表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/31

第十六話 壊さないための嘘

 さて・・・魔物退治とは言ったもののどうすればいいか・・・

 

「・・・」


 第1にだどのくらい魔法の威力を調整すればいい?

 今ある中で国を消滅させずに解決するぐらいだと第7ぐらいが限界だ。

 いや、第11だけは別か。

 だったら第11を使って一気に・・・

 考えながら思考の海へと沈んでいく。

 

「佑君?」

「・・・・・・」


 そんな佑を見てコルネが名前を呼ぶが反応がない。


「・・・・・・・・・ウラァ!」


 仕方ないと思いながら拳を佑の腹にめり込ませる。


「ゴパッ!?」


 不意をつかれたのでその拳は佑の腹に入り変な声が佑からでた。

 何!?何ごと!?ていうか痛い!!?

 突然襲われた痛みによって思考の海から帰ってきた佑は驚きながら周りを見渡した。


「はあい?目覚めた?」

「ゲホッゲホッ・・・あのな・・・さすがに不意打ちで・・・腹はきついんだが・・・・・・?」

「んなこと知らないわよ」

「ユウ大丈夫?」


 コルネとは違いメアは佑の心配をした。

 なんでこう・・・主人と契約獣で扱いが違うのかね?


「ん。大丈夫。ちょっとどうしようかなーと考えていただけだから」


 そう、本当にどうしようか・・・


「どうせ、どう倒そうかとか威力的に問題があるとかでしょう?」

「ぐっ・・・」


 大当たりである。


「はあ・・・そのぐらい問題ないわよ?私を誰だと思ってるの?」

「駄神」

「そこで真顔でしかも即答だと中々に心を抉られるわね・・・・・・はあ・・・・・・」


 両肩をガクッと下げながらコルネは深いため息をついた。

 いやだってあーたいつもの姿を見てるとねえ?


「・・・まあいいわ。とりあえず佑君が危惧しているであろうことは私がいれば大丈夫よ」

「空間でもつくり出せるのか?」

「だからなんで・・・ってラノベね・・・」


 はい。その通りです。

 こういう展開でそういうこと言われれば大量のラノベを読んできた俺には予想できることだ。

 いらん知識なのは理解してるけど。


「とりあえず魔物だけをここまで引っ張ってこれれ・・・「あなた達ね私の結界を破壊してくれたのは」必要なかったわね・・・・・・」

 

 コルネが魔物をどうやってここに連れてこようかという話をしようとした途中で声がかかった。

 その声がする方向を見るとそこにはナニ(・・)かがいた。

 気味が悪いとはこのことだろう。

 形としては認識できるのに姿がわからない。

 まるでモザイクがかかってるような感じだ。


「何かしら?私の美しさにでも見惚れたのかしら?」

「いや全然むしろ気持ち悪いわ」

「は?」


 言ってる意味がわからないって顔してるな。

 いやでも気持ち悪いぞ?


「な、何をいってるのかしら?私は美しいでしょう?」

「どこが?」


 もう一回見直してもどこをどう見ても気持ち悪い。

 どうしてこいつはこんなに自身満々にいえるんだ?


「・・・何故?」

「そりゃあ、私が抵抗の魔法かけてるからねぇ」

「・・・!神族か!!!」

「大当たり~」


 気が抜けるからその言い方やめてくれませんか?

 

「お母様・・・?」


 この時コルネは見落としていた。

 抵抗の魔法をかける対象を全体ではなく個人にすることを忘れていた。


「・・・ユウ?あれは・・・お母様・・・・・な・・の・・・・?」


 ここで本当のことを言えば間違いなくメアは心を壊すだろう。

 何せ自分の親が魔物だということを知るからだ。

 ならば佑がやれることはひとつだった。

 それは・・・


「メア。あれはメアノお母さんの成れの果てだ」

「?」

「メアのお母さんは・・・・・・たぶん魔物に食われたんだ」


 嘘をつくことだった。


「ちょっと佑君!!」

「いいんだ!!」


 しょうがないんだ・・・メアが壊れないようにするにはこれしかないんだ!!

 やっと自分に自信を持ち始めたんだぞ?

 そんなところにこんな情報がメアに入ったら・・・・・・今度こそメアは立ち直れなくなる。


「魔物に・・・食われた・・・・・・?」

「そう。メアのお母さんはおそらく魔物に食われた。そしてメアのお母さんに成りすましていたんだ」


 とっさの嘘だがたぶん平気だと思う。

 

「じゃあ・・・お母様は・・・・・・?」

「・・・死んだんだと思う。だけどメアだけは守ったんだ」


 嘘に嘘を重ねる。


「・・・私を?」

「そう。メアが魔物に食われないように自分が盾になることによってメアを守ったんだと俺は思う」


 ごめん・・・だけど、今真実を教えるわけにはいかない。

 いつか絶対に教えるから・・・でも、今は今だけは・・・


「なんでそれをユウが知って・・・?」

「・・・メアの契約獣コルネはその魔物を駆逐するのが仕事だったらしいんだ。そして魔物の特性について教えてもらった。そしてメアから聞いた話を合わせるとメアのお父さんは魔物に汚染されたと結論が出た。じゃあ、その汚染はどこからと考えると一番身近な存在、そう母親という立場しか考えらねなかった。もちろん兵士の中に紛れ込んでいたとかも推測したけけど・・・それは無理だった。メアが話した内容の中にメアのお母さんの情報があったからだ。だからそこから考えられることはひとつ・・・・・・メアのお母さんが魔物だっていうふうにしか結論がでなかった」


