8、世界の理
魔王城を案内されて、最後には、魔王にあって・・最後に案内された自分の部屋にはいって、そして、最後は、ベットに一直線に倒れた。
「疲れた。」
と一言。
部屋の豪華さを気にせず、そのまま、眠りに付いた。
・・・・・
翌日になって、さらに、時間が飛び、そして、リューハルトのいるところは、
本がある・・・いわば、図書室で、目の前には、見知らぬ初老の人がいます。
「・・・では、リューハルト様いいですか。これから始めるのは、此処のだれもが知っている知識を、勉強をします。いいですね。」
これから、始まるのは、前世の燐が最も苦手としていた、授業だった。
「!!(げ!?)・・・・ていうか、誰?」
つい、つい、顔をしかめたリューハルトの問いに相手は、ちょっとばかしの間、きょとんと固まって、そして、納得したように、顔を変化させた。
「もうしわけません。でも、もうあっていらっしゃいますよ、私とは」
という答えに対して、今度は、リューハルトが、顔を、意味が分からないと顔を変化した。しかし、相手と違って、そのまま、変わらなかった。そんな調子の彼に、相手は笑った。
「・・・・なんだよ」
そしたら、拗ねた。
「申し訳ありません。あれですよ。あの森で私の顔を棍棒で、ぶっとばしました。あの三目狼ですよ。」
「!!!!・・本当?」
(まじ、ていうか、あいつも、魔王の仲間だったとか・・)
「本当ですよ。あれは、痛かったですよ。その前に良くできたと、誉めたていうか、後で魔王陛下に怒られましたけど・・」
「ごめんなさい」
それを聞いて、申し訳なくなってきたので、ここで、素直に謝った。
「いや、いいですよ・・ああ、忘れてました。私の名前は、ジュシールと申します。三目狼族の族長で、魔王様の傘下に入っています。」
「・・・魔王で、すごいんだな」
「ああ、また忘れてました。始めますよ。勉学。」
「・・う」
その言葉に、またさらに顔をしかめた。
それにたいして、気にせず、本を開くジェシール
「・・・(あきらめよう・)」
そんな彼に陰ながらしくしく泣くリューハルトであった。こっちにきても、勉強は嫌いだった。
「まずは、さっき出てきた・・”魔王”です。」
「うん」
リューハルトの前にある、紙と手にはペンで、メモをしながら、話を聞く。さすがに、この世界の事なので、真剣である。
「魔王、で、その・・・・父・・・あの人のこと、うん。ヴェルインのこと!」
(はずくて、いえない!)
「・・・まあ、いいでしょう。魔王は、だだの肩書きです。魔王は、魔人しかなれません。」
「魔人・・・?じゃあ俺?」
「いいえ、リュ―ハルト様は、まだ違います。魔人は、この世界で一人しか存在しません。」
「まだ・・?。そうじゃあ、今の魔王は?」
ちょっと言葉に引っかかったけど、気にしなかった。
「そうです。陛下が今の魔人です。魔人は、我々、魔造族よりも、何よりも、力があり、この魔のすべてを統べる力があります。そして、莫大な魔力があります。」
「すごいな」
もともとこういう話が好きだったリューハルトは、話に耳を傾けている。
「そして、もうひとつ、”魔人”と呼ばれる理由です。」
「理由?」
「あなたが、此処にきた理由でもあります。」
「!」
ここで、自分がでできたので、息をのんで、真剣になった。
「はい・・・”魔人”とは、人から魔になった存在と言われているから、そう呼ばれているのです。」
「そうです。そして、あなた、将来、"魔人”となり、“魔王”と呼ばれる存在となるんですよ。そのことに関しては、忘れずにおいといてください。」
「ああ・・・(あの人も、人間だったのか)」
「つぎは、この本です。」
少しだけ感傷にひたるリューハルトをよそに、次の本を手に取った。
「魔王陛下が統べる魔の物・・・この”魔”について、詳しく教えます。」
「おう」
二文字で安返事をした。
「では、魔の種類を言えますか?」
また、この質問に、困ったような顔になった。
「あー、人族と魔獣族と魔造族と・・わかんね・・」
三つしか言えなかったとかっガリとへこむリューハルトにジェシールは、言う。
「大丈夫ですよ。まだいい方です。」
「・・ありがとう」
「では、本題に入りましょう。」
「人族はおわかりでしょう。魔獣人から。やりましょう。」
「ああ・・?」
ジェシールの顔が暗いのに、気づいていたが、黙っていた。
「人族・・基本的に人族の体持ちににています。そして、かく動物の特徴を持っています。」
「そうなんだ・・」
「はい。だが、その多くが、奴隷にされているのです。」
「ッ!・・奴隷・・・(聞きなれないな・というか、やるせないなあ)」
「そうです。それも、人族に・・」
「っ・・なあ、魔造族が人族を嫌うのは、それなのか?」
「さあ、どうでしょうね。次は、魔造族です。これは分かりやすいですね。これは、智慧があり、しゃべることのできる。まあ、私たち三目狼は、しゃべりませんからね、余程の事がない限りね・・」
次は、何だろうかと、頭のすみで考え始めた頃、ジェシールは、口を開いた。
「次は、神族ですね。これは、滅多にいません。この世界を創造したという女神ミューゼが認めた種族がそうです。」
(女神ミューゼ・・・なんか、引っかかる。)
そう思いながらも、紙に手を滑らせていく。
「これが最後です。では、次のことですが、これもまた最後です。」
「おう」
リューハルトの顔には、疲れが出てきた顔をしていた。
「・・ああ、これです。この世界最古の言葉とされるんですが、誰も、読めないんですよ・・」
「ふーん・・(・・これ、日本語じゃあ・・)」
「それが、不思議なことに、魔王様は読めることができていらっしゃったと思います。」
「ふーん(俺、読めるんだけどなぁ)」
その肝心な内容は、
”汝のこの世に、対となる光と闇を現れよう。
対となるが故、ぶつかり、この世は、乱れよう
闇は魔の王、光は勇の騎士。
闇を倒そうとするならば、光を使え
光を倒そうとするならば、闇を使え
それが、汝の世の理となろうぞ”
「!・・あなた様も読めましたか。」
「まあ、一応・・意味わかんねぇけど」
「そうですか・・では、これで、基礎は学びました。終わります。」
「ありがとうございました。」
これで、長く続いた勉強会は終わった。
リューハルトは、何かが引っかかっている模様だが・・
(その意味は、知られてはいけません。なんとしても、隠すのです。)
長くなってしまった。
ジェシールに、世界のことを語らってもらいました。