第八話 お披露目は大胆に
『バチ・・バチチ・・・』
そこにいたのは一人の龍だった。
否。龍ではなく龍の形をした何かだった。
両手両足からは黄色い光がバチバチと鳴りながら大きな爪が生えている手の形をしていた。
頭には角のような物があり、背中からは翼が生えていた。
「な、なんだそれは?」
目の前に現れたものが理解できないのか声を震わせながらバルコロはそう言った。
それに対して佑はこう言った。
「お前が・・・いや、この世界が馬鹿にしていた雷魔法だ」
「嘘だッ!!」
いや、嘘だと言われても困るんだが・・・
まあ・・・信じたくないよな。
「嘘も何もこれが事実だ」
「は・・・ははははは!!!どうせはったりだろ!!?格好ばかりのただの役立たず魔法がッ!!」
「・・・いいからこいよ」
「打ち砕け!!アースバレット!!!」
バルコロが魔法名を言う。
岩の塊がこちらに向かって飛んでくる。
察するにさっきのもこれだな?
・・・まあいいか、さてどうやって防ごうか?
ふむ、なぎ払えばいいか。
そう佑は考え右手を横に薙いだ。
その瞬間『バチチ!!!』と音が鳴ったらさっきまで存在していた、アースバレットは目の前から跡形もなく消えていた。
あー・・・まだ威力調整が必要だなこの状態は・・・
出力の調整がわからないぞ・・・これは。
まあ、とりあえずさっさと終わりにしますかね?
笑いながら俺はこう質問した。
「さて・・・何が最弱の魔法だっけか?」
「クソが!!クソが!!!これは悪い夢だ!!!?最弱魔法の雷がこんなに強いはずねえ!!!?」
あーあ・・・ついに現実逃避まで始めちゃったよ。
てか一回魔法消されたぐらいで諦めるなよな。
そう思っていたらバルコロが再び魔法を放ってきた。
「大地を砕け!アースクエイク!!」
地面が隆起を始め、周りが揺れ始めた。
なるほど・・・確かに全体しかも地面からの攻撃だったら逃げれないわな。
だけどちょいと甘いな。
その考えを中断させるよな笑い声が聞こえてきた。
「はははははは!!!!これならどうだ!!?逃げれねえだろう!!?」
そうバルコロが大きな声で叫ぶも周りは隆起する音でうるさく返してくる言葉も聞こえない。
「・・・だからそのぐらいじゃ倒せないぞ?」
声が聞こえるのは上。
バルコロは声のする方向を見た。
「な・・・!?」
「なんで飛んでる・・・か?」
「そ・・・・!?」
「そんなことできるはず無いってか?」
バルコロが言おうとしていることを先に言っている佑はバルコロがその言葉を聞くたびに絶句するのが楽しく笑っていた。
「・・・いい加減認めろよ。お前が馬鹿にしていた雷魔法はお前が考えていた最弱魔法なんかじゃなくむしろお前を簡単に上回れる魔法だてことを」
「・・・・・・!?」
認めたくないのかひたすら否定するような声がこちらに向かって言ってくる。
「なら・・・認めさせるしかないよな」
そう佑は言い。
空に向かって右手を伸ばす。
そして二つ目の魔法を叫ぶ。
「求めるは裁き!目の前にいる敵を葬れ!!」
「砕くは条理!!瞬きのごとく発せよ!!」
『迅雷一閃!!』
佑が発したその言葉、魔法によって一瞬この世界の音が無くなった。
真っ白く世界をその魔法は塗りつぶした。
しばらくして光を収まり始めると地面にバルコロが横に倒れていた。
・・・腕や足をへんな方向に曲げながら。
周りは佑がはなった魔法によって原型を留めていなかった。
巨大なクレーターがバルコロを中心に出来上がっていたからだ。
「・・・終わったな」
そう呟いた瞬間再び目の前が真っ暗になった。
おい、またかよ。
一方アルメシア・ドラゴニアというと・・・
「まだやる?」
「うぁ・・・」
一方的に相手を圧倒していた。
メアが唱えた魔法は簡単だ。
純粋な防御魔法だった。
・・・ただ普通のとは違い雷が自動的に相手の攻撃を無効化してくれるものだった。
小さい頃から出来そこいないと言われてきた分だけ魔法の練習をしていたせいか、魔力の最大限界を超えたらしく魔力が尽きることが無くなった。
まあ、さすがに一日中使ってると無くなるけど・・・
そこでこの迎撃防御強化魔法をつくった。
これは常時起動していて。使用者の魔力を常時消費する。
そして自分の周りに一定の空間をつくりそこに入ってきた敵意のある物をすべて迎撃するようになっている。
ちなみにこれをトルクの水魔法で同じようにしてもらったが水の速度が間に合わなく防御することができないでいた。
ようするにこれは風か雷にしか使えない防御方法だということ。
そして風とは違い雷はその物自体を消滅させることができるということ。
これによりこの魔法は雷限定の魔法となるというわけだ。
そしてそれを目にした目の前の・・・名前なんていったけ・・・?
