4、異世界と森との二日目。そして魔王
朝を迎えた。
「・・・・・・・・・なんじゃこりゃ」
朝の第一声は、生まれてきて初めてのふぬけた声だった。なぜかというと、濡れていた。
「雨・・・降ったのか・・・違うな。湿ってないし・・・第一・・・火が消えてないし・・・」
雨ではないのなら、なんだ?と、リューハルトは、首をかしげた。
(俺の身体は、川にはいったくらいに、びしょぬれ・・近くに川などさいし、何者かの魔法?)
移動しようと腰を上げた途端・・
「っ!身体が重い・・・風邪ひいちまったか・・やべぇ・・・」
風邪をひけば、一大事である。
と、動こうとすると・・・・
キーン
「くぅ!」
こんどは、頭痛がした。
(なんなんだ・・・・・・・・こっちか・・・・)
すると、リューハルトの体は、勝手に、始め立っていたところから、動き出した(・・・・)
「・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
沈黙のなか、歩き続けるなか・・・・
『燐ちゃん』
「・・・・・・」
突如、頭の中に、響いた。
『譲れない・・・こまっているのなら・・・助ける。それが僕の』
「・・・・・っ」
(なんだ・・)
”この感覚は”と続く前に・・
キーン
「っう!」
さっきのよりも、ひどい頭痛が響いてくる声をかき消した。
「・・・・・・・・」
無言で、止まっていた、ひたすら足を動かし始めた。
『僕は、君がなんと言おうとも、考えは変えはしない。』
「っ!・・・この声は・・・っ」
キ―ーン
また、頭痛が襲ってきた。響いてくる声に比例して・・
『燐ちゃん。僕は負けない。』
「ッ!誠・・・そうだ、負けるもんか・・・ハハッ、俺は、負けねぇ、負けるもんか・・・だろう!誠!」
と叫ぶと。
身体の重みも頭に来るほどの頭痛・・・そして、幼馴染の声も消えた。
「サンキュー、誠。助かった。」
(どうやら、俺は、操られていたよう・・・だな・・同じ言葉で助けられたか・・・)
このまま、行けば、俺は、あいつらの巣に、つれて来られて、喰われていただろうな・・・
「・・・ふぅ」
一息つくと・・後ろを向いた。
「・・・・誰だ」
パチパチパチ
警戒して低い声で、言った途端に、拍手が、森の中に響いた。
「いやはや・・・びっくりしたぞ・イヴァルツの操り人形魔法を破るとはね・・・さすがは、神魔の落とし子だ。立派な才能だ。」
「誰だ・・・」
突然・・現れた黒いマントを来た中年くらいの人と礼儀正しそうな老人が居た。禍々しい雰囲気に、リューハルトは、冷や汗が吹き出ていた。
「失礼した。私めは、イヴァルツでございます。先程は、見事でございました。」
「ど、どうも、俺は・・」
といおうとすると、マントの人は、手をだして、呈した
「いやしっているよ、魔王の素質を持った者・リューハルト君」
「っ!?そういうお前は・・・」
「これは失礼した。俺はヴェルイン・・この世界の魔のすべてを統べる者・・魔王をやっている。」
リューハルトは、その言葉に、絶句した。
(ま、まじで!?)
次は、この方・魔王様を本格的に出そうと思います。