 自分でも驚くぐらいにすらすらと嘘がでた。

 いや。嘘といっても半分くらいは本当なのだが。

 

「それじゃあお母様は・・・」

「メアのために自分を犠牲にした」


 そうこれが俺がいまできるメアに対しての行動だ。

 ならばとことん嘘を重ねよう。

 

「・・・ねえユウ?」

「わかってる。だけど駄目だ危険すぎる。今回は俺もコルネも参加する」

「・・・うん。ごめん」


 自分の手で片付ける気だだったのだろうが相手はコルネが面倒くさいと言った知能を持った魔物だ。

 なら、メアを一人で行かせるわけにはいかない。

 下手したら・・・死ぬ。


「コルネ!!カンナ!!」

「了解よ!」

「大丈夫だ我が主よ!」


 俺の言葉にコルネは魔法を唱え始め、カンナは龍族を縛っていた拘束を指を鳴らして解き、コルネの魔法完成までの時間稼ぎに移った。


「カンナ!あくまで目的は時間稼ぎだ!!ここいら一体を吹っ飛ばすなよ!!?」

「わかっているぞ我が主よ。だが、相手がそれをしてくるかは微妙だが」

「それでも頼む」

「やれやれ我が主の頼みだ。やってみせよう!!」


 カンナは拳を握り構えた。

 たぶん我流なのだろう。右手は顔の前に左手は耳のところにやっていた。

 足は右足を前にまっすぐし左足は軽く後ろにさげ斜めに踏み込んでいた。


「うフふ・・・わタシはウツウクしいのヨ?」


 今まで気持ち悪いという言葉によって呆然としていた魔物が壊れた機械のようなノイズの走った音で語った。


「コルネ!時間は!?」

「後30秒お願い!!それで魔力が完全になるわ!!」

「了解した!!カンナ!俺も魔力を溜めるからよろしく頼む!!!」


 30秒・・・長いようで短い時間だ。

 だが、カンナだったら大丈夫だろう。

 そして俺は俺にできることをやる。

 そう思い魔力を溜めながら俺はメアに指示を出した。


「メア!躊躇いなんか捨てるんだぞ!!じゃなきゃ自分が死ぬ!!」


 そう、相手は魔物だといってもさっきまではメアの母親の姿をしていた。

 もし攻撃に躊躇いがでたらその瞬間に殺される。


「私は・・・・・・大丈夫。だけど、ユウは平気なの?」

「俺か?俺は怖いぞ」


 あと20秒・・・


「怖い?」

「ああ。俺は何かを殺したことなんてない」

「・・・じゃあ」

「だけど、同じようなことはしている。殺したことはないけど殺された家畜とかは普通に食べてたしな」

「それはそうだけど・・・」


 納得できないのかちょっと困惑するような声でメアがそう言う。

 だけどやってることは人間を殺すのと変わらない。

 ただ人間を家畜に例えて、それが食えるか食えないかの違いだ。


「だから大丈夫だ。だけどもしこれで俺が泣いたりしたら慰めてくれたらうれしいけどな?」

「・・・うん。もしそうなったら私がユウを助ける」


 後10秒・・・


「そっか・・・ありがとうメア」

「ううん。こっちこそありがとう。私を助けてくれて」

「「プッ・・・」」


 両方同時に噴出した。

 だけどきっとそれはちゃんとした確認だったのだろう。

 佑もメアも笑っていた。


「ハア!!!」


 掛け声と同時にガキン!!という音が聞こえてくる。

 カンナが魔物相手に戦っている音だろう。


 後5秒・・・


「さて・・・準備はいいか?メア?」

「うん。大丈夫。ユウこそ準備は大丈夫?」

「それこそ心配する必要ないって。魔力はほぼ限界まで溜めた。後はこれを魔法として開放するだけさ」


 後3秒・・・


「そっか。じゃあ大丈夫だね」

「ああ。さあやってやろうぜ」


 後2秒・・・


「うん。私はお母様を救う」

「・・・・・・ああ。救ってやろう」


 後1秒・・・・・・・・・・・0。


「佑君!主様!!行くわよ!!!」

「「了解!!」」


 その言葉同時にコルネが魔法を唱え始めた。


「我が思想を顕現する」

「世は創造され理は想像される」

「世界を断絶する力よ」

「今世界を創造せよ」

「仮初の世界に命を与えよ」

「我が願うは虚無の世界なり」




もうひとつの世界(アナザーワールド)!!!』




 こうして俺達はコルネによって作り出された仮の世界に飲み込まれた。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