まあ、男の子でいっか。
その男の子が魔法を乱発してきたわけだが・・・全て消滅させた。
これにより心が挫けたのかひざを折って地面に座り込んだ。
ちょっとやりすぎかな?とも思ったけど、雷魔法を知ってもらうためだししょうがないという気持ちで容赦なく叩き潰した。
「ああぁ・・・・・・」
「うーん・・・やりすぎちゃった感があるけどゴメンね?止めを刺させてもらうね」
そう言い目の前の男の子に魔法を唱えていく。
「祀ろう!雷を!!」
「故に絶対であり!消滅の象徴!!」
『ライトニングデストラクション!!!!』
そう唱えた瞬間『ガガガガガガガガ!!!!!!!!!』と音を鳴らしながら目の前の男の子が地面を水平に飛んでいく、次第に離れて行きしばらく立つと男の子が飛んで行った方向で爆発音が聞こえた。
メアが唱えた魔法は時限式の爆発魔法。
手で触れた相手を雷で自分との距離を一気に広げさせ、雷と雷の摩擦によって起きる爆発を時限式で仕掛けたというわけだ。
自分で考えておいて恐ろしい魔法だと思う。
「あ・・・」
勝敗が決した瞬間再び目の前が暗くなった。
・・・学園でこの試合を見ていたもの達はというと。
『・・・・・・・・・(ポカーン)』
全員唖然としていた。
・・・そこには学園長も含まれていた。
そしてその沈黙を破るように二人の雷魔法使いが戻ってきた。
「おー疲れた・・・」
「ちょっとやりすぎかな・・・?」
「お?メアも終わったのか?」
「あ。ユウも?」
「おう。迅雷一閃でこう・・・プチッと」
「その魔法がどんなものかはわからないけど、相手が無事じゃないことだけはわかった」
「そっちは?」
「えっと・・・ドカン?かな?」
「・・・人のこと言えないだろ絶対」
「二人共私のこと忘れてない?」
「「あ、トルク」」
三試合目の対戦者トルクもいつの間にか帰ってきていた。
「まあ、いいけどね?それで無事にお披露目できたのユウ?」
「おーできたと思うぞ。ちょっと地形変えたけど」
「「・・・・・・なにやってるの」」
三人とも余裕がある雰囲気で話していた。
そこに学園長が割って入ってきた。
「あ、あー・・・いいかね?君達?」
「「「あ、はい。なんでしょうか?」」」
「勝負は君達の勝ちだ。だけどあの魔法はいったい・・・?」
ほかの先生や新入生の言いたいことを代弁して学園長は言った。
「えーと・・・俺のですか?それともメ・・・アルメシアさん、もしくはトルクさんのですか?」
「あ、ああ。君達三人の魔法について教えてくれるかな?」
「「俺(私)は雷魔法を使いました」」
「一応、私は水魔法です」
その言葉を聞いた学園長その他は全員『ピシリ』と音が鳴ったように固まった。
「なんかまずいこと言ったか?」
「んーわかんない」
「いや、まあ固まらない気持ちもわからないでもないかな・・・?私もユウの魔法見せてもらった時は固まったし」
「あーあれな。そんなに驚くことかね?」
「いや・・・最弱って言われてた魔法があんな物だと知ったら誰でもそうなると思う・・・」
それもそうか。
ちょっと戦いのせいで興奮状態で気づかなかったけど俺最弱魔法の使い手だと思われていたんだっけか?
「そ、そうなのか。雷魔法に水魔法か・・・ありがとう。席に戻っていいぞ」
硬直が解けたのか学園長がそう言ってきた。
俺たちはそれに従い自分が座っていた席に戻っていった。
ちなみにバルコロ達は気絶状態で治療室に送られたとさ。
てかあの転移魔法、怪我とかしないのな・・・・・・。




