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エロ要素が少々(?)含まれています。そういうのが苦手な方は読まないことをオススメします。



 それはよくある朝の風景だった。

 しかしそれはいつもとは違うわけで、今この瞬間から俺の生活が……いや、こんなところで多くは語るまい。

 とにもかくにも、今までの日常というものはこれで終わったのだということがわかればよいのだ。


 これは俺の日常にスパイスどころか、ジョロキアとかデスソース的なものを流し込んできた妹が悪いんだと、俺は思う。





 そんな前置きは置いておいて、時刻はその出来事が起こる一時間前まで遡ってみたいと思う。

 俺はいつも通り目覚ましが鳴り、それを止めながらベッドの上で今日も一日が始まってしまったことを数秒だけ悔やみ、そして寝転がったまま伸びをしてから起き上がった。まだ覚めきっていない身体を動かしながら部屋着から制服へと着替える。その後、準備されているであろう朝食を食べるために下の階に降りてリビングへと向かった。

 キッチンには母親がいて、ちょうどオムレツを皿に乗せているところだった。

「あらおはよう。パンでいい?」

「ん」

「何枚?」

 俺が指で『二枚』と示すと、母親は笑顔でトースターに食パンを入れた。

 テレビの前のソファに腰を下ろすと、隣で父親が新聞を見ながらぶつぶつと言っていた。別に頭がおかしいわけではなく、会社勤めのサラリーマンとしては、『ホットな話題=最近あったニュース』となるそうだった。それは今の高校生活でも大人になってからでも変わらないんだなと思った。学校で話す話題だって六割くらいはテレビの話題だ。マンガやドラマみたいに、昨日見たものなんかの話題が中心で、それから発展して違う話題になったりする。他はどうでもいい話だったりどうでもいい話だったりだ。

 父親の隣に座ってパンが焼けるまでボケーっとニュースを見ていると、階段を下りてくる音が聞こえ、そちらを見ると妹が寝間着のままリビングにやってきた。

「あらおはよう」

「おはよー……」

 かけている眼鏡をずらしなが目をこすっている。いつもながら眠そうな妹である。

有香(ゆうか)はパン何枚食べる?」

「一枚でいい……」

「はいはい。じゃあ先に着替えてきなさい」

「はーい……」

 そう言って今降りてきた階段をまたダラダラと上がって行った。パンの枚数を伝えるためだけに降りてきたようなもんじゃないか。なんて効率の悪い妹なんだ。朝なんかできるだけ無駄な行動はしたくないと思う俺と同じ母親から生まれてきたとは思えないほどの低血圧娘だこと。


 そんなこんなで朝食を食べ終えて、顔を洗ったりした後、自分の部屋に戻って学校へ向かう準備をしていると、隣の妹の部屋の扉が閉まる音がした。

 あいつ、やっと食べ終わったのか。ホント同じ血が流れているとは思えない。

 一つ下の妹とは似ているところがあるのかというくらい似ておらず、性格もほとんど真逆である。アウトドア中心な俺と対照的に、妹は文学方面に長けていて、部屋の中では小説をぺらぺらと読むのが日常的だそうだ。そんな妹とは仲が悪いというわけでもなく、特に共通の趣味も何も無いため話も大して続かず、そこら辺にいるような兄と妹の関係だと俺は思っている。 しかし思考回路は似ているところがあるのか、お互いに『近いから』と言う理由で近所の中の上くらいのランクの高校へと進学し、俺が高校二年の今年に妹が一年として入学してきた。学校ですれ違っても兄妹アピールをするわけでもなく、ただすれ違うだけだった。クラスの友達に妹がいることを話すと、興味全開で見に行ったものの、社交辞令と駆使した初対面の年上の人への対処を妹にされた友人Aは、『もっとお前に似ててサバサバしてる妹かと思ってた』と言われた。そして友人Bには『ドンマイ』と肩を叩かれた。妹に対してどういう価値観を持っているんだ。ただの血のつながった同居人としか思ってないのに。

 と、そんなことを思い出していると、登校時間が近づいてきたのでカバンを持って部屋を出て階段を降りる。キッチンにいた母親にいってきますと告げ、玄関へ向かった。

 

 ドンッ!

 

 玄関へ向かう途中にある廊下で、洗面所から勢いよく出てきた妹と派手に激突してしまった。

 一瞬何にぶつかったのか全然わからず、ぶつかった勢いで尻餅をついた。見ると妹も尻餅をついて転んでおり、制服姿の妹が目の前にいた。ついでに言っておくと、現役女子高生のスカートの中身が見えていたのだが、妹のパンツなど見ても何とも思わない。見ようと思えば部屋干しされているのを見ればいい。

「……ん?」

 そこは生理現象なのか、思わず見えてしまったパンツから目を背けると、妹の内腿辺りから伸びているピンクの紐が目に入った。それは腿についているバンドのようなものから伸びているらしく、その長くない紐の先へと目をやると、紐と同じ色のピンク色の楕円形のソレがつながっていた。

 俺だって伊達に男子高校生をしていない。そう言う知識はある。初体験だってもう前の彼女と済ませたし、童貞じゃあない。だがしかし、ソレを目にしたことはない。というよりも、ソレを見たことがある男子高校生のほうが少ないのではないだろうか?

 って、そうじゃない! 問題は初見かどうかの問題じゃない!

 俺はいまだに尻をさすっている妹に恐る恐る尋ねてみた。足に繋がっている以上、それは誰のものでもなく、妹の所有物なのだから。

「お、お前、それ……」

 俺に言われて気が付いたのか、女の子らしくスカートを押さえて、俺の顔を見て、俺が見てる視線の先を追って、押さえたスカートからはみ出たソレを見て、俺の顔をもう一度見て、顔から血の気が引いて、慌てて立ち上がって、俺にぶつかったことなんか気にせずに走って階段を上っていった。

 走り去る妹を見て、何が何だかわからないまま、俺は尻餅をついた体勢から動けないでいた。

 あれは……ピンクのローターだった。

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