうだから各々で判断して魔法の練習をしていくってことで」

「私はそれでいいよー」

「私もいいわ」

「問題ない」


 なんでいつの間にか俺が仕切ってるんでしょうね?

 ・・・場の流れか。


「それじゃあ俺はカンナに稽古でもつけてもらうかな」


 その言葉と同時に目の前の空間にカンナが現れた。


「ふむ。我が主は近接戦闘がしたいのか?」

「ああ。俺の近接戦闘はほとんど傍の勘と勢いだけだからな」

「なるほど。確かに先日の戦闘では動きが単調ではあった」


 グサっときた。

 いやわかってたことだけどさ。

 俺には圧倒的に戦闘経験が足り無すぎる。

 その結果先日のように魔法で無理矢理決着に持ってくか勢いで相手のペースを作らせないかのどちらかしかできないためだ。

 前者ができれば十分だろうと言う奴もいるだろうが実際近接戦闘をできるようにしなければもしもの時体が動かなく、相手にやられるという可能性が増える。

 ならその可能性をなくすためになにをすべきか?

 簡単だひたすら練習をすればいい。

 そのために俺はカンナと模擬戦闘をするのである。


「というわけで今日はとことん付き合ってもらうぞカンナ」

「ふ・・・了解した我が主よ。我が拳しっかりとその身に教えよう」


 さてといっちょやるとしますかね?

 そう思いカンナとの距離をとる。

 そして佑とカンナは互いに構え高速の戦闘が始まった。

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